寿司
寿司(鮨、鮓、すし、sushi)は、東南アジアが発祥の発酵食品であり、日本で改良された料理である。狭義には握り寿司をいう。
名称[編集]
元々は鮓の文字が当てられ、発酵食品であるなれずしのことを指した。のちに江戸時代になると押し鮨、箱鮓となり、さらに江戸では酢を用いた発酵の手間を省いた「はやずし」となり、これに「寿司」の当て字が用いられた。
概要[編集]
握り寿司は炊いた米に酢で味付けした寿司飯を握ってその上に魚介類を載せた料理である。新鮮な生魚を使うようになったのは冷蔵庫や冷凍庫が使われるようになった大正時代からであり、それ以前は素材を煮る、蒸す、焼くなどの「仕事」をしていた。
軍艦巻きは、寿司飯上にウニやイクラといった崩れやすい素材を海苔で巻いて崩れにくくした鮨である。
鉄火巻きは海苔巻きの一種で賭場や鍛冶場で食べられていたほか、大日本帝国海軍の軍用機搭乗員の航空食料にも使われ、真珠湾攻撃でも使われた。
巻きものである海苔巻きでは魚介類以外に胡瓜・干瓢なども用いられる。海苔以外にも昆布が使われる。
稲荷寿司は甘辛く煮た油揚げに寿司飯を入れた鮨である。「おいなりさん」ともいう。語源は豊川稲荷の神であるキツネが油揚げが好物であることから。やはり、大日本帝国海軍の軍用機搭乗員の航空食料にも使われた。
シャリ[編集]
寿司飯のこと。「佛舎利」に由来する。ジャポニカ種の白米を用いる。「拝み箸は縁起が悪い」とされるが、寿司や丼物に関しては許容していただきたいと思う。いわゆる「宗教二世」家庭ではないのだから。
なれずしでは魚の発酵を促すスターターにすぎないが、握り寿司では重要である。本職の寿司屋のシャリを再現するのは家庭では困難だが、最近のガスレンジなどではステンレス製の鍋で炊飯する機能があるので、それっぽいものは割合に簡単にできる。
「エビデンスを示せ」と言われると反論のしようもないが、炊飯が完了した時点で酢を加えてしばらく蒸したのち、「切るように」(空気を含ませ、かつ「半殺し」にならないように)混ぜるとそれなりのものができる。このあたりのコツは松茸ご飯に通じるものがある。
外食産業としての寿司[編集]
江戸時代の江戸では既に高級料理店と屋台に分化された。江戸前寿司が日本全国に広がったのは関東大地震で東京の店を失った寿司職人が新天地を求めたのがきっかけと言われている。日本全国の港町に寿司店が存在するようになったのはこの時期に店を構えた職人が多い。太平洋戦争中は米も魚も思うように手に入らず、冷蔵庫や冷凍庫も度々の停電で使えなかった。昭和36年10月1日日本国有鉄道ダイヤ改正では、東海道本線の急行列車に連結されたビュフェ国鉄サハシ153形電車には「寿司コーナー」が設けられたが、寿司職人の確保が難しく、後継車両では「そばコーナー」となった。現在も高級店と大衆店に分かれ、前者は寿司職人がカウンター越しに客の注文に応じて客の前で寿司を握る。後者はいわゆる回転寿司であり、大規模チェーン店もある。ただし、港町での小規模な寿司屋では高級店の設備で大衆的な値段で寿司を提供する店もある。
高級店では寿司飯の整形からネタとなじませる「握り」の工程までを客の前で見せて供し、回転寿司ではシャリの整形の部分はロボットに任せ、タネは単に乗せるだけという店舗も多い。
海外での反応[編集]
海外では生魚の流通経路が確立されておらず、冷凍保存が一般化しても保存法用や解凍法が普及していないため、「生魚を食べる」という時点でハードルが高い。特に淡水魚をよく食べる中華人民共和国ではこの傾向が大きい。[1]
ディック・ファインマンさんは来日前は「日本では生魚を普通に喰う」というのでビビっていたが、日本に来たら寿司でも刺身でもどんと来い体質になったという。ただしアメリカに戻って寿司を食ったらやっぱり不味かったそうである。とはいえ、これは何十年も昔の話であり、日本人がやっているまともな寿司屋であれば、海外でも遜色はない。ただし、これはロサンゼルスやニューヨークあたりの話であり、地方に行くとこの限りではない。
お外から来た子供たちの反応[編集]
- アメリカから来たお友達1シェルトン君「コレハ...!オイシカッタ!」
- アメリカから来たお友達2オバマ君「berry Good!!」
- アメリカから来たスシボーイについて、大将「固く構えずにリラックスした方が良い」
寿司にまつわる楽曲など[編集]
- 浪曲・清水次郎長伝のうちのひとつである『森の石松 ― 代参千石船』。廣澤虎造によるものが著名である。
- 灰田 勝彦『鈴懸(すずかけ)の径(こみち)』 - ウクレレ楽曲。“Sushi”とも呼ばれるが、これは坂本九の『上を向いて歩こう』が“Sukiyaki”と呼ばれて海外でヒットしたことによるあやかりタイトルである。
- SUSHI食べたい - ソイソースの楽曲。愛が沢山伝わる。
- スシ食いネェ!
鮨・寿司の種類[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 全国すし商生活衛生同業組合連合会 - 寿司のルール。
参考文献[編集]
- 滋賀の食事文化研究会『ふなずしの謎』サンライズ出版2006年7月31日初版第9刷発行。
- E・ローゼンバーグ、I・R・コーエン『入門現代生物学』培風館2001年4月10日初版第15刷発行。
- 吉田邦久『チャート式要点と演習新制新生物ⅠB・Ⅱ』数研出版1997年3月1日発行。
- 〈鉄道ピクトリアルNo.794〉電気車研究会2007年10月1日発行。
- 高森直史『海軍食グルメ物語』光人社2008年5月2日第4刷発行。