反転色
反転色(はんてんしょく、英:invert color)とは、RGB方式で、RGBのそれぞれの値を全て反転したもの。RGB値はそれぞれ8ビットである0~255までの256段階あり、色反転すると、RGBの各色の値の最小値0と最大値255の和から、反転前の値が差し引かれる。RGB値の計算で、RGB値が全て最大値255の「白」からある色を引いた・減算したものである。例えば、RGBのGの値が64のときに色反転を行うと、Gの値は191になるという具合である。計算は、(0+255)-64=191。色相と明度(色の明るさ)が逆・正反対になり、同時に、輝度(光の明るさ)も自動的に逆・正反対になったもの。全ての色が、RGBカラーの色相環で、色相の角度が180°=半回転移動、円の対角線の位置に移動し、色相差・色相の角度差は180°となり、RGBカラーの色相環を2等分した色相同士の配色となり、色相が対照の配色で、色相環で正反対側に位置する色、色相で最も遠く離れている色に置き換えられ、色相環で相対する色となり、明度の変化では、白は黒に反転し、黒は白に反転する。彩度は全く変わらない。白と黒の中間色である灰色の反転色は、灰色のまま変化無しであり、灰色は、RGB値で表すと全ての値が半分の輝度となり、半分の輝度は、0~255の中央値で、127.5に当たるが、割り切れず、整数として表現できないので、127か128の2つあるということになり、127.5は厳密な中央値であるが存在しないので、灰色の反転色は、厳密には明度が微妙に異なった灰色で、ほぼ変化無しの灰色となる。0~255の中央値である「127」と「128」とでは、1つの差があることにより、微妙にずれた値となる。RGBのそれぞれの値が128の場合、色反転するとRGBの各色の値の最小値0と最大値255の和から、反転前の値が差し引かれ、「(0+255)-128=127」になる。反転色は、高明度色が低明度色になり、明るい・薄い部分が暗くなり、暗い部分が明るくなる・薄くなるというように、原稿全体の色や階調を反転してネガフィルムのような仕上がりにしたもの。陰画を陽画に、また陽画を陰画にしたもの。「反転色」は、「色の反転」「色反転」「カラーを反転」「階調の反転」「色調の反転」「ネガ」「ネガポジ反転」「ネガティブ」とも呼ばれる。「反対色」とも書かれる。反転色は、色相環における原色は、RGBのみであり、カラーモードは、あくまでRGBカラーで表現される。反転色は、24等分したRGBカラーの色相環では、色相差は12個となり、反転色色相と呼ばれる。色反転機能は、ペイント、パソコンの設定、Corel PaintShop Proなどに対応している。Corel PaintShop Proでは、「ネガティブ」が色反転機能になる。RGBカラーの色相環のみの部分を色反転すると、色反転しなくても、角度が180度回転しただけのものと一致する。可視光線では、ある色を物体に吸収することにより反転色になる。可視光線で、反射した色の残りの部分は吸収した色で、反射光と吸収光は反転色の関係に当たる。色反転を2回行うと、色反転前=オリジナルに戻る。
反転色の出し方は残像からでもできる。ある色を20秒以上見つめた後、その色を視界から除去して、何も無い白い物体・白い背景・白地に視線を移すと、見ていた元の色の反転色付近の色が残像として見えてくる。これを「色の残像」「色残像」「陰性残像」「反転色残像」「負の残像」という。色の残像は心理反転色と呼ばれる。心理反転色は生理反転色ともいう。
反転色同士の2色を混ぜると、色みを失い、無彩色に近い色になり、RGBの光の混合、可視光線の波長の色の混合=加法混色の場合は白、RGBの光以外の混色では、減法混色や絵の具の混合の場合、黒っぽい色、暗灰色に近い色になり、color blender=合成混色(混合混色)では全て灰色になる。これは物理反転色と呼ばれる。物理反転色は、混色の結果が無彩色になるような2つの色同士の配色のこと。
有彩色の中で、輝度が最も高い・最も明るい色は黄色付近で、その反転色は、有彩色の中で輝度が最も低い・最も暗い色で、少し紫がかった青、群青色付近の色である。黄色を色反転すると群青色になる。
