稲荷寿司
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稲荷寿司(いなりずし)とは、豊作祈願または豊穣の御礼返しとして稲荷尊に捧げる縁起物の食品である。
概要[編集]
二種類あり、祈願用は中身に「きらず(おから)」を用い、返礼用または「お福分け」用は米を使ってちょっと手をかけて作る。
形としては、返礼用のほうは具の入った炊きこみごはんを使い、パンパンに詰めて干瓢で縛るというのが礼儀正しいとされる。いわゆる奉納用の「福俵」を模したものであり、祝い事や祭礼には多く用いられる。
具体的には油揚を叩いて袋状にし(これを「巾着」という)、それを甘辛の汁で煮て(充分に水で戻した干瓢も入れてよい)、幾割かの糯米を足した米を浸水したのち笊にとって水切りし、具材も甘辛く煮て刻んだものを用意しておいてから、米に味のついただし汁を加えて炊き、蒸らしに入るところを狙って具材と酢を加えて切るように混ぜてから少々休ませ、桶に移して(団扇で扇ぐなどして)冷ましてから巾着に詰めて干瓢の帯をかけるのが本格派である。ただし、これは祭事や祝い事や節会用であり、日常食(「褻(け)」の食)ではこんなに凝らない。付け合わせとしては生姜(ガリや紅生姜)・大根の漬物(沢庵でも糠漬けでもべったら漬けでも)が常法である。「大根と巾着」は歓喜天(ガネーシャ)の肖(あやか)りものなので、子孫繁栄の意を込めて作ってもよい。
ついでながら、ガネーシャ様はシヴァ神の息子にあたるのでどっちに供えても祟りはないと思われる。
いわゆる「助六寿司」「助六弁当」の原形はこのあたりにありそうに思う。