飯塚幸三

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飯塚 幸三(いいづか こうぞう、昭和6年(1931年6月1日 - )は、元通産省官僚。通産省工業技術院・元院長。池袋乗用車暴走死傷事故を起こした人物として知られている。

経歴[編集]

事故前まで[編集]

東京大学を卒業後、昭和28年(1953年)に通産省(現経済産業省)に入省する。平成元年(1989年)に工業技術院長を辞職した。

辞職後も日本計量振興協会の会長、株式会社クボタの副社長、日本工学アカデミーの顧問、日本規格協会の監事などを歴任している。

平成27年(2015年の叙勲で、瑞宝重光章を受章している。

池袋乗用車暴走死傷事故[編集]

平成31年(2019年4月19日午後0時25分頃、飯塚は昼食のため、妻を乗せて乗用車をレストランに向けて運転中、ガードパイプに乗用車を接触させた後、およそ150メートルにわたって暴走し、速度を落とさないまま横断歩道に突っ込み、通行人をはねるなどして松永真菜(当時31歳)とその長女の莉子(当時3歳)が死亡、その他40歳代から90歳代の男性女性6名が重軽傷を負った。飯塚と同乗していた80歳代の妻も骨折した。さらに4月24日になって死亡した母子とは別の母子が軽傷を負っていたことが判明し、事故による死傷者は12人に増えた。また後日、警視庁の調べにより、死亡した松永真菜は飯塚にはねられた際、50メートル先まではね飛ばされていたことと、事故時に飯塚が時速90キロ以上を出していたことも判明した。

飯塚は平成30年(2018年)頃から足が不自由になり、杖を使って歩いていたという。近所の人の話として、自動車の車庫入れがきちんとできないまで運転は危なかったという。エアバッグが正常に作動するなど乗用車に機器の不具合が確認されておらず、運転席の足元近辺に落下物が無く、ペダルに物が挟まって動かなくなるトラブルも考えられないことから、運転操作ミスの可能性の高さが指摘されている。

なお、これだけの事故を起こしながら飯塚は直後に逮捕[1]されていない[2]インターネット上では天下り官僚で叙勲まで受けている「上級国民」であるから、とする説が飛び交っているが、上記の通り加害者が入院しているため逮捕されていないという意見もある。また、ウィキペディアにある記事は度重なる荒らしのためもあったとされて保護依頼が出され、編集ができなくなっている(ただ、事故を起こした事実すら記載すると即削除対象とされている異常事態にもなっている。事故に関しては特筆性が無いとされているが、Wikipediaの飯塚の記事には飯塚個人の趣味を掲載するなど、特筆性があるのか疑問がある記述も存在する)。

事故後、飯塚は胸の骨を折る重傷を負ったとして入院していたが、5月19日午前に退院した。また5月18日目白警察署で任意の事情聴取を受けている。このときは両手で杖を突きながらサングラスにマスク姿で目白署に現れている[3]。この時点ではまだ逮捕されていない。また飯塚は否認を続けており「ブレーキを踏んだが利かなかった」と供述している[3]。ただしアクセルやブレーキに異常は確認されていない[3]

2019年5月31日東京都公安委員会は飯塚の運転免許を取り消す決定をした。警視庁幹部によると、交通違反の内容を確認する「意見の聴取」が同日午前に千代田区内で行われたが、飯塚は「足が悪い」として欠席したという。

2019年6月13日午前、警視庁は現場に飯塚を交えて事故の実況見分を行なった。この際、飯塚は献花台に見向きもせず、手を合わせもしなかったという。飯塚は実況見分後の事情聴取で「最初に接触事故を起こし、パニック状態になってアクセルとブレーキを踏み間違えた可能性もある」と話しているという。