現実・自然界における反転色同士の色の配色は、反転色同士の配色の色と完全に同じ色でない色、反転色付近の色も含むため、色相の角度やRGB値にズレが微妙に生じている。色相環で、正反対側に位置する色は、だいたい反転色の関係にある色同士が選ばれている。
反転色同士で、オレンジと明るい青は、色の違いによって、距離感が異なって見える。
Chromebookでの反転方法は「Ctrl」と「⇧」と「q」を連打すると反転できます。
例、サンプル[編集]
色反転前=オリジナル | 色反転後 | ||||
---|---|---|---|---|---|
色名 | カラーコード、RGB値 | 色 | 色 | 色名 | カラーコード、RGB値 |
赤 | #FF0000(255, 0, 0) | ウェブカラーのシアン、ターコイズブルー | #00FFFF(0, 255, 255) | ||
オレンジ | #FF8000(255, 128, 0) | 明るい青 | #007FFF(0, 127, 255) | ||
ゴールデンイエロー、山吹色 | #FFBF00(255, 191, 0) | 真っ青、コバルトブルー、青 | #0040FF(0, 64, 255) | ||
ウェブカラーの黄色=レモン色っぽい黄色 | #FFFF00(255, 255, 0) | 群青色、光の三原色の青 | #0000FF(0, 0, 255) | ||
光の三原色の緑=明るい緑 | #00FF00(0, 255, 0) | ウェブカラーのマゼンタ | #FF00FF(255, 0, 255) | ||
白 | #FFFFFF(255, 255, 255) | 黒 | #000000(0, 0, 0) | ||
茶色 | #9F3F00(159, 63, 0) | 薄い青 | #60C0FF(96, 192, 255) | ||
灰色 | #808080(128, 128, 128) | 灰色、厳密にはほぼ変化無し | #7F7F7F(127, 127, 127) |
明度の段階的な変化。色の反転をすると、明るい・薄い部分が暗くなり、暗い部分が明るく・薄くなる。白を色反転すると黒になり、黒を色反転すると白になる。白と黒の中間色である灰色を色反転すると灰色のまま変化無しであるが、厳密には明度が微妙に異なった灰色となる。 |
例は、主な色相環である。
赤(R255,G0,B0)を色反転するとターコイズブルー(R0,G255,B255)になる仕組みは、RGB値が全て最大値255の白-赤(R255,G0,B0)=ターコイズブルー(R0,G255,B255)になり、RGBそれぞれ255の白から、R255がマイナスされるので、残りはG255とB255になり、ターコイズブルーが作られる。白から赤を取ったもので、RGB値では、緑と群青色の2色が残る。
RGB値で、白から、GとBを両方とも下げると赤になる。
山吹色(R255,G191,B0)を色反転すると真っ青(R0,G64,B255)になる仕組みは、RGB値が全て最大値255の白-山吹色(R255,G191,B0)=真っ青(R0,G64,B255)となり、RGBそれぞれ255の白から、R255とG191がマイナスされるので、残りはG64とB255になり、真っ青が作られる。
Windowsのショートカットキーの操作における色反転[編集]
「スタート」→「設定」→「簡単操作」を選択し、「カラーフィルター」をクリックし、カラーフィルターのスイッチをオンにし、「反転色」を選択し、「ショートカットを使用してフィルターのオンとオフを切り替える」にチェックを押す。「Ctrl」キー+「Win」キーを同時に押したまま「C」キーを押して、「C」キーで色の反転のオン/オフを切り替える。なお、これを使うことによって、背景と同色の文字も見ることができる。
交通信号機を色反転[編集]
交通信号機を色反転すると、「●●●」→「●●●」となり、青(緑)は紫がかった赤(紅色?)〜赤に近い色に、黄色と赤は共に2つとも青系の色になる。
「●●●」→「●●●」
用途[編集]
- マグマを色反転すると、南極の氷がバラバラに割れた写真になる。
- 暖色系の色(●●●●●●)を色反転すると、寒色系の色(●●●●●●)になる。
- 青緑色(ターコイズ)の稲妻を色反転すると、脳の血管になる。
- ハープシコードは、鍵盤の色が反転している。