東京地方裁判所

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
東京地方裁判所

東京地方裁判所(とうきょうちほうさいばんしょ、英:Tokyo District Court)は地方裁判所の一つである。本庁は東京都千代田区にあり、東京地方裁判所立川支部が立川市にある。略称は「東京地裁」(とうきょうちさい)。日本一公判の多い裁判所である。

裁判員制度対象事件は本庁と立川支部とも取り扱うが、行政事件は本庁のみで取り扱う。東京地方裁判所民事執行センターでは「裁判」はあるが、全部決定または命令のため公開されない。

傍聴[編集]

東京高等・地方裁判所では、正面玄関を入ったところにある守衛ボックスの隣に、その日の事件の一覧表である開廷表(画面)が備え付けている。どのような事件が,どの法廷で,何時から審理されるのかを知りたいときはこの開廷表を検索する。公開の法廷で行われる裁判は、原則として、誰でも自由に傍聴できる。

傍聴券は重要な判決を下される裁判など、傍聴人がその収容人数以上になると予想される場合に配られ、抽選で傍聴できる人が決定される。 傍聴券は裁判所の傍聴券交付情報で知ることができる。

簡易裁判所[編集]

本庁、支部所在地、のほか八王子市、武蔵野市、青梅市、町田市、八丈島(八丈町)、伊豆大島(大島町)、新島(新島村)の 合計9か所に簡易裁判所が設置されている。

沿革[編集]

  • 1871年(明治4年)12月26日、司法省内に東京裁判所を設置[1]
  • 1872年(明治5年)2月3日、太政官第3号布告により、従来、東京府の管轄の下にあった外国人関係の訴訟に対する裁判権を司法省に移し、東京開市場裁判所と称して裁判事務を行う。同年3月24日に「各区裁判所章程」[2]が定められ、東京府六大区に裁判所が設置された。
  • 1875年(明治8年)司法事務制定に伴い、神奈川県裁判所とともに八王子区裁判所が八王子市横山町に開設された。
  • 1893年(明治26年)東京府編入により東京地方裁判所の管轄に移行し東京地方裁判所八王子支部となる。
  • 1909年(明治42年)東京地方裁判所八王子支部は八王子の大火により庁舎を焼失し、台町に移転した。
  • 1947年、「下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律」の施行により「東京地方裁判所」となる。
  • 1959年(昭和34年)、東京地方裁判所八王子支部は八王子市明神町の八王子地方法務合同庁舎に移転する。
  • 1983年(昭和58年) - 東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎竣工。地上19階・地下3階建て、高さ95メートル。
  • 2009年(平成21年)4月、東京地方裁判所八王子支部は立川に移転し、立川支部となる[3]
  • 2017年6月30日、新しい裁判所庁舎「ビジネス・コート」に対応するため、横断的な調整を行うポスト「地裁所長代行職」を新設した[4]
  • 2019年3月25日、「選択的夫婦別姓」を認めない戸籍法の規定が憲法に違反しているとの原告の訴えに、東京地方裁判所は別姓を認めない戸籍法の規定には合理性があり、法の下の平等を定めた憲法に違反しないと判示した[5]
  • 2019年3月27日 - 東京都文京区の自宅で妻を殺害したとして殺人罪に問われ、1審の裁判員裁判で懲役11年の実刑判決を受けた韓国籍で講談社の青年コミック誌「モーニング」編集部の元編集次長の男に東京地裁が保釈を認める決定をする(保釈保証金は800万円)。これは3月28日東京高等裁判所東京地方検察庁抗告を受けて、東京地裁の保釈を取り消す決定を行うことで決着。
  • 2021年、ビジネス関係の訴訟を専門的に扱う裁判所「ビジネス裁判所」が中目黒に誕生する[6]

所在地[編集]

  • 本庁:〒100-8920 東京都千代田区霞が関1丁目1-4
  • 東京地方裁判所 民事執行センター:〒152-8527 東京都目黒区目黒本町二丁目26番14号
  • 立川支部:〒190-8571 東京都立川市緑町10-4
  • 東京簡易裁判所:〒100-8920 東京都千代田区霞が関1-1-2
  • 東京簡易裁判所 墨田庁舎:〒130-8636 東京都墨田区錦糸4-16-7
  • 八丈島簡易裁判所:東京都八丈島八丈町大賀郷1485-1
  • 伊豆大島簡易裁判所:東京都大島町元町字家の上445-10
  • 新島簡易裁判所:東京都新島村本村3-2-2
  • 八王子簡易裁判所:東京都八王子市明神町4-21-1
  • 武蔵野簡易裁判所:東京都武蔵野市中町二丁目4番12号
  • 青梅簡易裁判所:東京都青梅市師岡町1-1300-1
  • 町田簡易裁判所:東京都町田市森野2-28-11

管轄区域[編集]

刑事・通常の民事[編集]

特記ない区域は東京簡易裁判所が下級裁判所。

  • 特別区の存する区域
    • 千代田区
    • 中央区
    • 港区
    • 新宿区
    • 文京区
    • 台東区
    • 墨田区
    • 江東区
    • 品川区
    • 目黒区
    • 大田区
    • 世田谷区
    • 渋谷区
    • 中野区
    • 杉並区
    • 豊島区
    • 北区
    • 荒川区
    • 板橋区
    • 練馬区
    • 足立区
    • 葛飾区
    • 江戸川区
  • 三宅村
  • 御蔵島村
  • 小笠原村
  • 大島支庁管内 (伊豆大島簡裁新島簡裁が下級裁判所)
  • 八丈支庁管内 (八丈島簡裁が下級裁判所)

行政事件[編集]

東京都全域

民事の特例[編集]

知的財産権のうち、特許、実用新案、回路配置利用、プログラム著作に関する民事については、上記に関わらず、福井、岐阜、三重以東の東日本が管轄区域になる。

異例の決定[編集]

2019年3月27日東京都文京区の自宅で妻を殺害したとして殺人罪に問われ、1審の裁判員裁判で懲役11年の実刑判決を受けた韓国籍で講談社の青年コミック誌「モーニング」編集部の元編集次長の男に東京地裁保釈を認める決定をする(保釈保証金は800万円)。

関連項目[編集]

参考文献・注釈[編集]

  1. 東京裁判所の草創期について日本建築学会
  2. 内閣記録局(1889)『法規分類大全』官職門14巻103頁
  3. 多摩支部の活動LIBRA Vol9 No10、2009年10月、2019年2月8日閲覧
  4. 東京地裁、知財や破産などビジネス訴訟に対応力 ポスト新設で連携強化産経新聞、2017年9月18日
  5. 選択認めない戸籍法「合憲」時事通信、[2019年3月25日
  6. 「ビジネス裁判所」誕生へ 審理、より速く日本経済新聞、2017年11月20日