日本交通 (東京都)

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日本交通株式会社(にほんこうつう)は、東京都千代田区に本社を置く日本最大級のタクシー事業者である。

概要[編集]

1928年に川鍋秋蔵が創業した個人ハイヤーに源流を持つ。2・3代目は秋蔵の子孫が務めており、2023年までは秋蔵の孫である一朗が会長を務めていた。株式は公開されておらず、川鍋家のオーナー企業と見られる。

直営営業所、関連会社、業務提携会社を含むグループ全体で7029台(2022年6月時点)を有する関東最大のタクシー事業者[注 1]ハイヤー事業においても台数は業界最多。グループ全体の売上高は日本最大である。
タクシーの行灯は開花した桜の花にアルファベットのNを配したロゴを描いた球体形で、一般車はロゴが青色、研修を受けた優良乗務員のみが乗務するゴールドタクシーはロゴが金色になっている。

自社グループでタクシー配車アプリ「全国タクシー」→「JapanTaxi」→「GO[注 2]」を開発し、買収・業務提携で台数を確保することで顧客への安定した配車を実現している。

同じ東京地区の大手タクシー事業者である大和自動車交通帝都自動車交通国際自動車と共に東京四社営業委員会を組織する。

大阪・兵庫にも進出し、こちらは東京・日本交通の屋号で営業している。このような屋号になっている理由は後述

車両[編集]

タクシー[編集]

2020年1月以降、本体の直営営業所の一般車両は全てジャパンタクシーに統一されたが、最大6人乗車可能なワゴン車のアルファードエスクァイアも引き続き配置されている。

ジャパンタクシーが登場する前はクラウンセダンセドリック営業車プリウスEXプリウスαも使用されていた。2020年1月以降は業務提携会社に僅かに残るのみで、ジャパンタクシーへの置き換えが進行している。
これ以前はクラウンコンフォート・セドリック営業車の低グレードが主力であったが、ハイグレードタクシーのサービス開始後はハイグレード車・一般車共にクラウンセダン・セドリック営業車の上級グレードへ切り替えられた。業務提携会社は提携前は低グレード車が主力の所が多く、提携開始に際して本体から放出された中古車と新車でこれらの低グレード車を置き換えた。[注 3]

ハイヤー[編集]

ハイヤーはスタンダード車両とハイグレード車両・ワゴン車の3種類を用意。

スタンダード車両はレクサス・ESトヨタ・クラウンマジェスタトヨタ・クラウン日産・シーマの4種類。ハイグレード車両はレクサス・LSトヨタ・センチュリーの2種類。ワゴン車はトヨタ・アルファードとハイエースをラインナップ。ハイエースは最大9名乗車可能としている。

日交個人タクシー[編集]

法人提携形個人タクシーとして、2023年4月にスタート。日本交通の供給力を確保しつつも個人タクシーとして独立したい・独立前のメリットを享受したいと考える乗務員の需要も満たせるもので、2024年5月時点で東京特別区・武三地区で3事業者が運行している。

車両は個人タクシーとして国の表示通達規定に従った車体表示等を行ったジャパンタクシーである。

事業所[編集]

直営営業所[編集]

ハイヤー営業所
営業所 所在地
赤坂 千代田区永田町
山王パークタワー
銀座 中央区銀座
中央第一 中央区日本橋兜町
中央第二
タクシー営業所
営業所 所在地 備考
品川 品川区東品川
葛西 江戸川区北葛西
新木場 江東区新木場
千住第一 足立区足立
千住第二
千住第三
赤羽第一 北区浮間 子会社の東洋交通が所有する敷地・建物に同居。
整備工場も東洋交通所有。
赤羽第二
板橋第一 板橋区板橋
板橋第二
三鷹第一 三鷹市野崎
三鷹第二

利用者への案内上は、千住・赤羽・板橋・三鷹の各営業所は1つの営業所として案内されている。

子会社[編集]