2019年6月下旬、飯塚の自宅マンションに目白警察署の捜査員と思われる男性3人が入っていき、続けてシルバーのワンボックスカーがやって来て、こちらにも2人の捜査員が乗っていたという。元警察官僚の澤井康生弁護士によると「原則として、警察が加害者の警護をすることは、まずありません。ただ、飯塚容疑者は日本中からバッシングされています。もしかすると、脅迫状が届き、家族が警察に相談して、地元警察署が様子を見ていた可能性はあります」と、すなわち異例の上級警護かもしれない、という。

2019年7月19日、車に同乗していた飯塚の妻が事故について「覚えていない」と話しているということが報道された。

2019年7月23日午前、飯塚の起こした事故で重傷を負った78歳の男性が警視庁の実況見分に立ち会い、事故当時の状況などを確認した。この男性は自転車で横断歩道を渡っていた際に飯塚が運転する自動車にはねられている。男性によると「死ぬかと思ったんですから、この辺に車が来たっていうのは覚えているんですけど、それから飛ばされて地面にうつぶせになっている時に意識が戻ったんですね」と日本テレビの取材に応じている。男性は飯塚について「正当な処罰を求めたい」と話した。

警視庁は飯塚を過失運転致死傷罪の疑いで書類送検する方針だとされている。

なお、この事故に続くかのように7月24日の午後4時頃、JR池袋駅前の交差点で当時73歳の男が運転する乗用車が暴走する事故が発生している。この事故における怪我人はいない。

2019年9月13日にはJ-CASTニュースが飯塚の代理人に取材を申し込んだが、拒否されている(書面での回答も拒否された)。

2019年9月18日には、飯塚の事故の2日後に発生した神戸三宮暴走事故の初公判が神戸地裁で開始されており、未だに飯塚に対して送検すらされてないのは異常な事態となっている。

2019年9月20日、夫の松永拓也が東京都千代田区東京地方検察庁を訪れ、飯塚への厳罰を求める署名39万1136筆と、速やかな送検や起訴を求める要望書を提出した[4]。遺族は多くの署名が集まったことに感謝し今後も自分ができる限りの事をことをしていく決意を表明した。

2019年10月1日の朝、妻に付き添われて、自宅マンションから出てきたところを週刊FLASHの記者に「飯塚さん、ご遺族、被害者の方々に伝えたいことは?」と直撃され、飯塚は「本当に申し訳ないということだけです。(体調は)よくないです。ご覧のとおり……」とはっきりした口調で答えた飯塚だが、杖を突く手は、ブルブルと震えていたという[5]

2019年11月8日警視庁はアクセルとブレーキを踏み間違えたことが原因だと断定し、来週にも飯塚を書類送検する方針であることを固めたと報道された。

2019年11月12日、警視庁交通捜査課は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の容疑で、飯塚を書類送検した。警視庁は書類送検に際し、検察に起訴を求める「厳重処分」の意見をつけている。

2020年2月6日、東京地検は飯塚を自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で在宅起訴した。

飯塚に対する批判など[編集]

警視庁によると、事故現場に至る左カーブの辺りで、同乗の妻が「危ないよ、どうしたの」と声を上げた。飯塚は「あー、どうしたんだろう」と応じており、直後に車道左側の金属製の柵に接触したとみられる。その後、スピードを上げたまま交差点に突入していた。事故直後には飯塚が動揺した様子で息子に「アクセルが戻らなくて、人をいっぱいひいちゃった」と電話している様子が映っていた。この情報はまだ飯塚が上級国民であることが警察内部に把握されていない段階であったために流出してしまった情報で、この後に飯塚が上級国民とわかったために警察が情報封鎖に躍起になったとする説がある。実際、4月20日の時点では、マスコミは自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で事情を聞く方針と新聞などに書いていた。

また、事故を起こした飯塚には死傷させた12名に対する救護義務があるはずだが、飯塚は救護義務を怠っていた、とされている。これは息子に電話をかける時間があるのに救護義務はできないのか、と飯塚に対する批判をさらに強くさせる一因となった。

