天皇誕生日
天皇誕生日(てんのうたんじょうび)とは、日本の祝日であり、天皇の誕生日を祝う日とされている。国民の祝日に関する法律により定められており、2020年以降は2月23日となっている[注 1]。
概要[編集]
天皇誕生日は前述のとおり国民の祝日に関する法律により定められている。この法律の制定は1948年であり、それ以前は天長節という名称の祝日であった。天長節の起源は8世紀の中国にさかのぼるといわれており、当時の日本の天皇である光仁天皇が775年に定めたといわれている。しかし、天長節は毎年行われていたわけではないらしい。その後、明治時代になり現在のような国民の祝日として天長節が太政官布告(年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム)として定められ、大正に入ってから休日ニ関スル件という勅令で定められていた。
天皇誕生日は宮中で儀式や一般参賀が行われるほか、各地の神社では天長節祭や天長祭が執り行われる。また、外交的には国家の日として扱われることも多いことから、海外の日本大使館が祝賀レセプションを行うことも恒例化している。戦前の天長節においては軍艦の祝砲なども行われていたという。現在でも海上自衛隊では停泊船に満艦飾を行っている。
天皇誕生日の変化[編集]
天皇誕生日は在位中の天皇の誕生日を祝う日であり、退位や崩御なされた先代天皇の誕生日を天皇誕生日として祝うことはない。一方でその名目を変え現在でも「文化の日」と「昭和の日」が国民の祝日として残されている。文化の日は明治節と呼ばれていた明治天皇の誕生日であり、昭和の日は5月4日の国民の休日をみどりの日にし、もともとみどりの日であった昭和天皇の誕生日である4月29日を昭和の日と改めたものである(4月29日を無くしてしまうとゴールデンウィークに影響を及ぼすためともいわれている)。一方、このみどりの日を昭和の日に変更したことを契機とし、文化の日を明治の日へ変えようとする動きがあるとされている[注 2]。この動きに対して、元号の政治利用化ではないかという声も上がっている。
平成時代の天皇である上皇の誕生日は12月23日であるが、在位中の現天皇との二重権威ではないかという声もあり、天皇陛下が皇室の頂点であるという線引きが必要という点から、2019年以降、祝日化は見送られている。また、上皇が存命中の間は議論すること自体が好ましくないと考える人も多く、当面の間は平日として扱われる見込みである[注 3]。