気賀健三

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気賀 健三氣賀 健三、きが けんぞう、1908年10月6日 - 2002年2月15日)は、経済学者。慶應義塾大学名誉教授、元経済学部長。専攻は経済政策、ソ連計画経済

経歴[編集]

東京生まれ。父は経済学者の気賀勘重[1]。1930年慶應義塾大学経済学部卒業。同助手を経て、1937年助教授、1942年教授。1956年経済学博士[2]。1972年9月に加藤寛らと「ソ連・東欧学会」(1991年からロシア・東欧学会)を創設し、1983年まで代表理事を務めた[3]。1974年定年退職、名誉教授[2]。同年成城大学教授、熊沢学園理事長[4]。門下生に「福祉国家政策論トリオ」と呼ばれた加藤寛、原豊丸尾直美がいる[5]

複数の反共文化人団体の要職を務めた[6]。1960年2月に民社党を理論面から支えるため蠟山政道関嘉彦猪木正道土屋清武藤光朗らと民主社会主義研究会議(民社研)を設立し[7]、のちに理事を務めた[2]。1994年政策研究フォーラム顧問[8]

2002年2月15日、肺炎のため東京都目黒区の病院で死去、93歳[9]

社会的活動等[編集]

※「経歴」に記載したものを除く。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『經濟政策原理(全3冊)』(慶應出版社[慶應義塾大學講座經濟學]、1938年)
  • 『經濟政策の根本問題――政策論及び經濟組織論』(有斐閣、1941年)
  • 『經濟政策』(慶應出版社[慶應義塾大學講座經濟學]、1944年)
  • 『統制經濟の秩序』(有斐閣、1944年)
  • 『現代社會主義思想論』(実業之日本社、1947年)
  • 『經濟政策原理(全6分冊)』(慶應通信教育圖書[慶應義塾大学通信教育教材 法學部 基本科目]、1948-49年)
  • 『經濟學原理(全6分冊)』(慶應通信教育圖書[慶應義塾大学通信教育教材 法學部 基本科目]、1948-49年)
  • 『經濟組織と社會改革の倫理』(有斐閣、1948年)
  • 『經濟政策總論』(勞働文化社[現代經濟學全書]、1950年)
  • 『ソ聯經濟論(全2分冊)』(慶應義塾大學通信教育部、1950年)
  • 『ソヴェート計畫經濟論』(社會思想研究會出版部、1950年)
  • 『現代の社会思想』(金星堂、1953年)
  • 『経済政策総論』(金星堂、1954年)
  • 『ソ聯經濟論』(慶応通信、1955年)
  • 『社会的進歩の原理――経済政策原理の社会哲学的研究』(塙書房、1956年)
  • 『経済政策論』(宝文館[NHK教養大学]、1956年)
  • 『経済学原理』(慶応通信、1956年)
  • 『経済政策原理(上・下)』(慶応通信、1958年)
  • 『社会主義の経済体制と資本主義の経済体制との違い』(述、王子製紙水曜会編、労働文化研究所[労働文化シリーズ]、1959年)
  • 『ソビエト経済の研究』(日本評論新社[慶応義塾経済学会経済学研究叢書]、1960年)
  • 『共産主義の経済(上・下)』(塙書房[塙新書]、1967-69年)
  • 『チェコ自由化の背景』(自由民主党広報委員会出版局[学習シリーズ]、1968年)
  • 『共産圏経済の現状と東西経済交流の将来』(述、日本工業倶楽部[日本工業倶楽部産業講演会講演要旨]、1975年)
  • 『民主的労働運動の経済学』(社労研、1978年)
  • 『提言独立と平和の条件』(サンケイ出版[日本の安全を考える]、1979年)
  • 『正しきことは正しきこと――あえて主張する勇気を持て』(PHP研究所、1989年)
  • 『歴史に漂うロシア』(勁草書房、1995年)

共著[編集]

  • 『世界原始産業論』(氣賀勘重共著、春秋社[世界經濟問題講座 第2部 世界經濟の現勢]、1933年)
  • 『世界經濟政策最近の動向』(氣賀勘重共著、春秋社[世界經濟問題講座 第4部 世界經濟政策]、1933年)
  • 『経済原論』(富田重夫共著、学文社[経済学演習]、1959年)
  • 『経済政策』(加藤寛共著、学文社[経済学演習]、1959年)
  • 『経済原論』(改訂版、富田重夫、松浦保共著、学文社[経済学演習]、1964年)
  • 『経済学全集6 経済政策論』(小松雅雄、加藤寛共著、世界書院、1965年)
  • 『それでもチェコは戦う――二千語宣言署名者は訴える』(カレル・バールタ、猪木正道、西義之共著、番町書房、1968年)
  • 『ソ連人レポート――ロシア的発想の秘密と物の考え方・やり方』(木村汎、関寛治、倉前盛通、甲谷悦雄、大橋武夫、邑井操、佐藤陽子ほか共著、こう書房[こう選書]、1980年)

編著[編集]

  • 『ソ連経済と流通・財政・金融制度』(編、清明会[清明会叢書]、1964年)
  • 『ソ連の労働事情』(編、日本労働協会、1964年)
  • 『日米経済の比較研究』(小原敬士共編、東洋経済新報社、1968年)
  • 『地域研究講座 現代の世界 2 ソ連・東ヨーロッパ』(尾上正男、加藤寛、中村銈司共編、ダイヤモンド社、1970年)
  • 『比較経済体制論講義』(編、青林書院新社[青林講義シリーズ]、1972年)
  • 『現代経済学の思潮』(千種義人共編著、秀潤社、1977年)

訳書[編集]