飯塚は上級国民とする説がある[6]マスコミなどは「容疑者」ではなく「元院長」という呼称を用いていた。それは逮捕前の人物を容疑者と呼ぶべきではないからだという。警視庁は「逃亡や証拠の恐れはない」との理由から身柄の拘束をせず、飯塚の回復を待って任意で事情聴取する方針とした[6]。これは池袋の2日後に起きた神戸三宮バス暴走死傷事故(8人死傷)の64歳の運転手が現行犯逮捕されたことと比較して、ネット上では疑問の声が噴出し「上級国民だから逮捕されないのか」と憤慨する意見が続出した[6]。飯塚は元高級官僚であるため、現在においても政府関係者との繋がりがあり、当然、警察とも繋がりがあるとされ、それが関係するのではないかという[6]。これに対し、ある弁護士は「加害者が入院している際は逮捕できないためである」と述べた。また、マスコミはドライブレコーダーの映像を公開するように警察に求めているが、警察はこれを認めていないという[6]

事故後、飯塚の自宅やフェイスブックが特定されたが、既にフェイスブックは削除されており、自宅の電話も繋がらないようにされていたという[6]。ネット上では飯塚が息子(息子も上級国民とする説がある[6])に指示を送り、これらの作業をさせたのではないかとされている[6]。また、所轄署の刑事の話によると、事故後に警察の上層部が多くやって来たという[6]。緘口令は出ていないが、触れるなというお達しも出ているという[6]。警察が狙っているのは事故の風化とされ[6]、また捜査も国策捜査[6]をすることでお茶を濁そうとしているのではないか、とみる説がある。

警視庁によると飯塚を逮捕しない理由は「一般論として逮捕の必要性などは刑事訴訟法の手続きに則って判断しています」と答えたという[3]。また弁護士の話として元通産官僚という経歴に一定の忖度が働いた、逮捕令状を出す裁判所では一般的に社会的地位が高い人間は逃亡の恐れなしという判断を下すからとしているという意見もある。(実際、千野志麻もそうだった)[3]

元裁判官の八代英輝弁護士は「(飯塚が)退院されて事情聴取を受けた時点で、逮捕するのが普通だと思いますね」と情報番組で指摘しており、飯塚が退院後も逮捕されていないことに疑問を投げかけている。

週刊女性2019年頃に飯塚を取材するために居住しているマンションを訪れた際、「迷惑です。インターホンを押し取材をすることはおやめください。悪質な場合……」という貼り紙が週刊女性が夏に報じたときのままあったとされ、改めて取材を申し込むと事故当時、助手席に乗っていた妻と思われる女性が「お断りします!」とピシャリと強気すぎる応対をしたという。

パーキンソン症候群の疑い[編集]

2019年10月18日、飯塚に手足の震えや筋肉のこわばりが起きるパーキンソン症候群に罹患していた疑いがあることが捜査関係者への取材で判明する。警視庁は加齢による身体機能の衰えや認知症など別の病気の有無も調べ、運転操作への影響について詰めの捜査を進めているという。捜査関係者によると、飯塚は片足の具合が悪く通院していた。パーキンソン症候群と似た症状もあり、医師は「運転は許可できない」と伝えていた。事故後には別の医師が、パーキンソン症候群の疑いがあると判断したという[7]

危険運転致死傷の不適用[編集]

飯塚は池袋の事故の際、信号無視並びに事故現場から約200メートル手前の左カーブで前のバイクや車を追い抜く際に急加速を始め、縁石に接触しながら時速90キロ台後半で横断歩道に突入して多くの人を死傷させるなど、危険運転に近い行為をしていたが、警視庁は飯塚の暴走は故意では無いなどと判断して、罰則の重い危険運転致死傷罪を適用しなかった。

飯塚以外の高齢者との比較[編集]

飯塚が逮捕されないのは高齢で事故時には飯塚自身も怪我をして入院していたから、証拠隠滅の恐れや逃亡の可能性が無いから、と言われているが、他の高齢者と比較してどうなのであろうか、と疑問が持たれている。けがの程度によって逮捕が見送られるかは不明である。

