発酵
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発酵(はっこう、英: fermentation)は、微生物が有機物を分解する化学反応をいう。「醗酵」ともいう。
概要[編集]
乳酸発酵[編集]
発酵食品[編集]
紀元前5000年頃には古代エジプトのピラミッド建設の労働者にパンとビールを支給したとされている。日本でも縄文時代や弥生時代頃に、発酵食品があったとされている。しかし文献では奈良時代の瓜の塩漬けが最初である。1988年(昭和63年)に長屋王の屋敷跡発掘調査で「進物加須津毛瓜」等の記載がある木簡が発見された[1]。糟漬け、醤漬けの野菜の進上状と見られる。 室町時代には天皇にふなずしを献上したという記録がある。また、朝鮮出兵の際には豊臣秀吉に鮒寿司が献上したという記録がある。江戸時代には近江国から征夷大将軍に献上した記録がある。彦根城二代城主井伊直孝のときから毎年春秋に征夷大将軍に献上するのが恒例であった。
神事[編集]
鮒寿司を神社に貢納する儀式は琵琶湖沿岸で行われ、納めた鮒寿司を神社の氏子が食べる儀式もある。このように鮒寿司は神事と深く関わっている。
発酵と腐敗の違い[編集]
発酵と腐敗は本質的には同じである。人間の生活にとって有益な化学反応を「発酵」といい、有害な化学反応を「腐敗」とよぶ。ただし、分類が曖昧で一概に言えることはない。(例、納豆、鶏糞由来の肥料)
発酵微生物[編集]
Np | 区分 | 微生物 | 食品 |
---|---|---|---|
1 | 菌類 | コウジカビ | 日本酒、醤油、味噌、みりん、米酢、甘酒、焼酎、漬物 |
2 | 菌類 | 青カビ、白カビ | チーズ、ブルーチーズ、カマンベールチーズ |
3 | 菌類 | カツオブシカビ | 鰹節/本枯節 |
4 | 菌類 | 酵母 | 酒、パン、醤油、味噌、ビール、ワイン |
5 | 細菌類 | 乳酸菌 | ヨーグルト、漬物、なれずし |
6 | 細菌 | 酢酸菌 | 酢 |
7 | 細菌 | 納豆菌 | 納豆 |
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- 滋賀の食事文化研究会『ふなずしの謎』サンライズ出版2006年7月31日初版第9刷発行。
- E・ローゼンバーグ、I・R・コーエン『入門現代生物学』培風館2001年4月10日初版第15刷発行。
- 吉田邦久『チャート式要点と演習新制新生物ⅠB・Ⅱ』数研出版1997年3月1日発行。