パワースポット

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パワースポットは和製英語であり、霊力のある地点という意味である。超自然的なパワーを感じられる場所である。

概要[編集]

聖地は宗教指導者が奇跡や霊的現象を起こした場所、宗教の開祖の住んでいた場所、特定の宗教にとっての本拠地・宗教指導者の活動場所などをいう。

パワースポットは必ずしも特定宗教とは結びつかず、観音閻魔神社・寺院・自然(岩、山、森など)などの霊力が感じられる場所をいう。神秘的な力が感じられ、訪れた人が元気になると感じたり、リフレッシュしたり、精神的に落ち着ける場所がパワースポットである。

英語では spiritual places などが該当する。Power Spot では海外で意味が通じない。

世界のパワースポット[編集]

パワースポットは世界中の至るところに存在するとも信じられている。ペルーのマチュピチュ、北米のセドナシャスタ山ハワイヒマラヤバリ島ピラミッドルルド、オーストラリア中心のウルルなどが主に言及されている。 セドナはページ・ブライアントなる霊能者がパワーがのように吹き出ている「ボルテックス」なる場所があると言っており[1]、スピリチュアリストの聖地の観を呈し、多くの観光客が訪れている。

荒俣宏は世界のパワースポットと言われている場所は国定公園世界遺産になっている場所が多い、と説明した。荒俣はお奨めの世界的パワースポットとして、ギアナ高地、フィリピンのボホール島チョコレートヒルズ、日本のフォッサマグナ中央構造線)を挙げた。

日本のパワースポット[編集]

日本国内にはパワースポットとされる場所が数多く存在すると標榜され、神社仏閣を中心に日本全国のパワースポットを総覧した書籍やwebサイトは枚挙に暇がない。中には戸隠神社榛名神社のようにパワースポットとして紹介されることで知名度が大幅に高まった場所もある。

小野は、(築地本願寺などを設計した)伊東忠太によって設計された建物群は新しいパワースポットとして注目を集めていると説明した。

現在「パワースポット」として宣伝されている場所について便宜上の分類を行うならば、神社仏閣などの「宗教系」、景勝地などの「自然系」、遺跡や特別な由緒の残る場所の「遺跡系」、原子力発電所のような人工的な施設である「人工系」に分類できる。中には戸隠神社榛名神社今戸神社の様に、パワースポットとして紹介されることで知名度が大幅に高まった場所もある。

分杭峠

長野県伊那市にある名高いパワースポットである。佐々木茂美によれば、「張志祥」なる中国の気功師が1996年に「世界でも指折りの磁場だ」と主張したためパワースポットであることが判明したという。[2]長谷村はこれを奇貨として分杭峠を「気の里」として大々的に宣伝し、全国でも珍しいスピリチュアリティによる村おこしが行われた。2000年以降のスピリチュアリズムやパワースポットのブームに乗って分杭峠には大量の観光客が押し寄せ、観光客達は「パワーを受け取る」ため峠での瞑想や散策を楽しんでいる。分杭峠のパワーを封じ込めた「波動水」を売り出すとこれも飛ぶように売れ、村おこしは見事に成功した。

1998年には分杭峠の近くにオカルト研修施設「生涯学習センター入野谷」が建設された。この施設は風水パワーを得るため土台に太極盤を埋め込み、ピラミッドパワーを得るため瞑想室の上に小型ピラミッドを設置し、石のパワーを得るため屋根にパワーストーンを置くという、公共施設とは思えないようなオカルト的趣向を満載しており、全国からの研修や宿泊を受け入れている。

清正井

明治神宮内にある井戸である。日本屈指のパワースポットといわれる。「清正の井戸」とも言われる。

2009年12月24日付の「ダウンタウンDX」において、手相占い芸人の島田秀平が清正井を写メールで撮って待ち受け画面にすれば幸運が訪れる。芸人の中にも清正井を待ち受けにしたためにレギュラー出演を獲得できた者がいる、などとご利益を熱弁したため、パワースポットとしてにわかに注目を浴びることとなった。2010年に入ると写メール目当ての拝観客が押し寄せ、一時は5時間待ちの行列となる狂騒となったため、整理券が配られるようになった。[3]

パワースポットブームが過熱し多くの人々に知られるようになるにつれ、「瞑想」や「パワーを感じる」といった従来のオカルト的発想とは違って、「写メールを待ち受け画面にすれば利益がある」「メールに添付して友達に送ればご利益がある」といった「おまじない」的なものとしてパワースポットが紹介されることも増えている。[4]

主なパワースポット[編集]

日本三大パワースポット[編集]

  • 聖域の岬(石川県珠洲市)
  • 分杭峠(長野県伊那市)
  • 富士山(山梨県)

脚注[編集]

  1. The History of New Age Sedona
  2. 佐々木前掲書のほか伊那市公式ホームページの分杭峠の観光情報ページにも記載がある
  3. 2010年3月5日付読売新聞
  4. 暁玲華『東京パワースポットガイド―心と身体をリフレッシュ!』(ゴマブックス 2006)などが好例である。