  • 2016年10月横浜市港南区の通学路で集団登校中の小学生の列に軽トラックが突っ込み、市立桜岡小学校1年の当時6歳の児童が死亡し、児童4名が重軽傷を負った事故で、当時87歳の男が自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で逮捕された(男は鑑定などで留置を長期とされた末、認知症であったとして不起訴処分となった)。
  • 2018年1月、群馬県前橋市で道路を逆走して女子高生2人をはねて意識不明の重傷を負わせた当時85歳の無職の男が逮捕された(女子高生1人は後日死亡)。禁固の実刑が求刑されるが、2020年3月、男は認知症であったとして無罪判決。
  • 2018年5月、神奈川県茅ヶ崎市で90歳の女が運転する車にが暴走し、1人が死亡、3人がケガをする事故があり、女は現行犯逮捕された。しかし、検察勾留を認めなかったため、すぐに釈放された。
  • 2019年6月3日午後6時30分頃、大阪市此花区伝法5のスーパー「ライフ此花伝法店」近くの歩道に車が突っ込み、子供2人を含む男女4人がはねられて病院に搬送されたが、いずれも命に別条はないにも関わらず、大阪府警此花署は乗用車を運転していた同区の無職の80歳の男を自動車運転処罰法違反(過失致傷)容疑で現行犯逮捕した。
  • 2019年6月6日大阪市平野区平野北1丁目で76歳の男が運転する車が駐車場から急発進し、60歳代の男性をはねて公園に突っ込んだ。男性の命に別状はないが、警察は76歳の男を過失運転致傷罪の現行犯で逮捕した。
  • 2019年6月13日午前9時50分頃、兵庫県西宮市樋之池町の市道で乗用車が歩道を散歩していた保育園児ら約20人の列に突っ込み、6歳の女児が車の下敷きになって肩の骨を折り、5歳の女児が膝に軽い怪我をした。西宮警察署自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷罪)の疑いで、乗用車を運転していた西宮市の無職の69歳の女を現行犯逮捕した。
  • 2019年6月17日午後5時頃、東京都町田市の都道で歩道を歩いていた小学生らの集団に乗用車が突っ込み、いずれも7歳の小学生女児2人と50代女性、5歳の男児がけがをして病院に搬送され、女児1人とその母親の女性が重傷とみられるが命に別条はないにも関わらず、警視庁町田署は乗用車を運転していた60歳の女を自動車運転処罰法違反過失運転致死傷罪)の容疑で現行犯逮捕した。
  • 2019年9月14日愛知県名古屋市金山総合駅前で、タクシーが人混みに突っ込み、7人が怪我をした(死者は無し)。警察は75歳のタクシー運転手を過失運転致傷罪の容疑で現行犯逮捕した[8]
  • 2019年9月25日埼玉県川口市学童保育の送迎車が、小学3年生の男子児童(当時9歳)をはねて死亡させる事故が発生し、警察は運転していた74歳の男を過失運転傷害罪(のち致死に切り替え)の容疑で現行犯逮捕した(74歳の男は最初から事故を認めていたが、警察は現行犯逮捕した)。
  • 2019年10月3日岐阜県岐阜市北一色の国道156号の交差点で軽乗用車を運転していた関市無職の76歳の男が、自転車横断歩道を渡っていた女子高生をはねて怪我をさせたにも関わらず、逃走したとして、ひき逃げなどの疑いで逮捕された(女子高生は全治1週間の怪我で、生命に別状はない)。
  • 交通事故では無いが、2019年10月8日徳島地裁は約2ヶ月前の7月30日午後4時45分頃に徳島市下助任町1のスーパーで卵1パック(販売価格245円)を盗んだ飯塚と同じ88歳の無職の男に対し、窃盗罪で懲役1年(求刑同1年6月)の判決を下した。
  • 2019年10月24日午前10時15分頃、愛知県あま市丹波深田の喫茶店「珈琲庵」に75歳の男が運転する車が突っ込み、店内にいた客の当時82歳の女性が両足首の骨を折るなど、20代から80代の男女9人が重軽傷を負い、警察は運転していたあま市の男を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕した。
  • 飯塚の事故から2日後に発生した神戸三宮バス暴走死傷事故は、2019年10月30日に神戸地裁が禁固3年6か月(求刑禁固5年)の判決をバス運転手に言い渡した。飯塚がまだ逮捕も送検もされていないのに対し、こちらは超スピード裁判・判決となった。
  • 2019年11月11日午前、東京都八王子市宇津木町で横断歩道を歩いていた保育園児の列に軽トラックが突っ込み、子供4人を含む7人が負傷した事故で、警視庁八王子署は同日午後、自動車運転処罰法違反(過失致傷)容疑で運転手の60代の男を現行犯逮捕した(のち釈放)。