  • フィッシャー『利子論』(氣賀勘重共訳、岩波書店、1935年/気賀勘重共訳、日本経済評論社[近代経済学古典選集]、1980年)
  • ワーゲンフュール『經濟學體系論――方法史的考察』(実業之日本社、1945年)
  • ピグウ『厚生経済学(全4冊)』(千種義人、鈴木諒一、福岡正夫、大熊一郎共訳、東洋経済新報社、1953-55年)
  • J.ティンバーゲン『経済政策の理論』(加藤寛共訳、巌松堂出版[現代経済学選書]、1956年)
  • ジョン・スコット『ルーブル外交の実体(上・下)』(時事通信社[時事新書]、1962年)
  • リチャード・パイプス編『ロシア・インテリゲンチア』(和田敏雄共訳、時事通信社[時事新書]、1962年)
  • ルイス・O.ケルソ、モーチマー・J.アドラー『百万人の資本主義』(時事通信社[時事新書]、1963年)
  • ゲルハルト・コルム、テオドール・ガイガー『アメリカ国民の経済(上・下)』(時事通信社[時事新書]、1963年)
  • ジョン・スコット『中共の危機(上・下)』(時事通信社[時事新書]、1964年)
  • G.F.ハドソン編『中ソ論争(上・下)』(時事通信社[時事新書]、1964年)
  • スタニスラウ・ウェリッシュ『ソ連圏の経済――計画経済の分析(上・下)』(時事通信社[時事新書]、1965年)
  • アダム・ブロムク『岐路に立つ共産圏諸国(上・下)』(時事通信社[時事新書]、1967年)
  • シドニー・クライン『中ソ分裂の経済的背景』(時事通信社[時事新書]、1965年)
  • クレメント・J.ザブロツキ編『中ソ対立とアメリカ(上・下)』(時事通信社[時事新書]、1969年)
  • F.A.ハイエク『ハイエク全集 第5巻 自由の条件Ⅰ 自由の価値』(古賀勝次郎共訳、春秋社、1986年)
  • F.A.ハイエク『ハイエク全集 第6巻 自由の条件Ⅱ 自由と法』(古賀勝次郎共訳、春秋社、1987年)
  • F.A.ハイエク『ハイエク全集 第7巻 自由の条件Ⅲ 福祉国家における自由』(古賀勝次郎共訳、春秋社、1987年)

企画・監修[編集]

  • 『総評のすべて――日本の将来』(高木書房、1976年)

出典[編集]

  1. 上久保敏『日本の経済学を築いた五十人――ノン・マルクス経済学者の足跡』日本評論社、2003年
  2. a b c 気賀健三名誉教授略歴」『三田学会雑誌』第68巻第3号、1975年
  3. JCASAニューズレター第3号PDF 地域研究学会連絡協議会 、2009年3日
  4. 気賀 健三(キガ ケンゾウ)とは コトバンク
  5. 「表現の自由」研究会編著『現代マスコミ人物事典』二十一世紀書院、1989年、447頁
  6. 「表現の自由」研究会編著『現代マスコミ人物事典』二十一世紀書院、1989年、453-454頁
  7. 安藤俊裕「社会・民社党の創設者 西尾末広(9) 総選挙惨敗、苦難の道日本経済新聞、2010年12月5日
  8. 『改革者』第35巻第2・3号(通巻406・407号)、1994年6月
  9. 気賀健三氏死去/慶応大名誉教授、経済政策学 | 全国ニュース 四国新聞社、2002年2月15日
  10. 社会思想研究会編『社会思想研究会の歩み――唯一筋の路』社会思想社、1962年
  11. 中村勝範「中村菊男・人と思想(十五)」『改革者』第20巻第4号(通巻232号)、1979年7月
  12. 国民政治年鑑編集委員会編『国民政治年鑑 1969年版』日本社会党機関紙局、1969年、854-855頁
  13. 国民政治年鑑編集委員会編『国民政治年鑑 1970年版』日本社会党機関紙局、1970年、881頁
  14. 「〈資料と解説〉「体制派文化人」の組織と人脈」『月刊社会党』第235号、1976年7月
  15. 沿革 一般財団法人国民政治協会
  16. 『改革者』第180号、1975年3月
  17. a b 前田啓一郎「『正論』にみるフジ・サンケイ・グループの野望」『社会主義』第259号、1986年10月
  18. 佐藤達也「世界平和教授アカデミーの正体」『現代の眼』1978年4月号
  19. 「自由人権委員会が発足」『改革者』第18巻第8号(通巻212号)、1977年11月
  20. 佐藤達也「筑波野に巣くう不気味な人脈」『現代の眼』1979年6月号
  21. 吉村宗夫「「サスコミ」を追う--ある反共労働運動誌を斬るPDF」『賃金と社会保障』第838号、1982年3月25日
  22. 曽戸正明「富士政治大学校にみる洗脳教育PDF」『まなぶ』第276号、1982年11月
  23. 成澤宗男「日本会議と宗教右翼」、『週刊金曜日』成澤宗男編著『日本会議と神社本庁』金曜日、2016年、76頁
  24. 成澤宗男「日本会議と宗教右翼」、『週刊金曜日』成澤宗男編著『日本会議と神社本庁』金曜日、2016年、69頁
  25. 西垣内堅佑「草の根改憲運動を阻止するために」『現代の眼』1983年5月号
  26. 茶本繁正「改憲へ突っ走る"四つの車輪"」『月刊社会党』第317号、1982年11月
  27. 編集部「マスコミ・デスクメモ――一九八三年十一~十二月」『マスコミ市民』第193号、1984年7月
  28. 猪野健治編著『右翼民族派・総覧 平成3年』二十一世紀書院、1990年、297頁