ビュフェ

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ビュフェとは、

  1. 軽食を意味する言葉 - フランス語及び其れを転用した英語が由来で飲食店等に用いられる。
  2. 日本国有鉄道国鉄モハシ150形電車軽食堂に付けた名称。日本語では「軽食堂車」ともいう。

本ページでは、主に後者について記述する。

表記揺れ[編集]

「ビュッフェ」という表記もあるが、これは日本人が「ビュフェ」という発音がしづらいためにそのような表記になったと思われる。

概要[編集]

ビュフェ車は食堂車と異なり、乗客用の椅子がない立食形式で、食事を提供する設備も車両の半分のみを占めて、後は客室である場合が多い。ただし、国鉄オシ16形客車は全室食堂車であり、名称も「サロンカー」と言われた。

歴史[編集]

モハシ150登場以前[編集]

日本の鉄道創業期では乗客に対して軽食を有料で提供する車両を所有していたところがある。現在の南海電気鉄道である南海鉄道は非電化時代に軽食を提供する客車が存在した。ただし、活躍期間が短かった。

在来線最盛期[編集]

「こだま形」と呼ばれた国鉄151系電車1958年に登場した際、東京駅神戸駅との間での運行となり、運転時間も7時間を切ることで本格的な食堂車の導入は見送り、コーヒースタンドのような軽食主体の軽食堂車モハシ150形電車の登場となった。この時、名称をどうするか議論になった。当時はまだ格調高い特別急行列車屋台立ち食いそばをイメージするような粗末な名称にするわけにもいかず、「ビュフェ」の名称を付けることになった。当時は料理の熱源である電力が不足しており、コーヒー以外に暖かい飲食物が提供できなかった。主な提供飲食物としてサンドイッチ、コールチキン、コールビーフ、コーヒー紅茶ウイスキーだった。このほかに駅弁の販売も行った。
次に登場したのは1961年急行形国鉄153系電車国鉄サハシ153形電車である。この車両は空気圧縮機電動発電機を設け、電気レンジの搭載が可能となった。また寿司コーナーが設置され、車内で江戸前寿司を楽しむことができた。この後に1962年国鉄サハシ451形電車1963年国鉄サハシ165形電車1965年国鉄サハシ455形電車1968年国鉄サハシ169形電車が登場した。これらの車両はサハシ153とほぼ同じ車体構造であった。そればかりかサハシ165 50番台とサハシ169全車はサハシ153からの改造車であった。また、1962年には国鉄オシ16形客車が6両登場した。急行列車に使用する客車電車にはビュフェが登場したが、国鉄キハ58系気動車には登場しなかった。やはりサービス電源の問題と考えられる。

新幹線に登場[編集]

昭和39年10月1日日本国有鉄道ダイヤ改正によって開業した東海道新幹線では新幹線0系電車国鉄35形電車がビュフェとして登場した。そして国鉄ビュフェとしては最大の150両が新製された。後に本格的な食堂車国鉄36形電車の新製に伴い、ビュフェ部の縮小を行った国鉄37形電車が登場した。東北新幹線上越新幹線新幹線200系電車では国鉄237形電車が登場した。

在来線ビュフェの縮小[編集]

国鉄モハシ150形電車は、国鉄モハシ180形電車に改造後間もなく他形式に改造されて形式消滅した。

参考文献[編集]