飯塚を逮捕しない理由との矛盾点[編集]

2019年9月29日奈良県葛城市で乗用車が軽自動車に追突し、そのはずみで近くの歩行者がはねられ、4歳の男の子を含む5人が怪我をした。乗用車は逃走したが、事故当日にソチオリンピック・スノーボード男子の銅メダリストの平岡卓が警察に出頭し、事故について容疑を認めているという。また、平岡には飲酒の可能性も指摘されている。

警察は平岡を「任意で」事情聴取しており、今後は逮捕せずに書類送検する見通しであるという。

これは飯塚の時の逮捕を見送った理由と大いに矛盾している。飯塚の場合は「事故の際に重傷を負って入院していたので、ひとまず逮捕を見送る」「退院後も飯塚には社会的地位があり、『逃亡』や『証拠隠滅』の恐れが無いため、逮捕はしない方針である」と警察は説明している。実際、弁護士の北村晴男は飯塚に証拠隠滅の恐れも逃亡の恐れも無いので逮捕しないのであると述べている[9]

しかし平岡はひき逃げして「逃亡」している。さらに飲酒の可能性もあり、これが事実なら飯塚より悪質であり、なぜ逮捕をしないのか? 飯塚の時と警察や一部の弁護士が述べた見解と矛盾点がある。

また2019年11月11日午前、東京都八王子市宇津木町で横断歩道を歩いていた保育園児の列に軽トラックが突っ込み、子供4名を含む7名が負傷した事故で、警視庁八王子署は同日午後、自動車運転処罰法違反(過失致傷)容疑で運転手の60歳代の男を現行犯逮捕した。ところが男は首に負傷しているにも関わらずに現行犯逮捕されている。後になって入院が必要になったとして釈放しているが、飯塚を逮捕しない理由として挙げられた「事故の際に重傷を負って入院していたので、ひとまず逮捕を見送る」と明らかに矛盾している。ただし、けがの原因による差ともとれなくはない。

飯塚を逮捕しないことに対する反論[編集]

慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサー若新雄純は「車で死亡事故を起こした場合でも、今回に限らず逮捕されないケースもあるようなので、警察のルールを破った行動ではないと思う。世間から見ても上級の人生を送っていたであろう人だからこそ、身分などが明らかで逮捕の際に逃亡の恐れがないと判断されることは自然だし、人物像によるそれなりの配慮があったとしても、ルールの範囲内だったと考えることはできる。最初に逮捕されなかったからと言って許されたわけではまったくなく、世間の注目もあるので、起訴されて重い罰が課される可能性は高いと思う。むしろ、逮捕されていなかったことでネットで騒がれて、顔写真や経歴などがさんざんさらされて、警察に逮捕はされなかったが、ネットや社会に逮捕されたようなもの」との見方を示した。

海外メディアから見た飯塚[編集]

インドネシア大手紙「Tribunnews」で飯塚が起こした池袋の事故が報じられ、世界レベルで問題視されている。「なぜか逮捕されない」「日本の当局から特別扱いを受けている日本人」など日本で物議を醸している内容がそのままインドネシアで報じられている。同紙によると「飯塚は研究所の所長を務めたとき、年間最低2000万円が支払われていたと推定されていて、飯塚の年金はおよそ3000万から4000万円で[10]、元政府高官であり、日本政府から勲章を受け取っている」からとされた上で、記事のタイトルは「二人を轢き殺したのに逮捕されていない」となっており、やはり海外でも逮捕されない事態に疑問が持たれている。

