吉田忠雄 (人口学者)
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吉田 忠雄(よしだ ただお、1926年11月29日[1] - 2013年6月25日)は、人口学者。専門は人口思想史、福祉政策。明治大学名誉教授、宮崎産業経営大学名誉教授[1]。政策研究フォーラム顧問[2]。
略歴[編集]
新潟市生まれ[3]。明治大学政治経済学部経済学科卒業。1954年明治大学大学院政治経済学研究科経済政策専攻修士課程修了。明治大学助手、専任講師を経て、1960年助教授、1965年教授[1]。1997年定年退職、名誉教授。その後、宮崎産業経営大学教授、2001年定年退職。その間、明治大学政治経済学部長、国土総合開発審議会特別委員、日本人口学会会長などを歴任[3]。1993年に『カナダ日系移民の軌跡』でカナダ首相出版賞特別賞を受賞[1]。
河合栄治郎の門下生が結成した社会思想研究会(社思研)の第2世代にあたり、社思研第1世代の土屋清が自宅で主宰したゼミの出身者[4][5]。1962年民主社会主義研究会議(民社研)理事[6]。1963年民社研の「北欧福祉国家研究視察団」の一員としてスウェーデン、ノルウェー、デンマークを訪問[7]。1973年11月から1980年3月まで民社研総務担当理事(事務局長)[8]。1976年に設立された「英霊にこたえる会」の発起人[9]。1980年時点で富士社会教育センター理事[10]、社労研(社会労働運動研究所)が開催するSAS副学校長[11]。1987年「民社党と語る会」幹事[12]。1994年政策研究フォーラム理事[13]。
2013年6月15日、慢性心不全のため死去[14]。政策研究フォーラムの機関誌『改革者』2013年9月号で「特集・吉田 忠雄先生を偲ぶ」が組まれた。
著書[編集]
単著[編集]
- 『社会主義と人口問題』 社会思想研究会出版部、1959年
- 『明日の人口問題――「満員日本」は解消されるか』 社会思想社(現代教養文庫)、1962年
- 『満員日本の虚説――家族と社会福祉について』 生活科学調査会、1966年
- 『労働運動と福祉国家』 改訂第2版、日本生産性本部生産性労働資料センター(生産性労働文庫)、1970年
- 『産業社会と生きがい――青年よ愛にもとづく改革を』 日本生産性本部生産性労働資料センター(生産性労働文庫)、1970年
- 『生と死の未来――人類はどこへ行くか』 読売新聞社、1972年
- 『変身する日本共産党――議会主義鑑別法』 民主社会主義研究会議(民社研叢書)、1973年
- 『社会主義に未来はあるか』 民主社会主義研究会議(民社研叢書)、1979年
- 『職場の民主主義』 日本生産性本部労働資料センター(生産性労働選書)、1979年
- 『国辱――虚実の「排日」移民法の軌跡』 経済往来社、1983年
- 『社会思想史――民主主義・議会主義の視座から』 啓正社、1986年、増補版1999年
- 『性・自由そして家族――ファミリーライフの新時代』 啓正社、1988年
- 『排日移民法の軌跡――21世紀の日米関係の原点』 経済往来社、1990年
- 『カナダ日系移民の軌跡』 人間の科学社、1993年
- 『カナダ日系移民の軌跡――移民の歴史から問い直す国家の意味』 増補版、人間の科学社(人間の科学叢書)、2003年
- 『日本の天職』 人間の科学社、1997年
- 『逆説日本の研究』 人間の科学社、1998年
- 『百年後の日本――自滅する日本を救う処方箋』 人間の科学社、2002年
- 『南米日系移民の軌跡』 人間の科学社(人間の科学叢書)、2006年
- 『満洲移民の軌跡』 人間の科学社(人間の科学叢書)、2009年
共著[編集]
- 『民主社会主義のてびき――はじめて学ぶ人のために』 遠藤欣之助共著、民主社会主義研究会議(学習ライブラリー)、1963年
- 『石油のなくなる日――資源小国日本の生きのびる道』 漆山成美、林三郎、村松剛、原豊共著、浪曼、1974年
- 『中東の地政学――米ソ争奪の構図』 渥美堅持、加藤寛、田久保忠衛、村松剛、矢島鈞次共著、ABC出版、発売:文園社、1982年
- 『日本社会党の政策を衝く――理性と常識が促えた数々の矛盾』 加藤寛、田久保忠衛共著、啓正社、1989年