社名・営業所 表記 所在地 備考
特別区・武三地区
イースタンエアポートモータース 大田区羽田旭町 全日空グループ→両備グループ
ハイヤー専業につきタクシーの配置なし
大国自動車交通 OOKUNI KOTSU 三鷹市深大寺
改進タクシー KAISHIN 足立区中央本町
恵豊自動車交通 KEIHO 大田区北馬込
蔦交通 TSUTA KOTSU 葛飾区東金町
東洋交通 TOYO KOTSU 北区浮間 本体・赤羽営業所が同居
日交練馬 NIKKO NERIMA 練馬区練馬 東武興業安全タクシー(東武鉄道グループ)→東洋交通練馬営業所
日交ひかり NIKKO HIKARI 大田区南蒲田 2024年に東京ひかり交通から変更
日交美輝 NIKKO MIKI 足立区中川 東武金龍自動車(東武鉄道グループ)に源流を持つ日交足立と美輝タクシー(葛飾区西水元)の2社が合併して発足
羽田交通 HANEDA KOTSU 大田区京浜島
春駒交通 HARUKOMA KOTSU 北区浮間
ハロートーキョー 葛西 HELLO TOKYO 江戸川区臨海町
門前仲町 江東区冬木
リボン交通 RIBON KOTSU 江東区千石 リボンタクシー→大国自動車交通千石営業所
ワイエム交通 Ym KOTSU 江東区新木場
営業区域 社名・営業所 表記 所在地 備考
その他の地域
東京 北多摩 日本交通立川 本社 NIHON KOTSU
TACHIKAWA
立川市富士見町
調布 調布市深大寺元町
神奈川 京浜 日本交通横浜 本社
横浜
NIHON KOTSU
YOKOHAMA
横浜市戸塚区名瀬町 相鉄自動車自動車部横浜営業所に由来する旧・横浜営業所と新天台交通に由来する戸塚営業所が統合して発足
保土ケ谷 横浜市保土ケ谷区常盤台 元・京王自動車京浜横浜営業所
川崎 川崎市川崎区渡田新町 元・京王自動車京浜川崎営業所
県央 大和 大和市桜森 元・相鉄自動車自動車部大和営業所
平塚 平塚市田村 元・旭交通
小田原 小田原 NIHON KOTSU 小田原市浜町 元・日本交通小田原
埼玉 県南中央 日本交通埼玉 NIHON KOTSU
SAITAMA
さいたま市北区今羽町
千葉 北総 松崎交通 本社 MANZAKI KOTSU 成田市東和泉
群馬 中・西毛 東洋タクシー TOYO TAXI 前橋市堤町
大阪 大阪市域 東京・日本交通 本部 NIHON KOTSU
TOKYO
大阪市福島区福島
梅田
難波 大阪市浪速区敷津西
西淀川 大阪市西淀川区竹島 関西中央第一関西中央旅客守口が統合して発足
さくらタクシー加島営業所に同居
堺市西区鳳東町 元・ユタカ中央交通
2021年まで存在した堺営業所とは別
北摂 高槻 高槻市梶原中村町
高槻第二 高槻市萩之庄 元・高槻交通
茨木 茨木市中河原町 元・茨木高槻交通
兵庫 神戸市域 神戸 神戸市東灘区御影塚町
大阪 大阪市域 ナショナルタクシー 本社 NATIONAL 大阪市城東区生育
さくらタクシー 福島 SAKURA 大阪市福島区福島
加島 大阪市西淀川区竹島 東京・日本交通西淀川営業所が同居

業務提携会社[編集]

日本交通と資本関係がなく、業務提携の関係にあるタクシー会社。

特別区・武三地区
社名・営業所 表記 所在地 移籍元 グループ加盟年 備考
飛鳥交通<品川> 品川 ASUKA KOTSU 品川区東品川 東京無線 2016年 飛鳥交通グループ
飛鳥交通第二 板橋 板橋区舟渡
飛鳥交通第三 成城 世田谷区粕谷
飛鳥交通第五 羽田 大田区東糀谷
飛鳥交通第七 大森
飛鳥交通第六 小松川 江戸川区小松川
高井戸 杉並区高井戸東
飛鳥自動車 赤羽 北区浮間
栄泉交通 本社
第一
EISEN 江東区東陽 チェッカーキャブ 2023年
扇橋交通 OUGIBASHI KOTSU 江戸川区西小岩 東京相互無線 2005年
キャピタルオート CAPITAL AUTO 杉並区清水 共同無線 2010年 キャピタル交通グループ
キャピタルモータース 本社 CAPITAL MOTORS
井草 杉並区井草
国光自動車 KOKKOU JIDOUSHA 港区港南 チェッカーキャブ 2023年
三和交通 東京 SANWA KOTSU 板橋区赤塚新町 EM無線 2005年 神奈川県横浜市に本社を置く三和交通グループ
荒川区の国際自動車提携の三和交通とは無関係
昭栄自動車 SHOEI 足立区中央本町 信和事業 2017年
昭和自動車 SHOWA JIDOUSHA 練馬区貫井 東京無線 2020年
洲崎交通 SUSAKI 江東区東陽 チェッカーキャブ 2023年
すばる交通 本社 SUBARU KOTSU 足立区入谷 チェッカーキャブ 2010年 すばる交通グループ
北千住 足立区千住旭町
東京ワールド交通 TOKYO WORLD KOTSU 江東区有明 独自営業 2014年
東京梅田交通 UMEDA KOTSU 足立区花畑 EM無線 2015年 梅田交通グループ
イースタンモータースグループ
東京梅田交通第二[注 4] 亀有 足立区中川 2020年
亀戸 江東区亀戸
東京合同自動車 TOKYO GODO 荒川区東日暮里 チェッカーキャブ 2023年
日日交通 NICHINICHI KOTSU 足立区保木間 信和事業 2017年
日生交通 NISSEI KOTSU 練馬区三原台 共同無線 2010年
日立自動車交通 HITACHI KOTSU 足立区綾瀬 藤田無線 2005年 日立自動車交通グループ
日立自動車交通第二
日立自動車交通第三 葛飾区金町
平和自動車交通 江戸川 HEIWA JIKOU 江戸川区松江 チェッカーキャブ 2021年
毎日タクシー[注 5] 船堀 MAINICHI TAXI 江戸川区船堀 2023年 本社は江東区冬木
ミツワ交通 MITSUWA 墨田区文花
八洲自動車 YASHIMA 江東区清澄 2022年
陸王交通 本社 RIKUO KOTSU 板橋区中丸町 独自営業 2009年
赤羽 北区赤羽南
営業区域 社名・営業所 表記 所在地 備考
その他の地域
神奈川 京浜 京浜ハイヤー 上大岡 KEIHIN HIRE 横浜市南区最戸 アイシスコーポレーショングループ
保土ケ谷 横浜市保土ケ谷区岩井町
スタジアム交通 新横浜 STADIUM KOTSU 横浜市港北区新横浜
十日市場 横浜市緑区十日市場町
ワールド交通 川崎 WORLD KOTSU 川崎市高津区子母口
カナガワ交通イースタン KANAGAWA 横浜市栄区飯島町 梅田交通グループ
イースタンモータースグループ
向ヶ丘交通イースタン MUKOGAOKA 川崎市高津区上作延
大阪 大阪市域 コスモキャブ大阪 COSMO CAB 大阪市淀川区三津屋南 大阪小豆島タクシーグループ
毎日タクシー[注 5] MAINICHI 大阪市淀川区新高 梅田交通グループ
泉州 SMART SMART 貝塚市港 フランス屋グループ
関空専用車のみ
兵庫 神戸市域 三和交通 SANWA 神戸市東灘区深江浜町 梅田交通グループ