遺族の記者会見[編集]

2019年7月18日午後に動画を公開した松永拓也が記者会見を開いた。会見では加害者の飯塚に厳罰を求める署名活動を行うことも発表した。

2019年8月4日、飯塚の事故のために死亡した松永拓也が、飯塚に対する厳しい刑事処分を求めて現場近くの公園で署名活動を行なった。Cによると、郵送を通じて既に8月4日時点で5万人分以上の署名が集まり、8月30日時点で29万人となった[11]。今後、東京地方検察庁に提出する予定という。松永は「しかるべき処罰を受けさせることが(事故の)再発防止につながると思う」と語っている。警視庁は自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷罪)容疑で書類送検する方針を固めていると報道された[11]

2019年10月12日、飯塚が書類送検されたことを受けて松永は「やっとスタートラインに立った。(飯塚には)2人の死に向き合ってほしい」と語気を強めた。また事故から書類送検までの7か月間は「苦しみや悲しさと向き合い、葛藤し続ける日々だった」と振り返り「2人(死亡した家族)には(飯塚の)書類送検について特に報告しておらず「いつも通り『愛している』『ありがとう』と伝えた」という。また「(飯塚が今後は)当然起訴されると思っている」「(飯塚が事故について)否認しているとしたら裁判の場で明らかになる」と話し、被害者参加制度で裁判に参加する意思も示した。そして「(被害者である)2人や社会のためにも軽い罪で終わらないようにできることをやり、少しでも交通事故が減るように活動していく」と決意を語った。また、高齢ドライバーの運転について「東京や地方で事情が違う」とした上で「家族で話し合ったり、技術的な改善を進めたりしてほしい」と願った。

飯塚の呼称[編集]

飯塚は逮捕されていないため、現在まで「元院長」など敬称付きでほとんどのマスコミでは呼ばれたり記載されている。ただし読売新聞は2019年5月18日の段階で飯塚を「容疑者」と呼んだ。その後、マスコミ関係は分かれる形で飯塚を容疑者と呼ぶ場合もあれば、元院長など未だに敬称を付ける場合や実名すら報道しない場合もある。また、SNSでは逮捕されないことにより炎上しており「上級国民」などとも呼ばれる。

一部の紙面でも相変わらず飯塚には敬称が用いられているが、週刊FLASHのように飯塚を「容疑者」(被疑者)と呼ぶマスコミも少しずつ現れ始めている。

Wikipedia日本語版の飯塚幸三に関して[編集]

ウィキペディア日本語版の飯塚幸三の記事では、wp:ja:東池袋自動車暴走死傷事故について書くと即時削除の対象となる。これについては同時期にwp:ja:上級国民の記事が削除されたことから、ウィキペディア日本語版の管理者が飯塚に忖度している、飯塚の息子の指示などと言う噂や説も出ている。他の人物の記事では何らかの事件や事故に関してすぐに書かれているのに、飯塚だけはなぜ「事故の事実」を書いたら削除対象となるのか、とウィキペディア日本語版は批判されている。

他言語版Wikipediaでは飯塚幸三の記事に事故のことは書かれており、現状日本語版だけ書かれていない。

そのような忖度および記事の記載を妨げているのが管理者(2020年4月に辞任)のぱたごん、一般ユーザーの静葉[12]の2名である。

人物像[編集]