- 『高齢化社会の法律・経済・社会の研究』 玉田弘毅、入江信子、安蔵伸治共著、信山社出版、1996年
- 『新武士道――日本の魂』 塚本三郎共著、人間の科学社、2004年
編著[編集]
- 『現代中国の政治と経済』 李天民共編著、新評論、1976年
- 『世界と日本の人口政策』 加藤寛共編、勁草書房、明治大学社会科学研究所叢書、1979年
- 『高齢化社会と労働組合』 民主社会主義研究会議(民社研叢書)、1980年
- 『サダト以後の中東のゆくえ』 エネルギー問題調査会(エネルギー資源研究叢書)、1981年
- 『労使関係の思想』 社労研、1981年
- 『中東の近未来をさぐる』 エネルギー問題調査会(エネルギー資源研究叢書)、1983年
- 『サウジアラビアの将来』 エネルギー問題調査会(エネルギー資源研究叢書)、1984年
- 『原発政策――その現状と展望』 エネルギー問題調査会(エネルギー資源研究叢書)、1985年
- 『ソ連・東欧の変化とエネルギー問題』 エネルギー問題調査会(エネルギー資源研究叢書)、1991年
- 『ソ連・東欧と中国の人口問題』 小林和正共編、千倉書房(人口学研究シリーズ)、1991年
- 『二十一世紀のエネルギー問題――十周年記念論文集』 エネルギー問題調査会(エネルギー資源研究叢書)、1991年
- 『日本の国家戦略とエネルギー問題――二十周年記念論文集』 エネルギー問題調査会(エネルギー資源研究叢書)、2002年
訳書[編集]
- ラスキ『世界大思想全集 社会・科学・思想篇 第二十六巻 ラスキ』 関嘉彦、音田正巳、三宅正也共訳、河出書房、1956年
- ハロルド・J・ラスキ『共産主義論』 関嘉彦共訳、社会思想研究会出版部(現代教養文庫)、1957年
- エリック・ロール『近代経済学入門』 白石四郎共訳、社会思想研究会出版部(現代教養文庫)、1959年
- 桑原武夫ほか編『世界思想教養全集17 イギリスの社会主義思想』 関嘉彦、音田正巳、野田福雄、山下重一共訳、河出書房新社、1963年
- 『世界の思想17 イギリスの社会主義思想』 関嘉彦、音田正巳、野田福雄、山下重一共訳、河出書房新社、1966年
出典[編集]
- ↑ a b c d 日外アソシエーツ編『新訂 現代日本人名録2002 3.ひろ~わ』日外アソシエーツ、2002年、1737頁
- ↑ 政策研究フォーラム役員体制(2011・12年度) 政策研究フォーラム
- ↑ a b カナダ日系移民の軌跡 / 吉田 忠雄【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
- ↑ 【湯浅博 全体主義と闘った思想家】独立不羈の男・河合栄治郎(7)沖縄返還前のころ(2/5ページ) 産経ニュース(2015年11月21日)
- ↑ 【湯浅博 全体主義と闘った思想家】独立不羈の男・河合栄治郎(72)後継者編(3-3)(1/4ページ) 産経ニュース(2016年12月10日)
- ↑ 遠藤欣之助「民社研に期待するもの――音田会員の誤解を正す」『社会思想研究』第14巻第3号、1962年3月
- ↑ 武藤光朗編『福祉国家論――北欧三国を巡って』社会思想社、1965年
- ↑ 政策研究フォーラム編「創立40年の歩み――民社研から政研フォーラムへ」『改革者』第41巻第1号(通巻474号)、2000年1月
- ↑ 今日における政治と宗教 (天皇制の現段階と元号・靖国<特集>) CiNii 論文
- ↑ 「赤旗」日曜版特別取材班「密着レポート 富士政治大学校のすべて」『今日の民社党――大企業擁護・軍事ファシズムの先兵』日本共産党中央委員会出版局、1980年、118頁
- ↑ 吉村宗夫 (1982年3月25日). “「サスコミ」を追う--ある反共労働運動誌を斬る(PDF)”. 『賃金と社会保障』838号. 2023年4月10日確認。
- ↑ “「第四部 労働組合と政治・社会運動」『日本労働年鑑 第58集 1988年版』(PDF)”. 法政大学大原社会問題研究所. 2023年4月10日確認。
- ↑ 『改革者』第35巻第2・3号(通巻406・407号)、1994年6月
- ↑ おくやみ情報 : 吉田忠雄 (明治大学名誉教授・人口論) の死亡日,所属・業績など 訃報新聞