閉鎖・撤退・グループを離脱した事業所[編集]

ここでは事業譲渡などにより、日本交通グループを完全離脱した事業所についてのみ記載する。

  • 館山中央交通 - 2014年に京成グループから日交グループ入りするも、2018年に廃業
  • 伊達交通 - 2015年に日本交通子会社となって東京無線から脱退。しばらく暫定車両で営業するも廃業
  • 尼崎工都タクシー・川西オーシャン交通 - 2018年に日本交通グループ入りするも2020年に尼崎工都タクシーが、2021年に川西オーシャン交通が日の丸ハイヤーに営業権を譲渡
  • 東京・日本交通堺営業所 - 2021年に明星交通へ譲渡して撤退
  • 東京・日本交通京都営業所 - 2021年に福山市に本社を置くアサヒタクシーに譲渡して撤退
  • ナショナルタクシー放出営業所 - 2024年に大阪メトロへ売却[注 6]

専用乗り場[編集]

特別区・武三地区[編集]

カッコ内の事業者名は乗り場を共同運営・使用する事業者。

六本木・赤坂地区
新橋・銀座地区
  • 愛宕グリーンヒルズMORIタワー(オフィス棟)
  • 汐留住友ビル/ホテルヴィラフォンテーヌグランド東京汐留
  • 東京汐留ビルディング
  • 汐留ビルディング(帝都自動車交通・大和自動車交通)
  • 霞が関ビルディング
  • 東京ミッドタウン日比谷(国際自動車・帝都自動車交通・大和自動車交通)
  • 東京慈恵会医科大学付属病院
東京駅周辺地区
  • シャングリ・ラ ホテル東京(国際自動車)
  • 東京ミッドタウン八重洲/ブルガリホテル東京
  • 東京日本橋タワー
  • 大手門タワー・ENEOSビル
  • 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ
  • 大手町パークビルディング
  • Otemachi One タワー/フォーシーズンズホテル東京大手町
品川・羽田地区
新宿・渋谷地区
城北地区
お台場・豊洲地区

その他地域[編集]

  • 伊勢丹立川店
  • 中之島フェスティバルタワー
  • コンラッド大阪
  • リーガロイヤルホテル
  • ANAクラウンプラザホテル大阪
  • インターコンチネンタルホテル大阪

同業種の同名企業[編集]

なお同名・同業種で大阪府で創業し、京都府、兵庫県、鳥取県、島根県で営業する日本交通があるが、こちらは創業者が鳥取県出身の澤春蔵で、オーナーも澤家と異なり、互いに資本関係・人事交流のない別企業である。ただややこしいことに川鍋家の日本交通も関西に進出しており、関西では川鍋家の日本交通は東京・日本交通の屋号で営業している。

タクシーチケットは相互に使用可能であるが、同じ社名の同業者の好という訳ではなく、東京四社営業委員会の提携によるものである。

[編集]

注釈
  1. 台数は北九州の第一交通産業グループが多い。
  2. GOは日本交通の子会社以外に、DeNAが開発した「MOV」も源流である。
  3. 2023年に業務提携した一部の会社では置き換えに必要な車両を提携営業開始までに確保できず、従来の車両の行灯や塗装を変更して凌いでいた。
  4. EM無線時代の社名は「イースタンハイヤー」
  5. a b 東京と大阪の毎日タクシーは相互に無関係の別企業
  6. 大阪メトロ、タクシー事業に参入 都市型MaaS実現へ - 日本経済新聞
  7. 日本交通の本社が入居。
  8. a b c 非喫煙者のドライバーが乗務する車両のみ入構可。