飯塚について「週刊女性PRIME」から次のような人物像が見て取れる。

  • 飯塚さんはいい人[13]
  • 高級官僚とは思えない普通のマンションに住んでいる。

と、飯塚を評価する声もある一方で、

  • 飯塚の収入は推定であるが、旧工業技術院の院長時代は年収約2000万円、退職金として約3000万から4000万円を受け取ったとされる。農機大手のクボタに役員として天下りした14年間で副社長まで上り詰め、クボタは「報酬は教えられません」というが、平成29年(2017年)の有価証券報告書によると、取締役7人に対する年間報酬総額は6億2700万円。頭数で割ると9000万円近い高給取りになる。他に日本計量振興協会会長なども務めており、その収入も換算できる。
  • ただでさえ現行犯逮捕されていないために批判が殺到しているのに、飯塚は「警察の任意の事情聴取の際に、マスコミから身を隠すように帽子、サングラス、マスクといった完全防備の状態。そして哀れさを演出するかのごとく、両手に杖を持っていた。さらに、現場での実況見分のとき、今度は白髪頭に眼鏡をかけて、献花台にお参りせず、警察とのやりとりでは、杖の先であそこと指し示していた」ことには上級国民以前に人として批判されても仕方ないとされている。

と、飯塚を批判する意見も多いのが実情である。

飯塚の事故に対する自動車メーカー(トヨタ)への責任転嫁の疑い[編集]

飯塚は事故を起こした際、ブレーキがきかなかったと自分の運転ミスを認めず、一方的に乗用車の性能の責任にしていた。つまりこの場合、飯塚のプリウスを製造したトヨタに責任があることになる。後になって飯塚は「自分の運転ミスかもしれない」と語っている。

飯塚はJNNの単独インタビューを受けた際に次のような信じられない発言をしていて、大きく批判されている。

  • 「体力に自信があったが、おごりもあった」
  • 「おごりがあったのかなと思い、反省しております。自分の体力に、その当時は自信があったんですけど」
  • 安全な車を開発するようにメーカーの方に心がけていただき、高齢者が安心して運転できるような、外出できるような世の中になってほしいと願っています」
  • 「何度か(現場を)タクシーで通りましたけど、いつも手を合わせております。(免許は)取り消しです。これ以上運転するつもりもございません。全くございません。おわびの気持ちをずっと持ち続けていることを、お伝えいただきたいと思います」

警視庁は飯塚がアクセルとブレーキの踏み間違いが事故の原因だったとしているが、飯塚は車の性能の改善が必要だと主張して、自分の事故を自動車の性能の責任に転嫁している。このため、多くの批判が噴出して「飯塚は全く反省していない」と立川志らくのように憤激の声もある。

一方で慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純は、飯塚が車の性能の改善を求めたという報道に触れ「むしろ車が高齢者にとって危険なのは、性能がよすぎて体が衰えていることを忘れさせてしまうこと。例えば、お年寄りがマウンテンバイクで猛スピードを出して事故を起こすということはあまり考えづらいが、車は身体の衰えに関係なく簡単に走るので、自分が注意しなければいけない状態だということを忘れがちになる。高齢者の事故のニュースを見ているとハイブリッド車が多いが、発進の際はモーターで静かに動くので、アクセルと踏み間違えても気づきにくい。お年寄りでも疲れないという車は、むしろ凶器になる可能性がある。いくつか手順を踏まないと動かない、むしろ疲れる車のほうがいいのでは」と指摘。その上で、「今回、飯塚元院長は逮捕はされなかったというだけで、十分矢面に立たされて議論を巻き起こしたし、罪はこれから裁かれるはず」と自身の考えを述べた。

評価[編集]

