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とは、調味料のひとつであり、形容詞「酸(す)い」から派生した酸味料全般をいう。

概要[編集]

化学的には酢酸が代表であるが、柑橘類から得られたクエン酸アスコルビン酸や、乳酸なども含む。酢酸は「有機物の墓場」と呼ばれるほどエネルギーが低いため、保存食品にも広く用いられる。
醸造酒に いわゆる生酢(酢酸菌を含む)を加えて放っておくと酢酸発酵する。例としては、米酢のほかワインビネガーがある。
「すし」などは乳酸発食品に由来し、「熟れずし」に由来する。

  • 果実酢
  • 発酵酢

に大きく分かれる。果実酢(柑橘酢)としては柚子・カボス・スダチなどが用いられ、「ポン酢」として知られている。ただし発酵酢には果実を原料としたリンゴ酢やバルサミコ酢も含まれるためややこしい。穀物酢は発酵酢がほとんどである。
漬物の一種であるピクルスは、酢酸を用いている。
ただしザウアークラウトや野沢菜や高菜などは基本的に乳酸発酵であるため「米酢などを使うのは邪道だ。糠床の水を使え!」という硬派の意見もある。広島菜に関しては詳しくないので、追記をお願いしたい。「適度に酸っぱくなったものを微塵切りにして炒飯にする」というのは定番である。
「ただ酸っぱいだけ」「どうせ保存食」と思うと乳酸だろうがクエン酸だろうがアスコルビン酸だろうがどうでもよいという意見はあるのだが、それぞれ風味が異なり、アスコルビン酸はビタミン C でもあり、いわゆる「壊血病」の防止にも関わるので、そこを味わっていただきたい。
そもそも「酸味」というのは「腐敗」を連想しやすいため、霊長類は酸味を嫌う傾向がある。それを発酵という魔術によって克服したのが人類である。まぁ、「ミラクルフルーツ」から取れる酵素ミラクリンでも経口投与すると楽ではあるのだが。
水とアルコールと糖分とコハク酸を混ぜれば「日本酒」っぽくはなる(いわゆる理研の「合成酒」。「利休」というブランドになったが、開発初期には「雑巾バケツの水」と酷評された)。
塩(食塩)も塩化ナトリウムだと思えば一緒であっても、「真のナポリピッツァ協会」によれば、「岩塩の使用は NG。海塩を使え」とされている。

人間生活との関わり・利用[編集]

酒税法との絡みがあるので、「自家製の酢はご法度」と思われる向きもあるが、「酒を買ってきて酢を自家醸造する」ことには法理上なんの問題もない。ただし、どうしても酢酸菌によって濁りが出るので、そこは「そういうもんだ」と思っていただきたい。気になるならコーヒー用のドリッパーで漉すこと。
リンゴを使うのが一般的だが、「濁り酢」を買ってきて、そこに純米酒やらワインやら水やらを足して、ついでに種菌として干葡萄やらリンゴの皮やらをぶっこんでほったらかしにしておけば、だいたい酢になる。ただし酢酸菌は好気性なので、密封容器に入れてはならない。漬物用の、(梅干とかが入っているような)茶色の陶製の甕あたりが適当だが、相手が液体なので注ぐのが厄介ではある。

脚注[編集]

関連項目[編集]

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