  • 飯塚が「(自分が事故を起こした自動車会社(つまりトヨタ)に対して)安全な車を開発するように」などと車の性能に問題があったかのような発言をしたことについて「私は全ての発言を聞いたわけではない。限られた映像を見たという前提で…体が震えだして、怒りというよりは、むなしくなってしまった。つらくて…。私はこの7カ月間、2人の死といなくなってしまったことと向き合っている。あのインタビューを見た限りでは、加害者(飯塚)は2人の死に向き合っているとは、私は思えなかった」(被害者遺族)。
  • 「(池袋の事故は)一般だったら問答無用で逮捕。なんでこの人物(飯塚)だけ特別な対応が取られてきたのか」(弁護士の八代英輝)。
  • 飯塚の自動車会社発言に対して「なんで当事者が子供を殺してしまった人がこういうことを平気で言えるのか」(立川志らく)。
  • 池袋暴走事故の飯塚が服役しない可能性に「納得できない。少なくともその人の自由を奪うとか…制裁が科されない限りは納得はできない」「在宅で起訴することはそんなに珍しい事ではないので」「それよりも年齢を考慮して執行猶予になったとしたら、これは納得できないことだと思います」(玉川徹)。
  • 飯塚の実況見分での姿を見た上で「実況見分での様子を見ると、これで車を運転すること自体が私は罪だろう、素朴に思います」「現場検証の様子を見るとこの人がハンドル握っちゃいけないだろと思います」(辛坊治郎)。
  • 事故を起こした飯塚被告の行動をVTRで見た印象を「亡くなった方たちへの気持ちが伝わってないんじゃないかなっていう感じがします」「残された方たちが釈然としない記者会見にどうしても見えてしまう」「気持ちの問題と法的な部分は違うと思います」(長嶋一茂)。

飯塚幸三を題材としたと見られる作品[編集]

  • 怨み屋本舗WORST栗原正尚グランドジャンプ連載。2019年15号 - 21号で「上級国民」1 - 7として連載された。単行本怨み屋本舗WORST「10巻」に掲載) - 飯塚のモデルと見られる「勝居巌」が同乗している孫娘・紬が運転する自家用車で通行人を何人もはね殺し、巌とその息子・聡明が上級官僚であることからその事故をもみ消すというストーリー。
  • ミナミの帝王天王寺大原作・郷力也漫画・週刊漫画ゴラク連載。2020年2月28日号 - 連載中) - 飯塚のモデルと見られる「柳原徹平」とその妻・「柳原絹子」が大阪市で信号無視して多数の人間を死傷させる事故を発端とするストーリー。この夫妻には息子も存在する設定となっている。

脚注[編集]

  1. 『週刊文春』(2019年5月30日号)では、逮捕はあくまで捜査の一手段で懲罰ではなく、証拠隠滅や逃亡の恐れが無いと判断した場合は逮捕しないのが原則で、車やドライブレコーダを押収済みで飯塚自ら事故を起こしたことを認めているため、逮捕していないという。ただしこれほどの事故を起こした場合は基本は現行犯逮捕である。ただし加害者が入院した場合は、逮捕できない。たとえば京都アニメーション放火事件の放火犯は大事件にも関わらず、入院中のため逮捕されていない。
  2. 。加害者が入院した際は、逮捕できないことになっているからである。なお、この事故から間もない4月21日神戸市JR三宮駅付近で発生したバスによる歩行者の暴走死傷事故では、64歳のバス運転手は自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)容疑で現行犯逮捕されている(神戸三宮バス暴走死傷事故)。
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 『週刊文春』(2019年5月30日号)
  4. 元院長起訴求め、署名提出=地検に39万人分-池袋暴走共同通信、2019年09月20日
  5. 週刊FLASH 2019年10月22・29日号
  6. 6.00 6.01 6.02 6.03 6.04 6.05 6.06 6.07 6.08 6.09 6.10 6.11 『実話BUNKAタブー』2019年7月
  7. パーキンソン症候群罹患か下野新聞、2019年10月19日
  8. この事故はタクシー運転手が飯塚とさほど変わりない高齢者であり、しかも飯塚と異なり死者が出ていない(負傷者にしても飯塚より少ない)にも関わらず、警察は現行犯逮捕したため、これに対して再度、飯塚の事故と比較される対象となってしまった。
  9. 池袋母子死亡暴走事故 加害者はなぜ逮捕されないのか…「行列」北村弁護士に聞く
  10. 役所の年金が高めと言っても、これほど高額になることはない。誤報であろう。
  11. 11.0 11.1 厳罰求める署名29万人に
  12. https://twitter.com/shizuhachan
  13. 飯塚の知人談