中村勝範

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

中村 勝範(なかむら かつのり、1929年4月18日[1] - 2020年5月19日[2])は、政治学者。慶應義塾大学名誉教授平成国際大学名誉学長。「而今の会」主宰者[3]。専門は日本政治思想史[4]

経歴[編集]

長野県南安曇郡梓川村(現・松本市梓川)生まれ[5]。1953年3月慶應義塾大学法学部政治学科卒業。1955年3月同大学大学院修士課程修了。同年4月同大学法学部副手、1958年4月助手、1960年9月助教授[1]。1962年民主社会主義研究会議(民社研)理事[6]。1966年3月「明治社会主義研究」で慶應義塾大学より法学博士。1967年3月教授[1]。1994年政策研究フォーラム理事[7]。1995年3月定年退職、同年4月名誉教授[8]。1996年4月平成国際大学初代学長[8][9]。2004年6月同大学名誉学長[10]。2005年日台関係研究会会長[11]。2007年日本李登輝友の会顧問[12]

中村菊男の直弟子[13]。明治社会主義の研究などで業績を残した[2]産経新聞「正論」の執筆者でもあった[2][11]。主著に『明治社会主義研究』(世界書院、1966年)、『欧米からみた日本』(有信堂、1971年)、『宮本顕治論』(永田書房、1972年)、評論集『正論自由』シリーズ(慶應通信・慶應義塾大学出版会、1975~2002年)などがある[4][11]

荒木和博は慶大3年生のときに指導教授の中村菊男が急逝したため、その後は中村勝範の指導を受けた[14]

富士社会教育センター理事も務めた[15]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『日本における民主社会主義の伝統』(東京政治研究所編、社会思潮社、1960年)
  • 『明治社会主義研究』(世界書院、1966年)
  • 『魅惑的革命思想――トロツキスト・アナキスト・民青同のすべて しのびよる1970年安保革命の若い嵐』(根っこ文庫太陽社[人生books]、1967年)
  • 『〈事例に学ぶ〉青年労働者の問題』(民主社会主義研究会議学習ライブラリー]、1968年)
  • 『現代文化人論』(慶應通信、1969年)
  • 『現代文化人論 第2巻』(慶應通信、1973年)
  • 『自由が失われる時――微笑みかける共産主義がめざすもの』(根っこ文庫太陽社、1973年)
  • 『自由の灯いまだ消えず――ソルジェニーツィンの悲劇を超えるため』(根っこ文庫太陽社、1975年)
  • 『人間的ということ』(根っこ文庫太陽社、1977年)
  • 『欧米からみた日本』(新有堂、1977年)
  • 宮本顕治論』(永田書房、1978年)
  • 『戦闘的民主主義』(新有堂、1980年)
  • 『正論自由――国民に訴える』(慶應通信、1981年)
  • 『正論自由 第三巻 SS20 vs レーガン大統領』(慶應通信、1984年)
  • 『正論自由 第四巻 反核運動――自由からの逃走』(慶應通信、1984年)
  • 『正論自由 第五巻 日本人の誇り』(慶應通信、1987年)
  • 『正論自由 第六巻 対立的共存の時代』(慶應通信、1988年)
  • 『正論自由 第七巻 崩れゆく共産主義』(慶應通信、1990年)
  • 『正論自由 第八巻 アメリカは世界のナンバーワン』(慶應通信、1991年)
  • 『正論自由 第九巻 真、善、美の日本建設』(慶應通信、1992年)
  • 『正論自由 第十巻 日は南中を過ぎたか』(慶應通信、1993年)
  • 『正論自由 第十一巻 ダマスカスへの道』(慶應義塾大学出版会、1995年)
  • 『正論自由 第十二巻 日本及び日本人』(慶應義塾大学出版会、1996年)
  • 『正論自由 第十三巻 アジアにおけるパワーゲーム』(慶應義塾大学出版会、1998年)
  • 『正論自由 第十四巻 近代日本社会史上における『失楽園』の位置』(慶應義塾大学出版会、1999年)
  • 『正論自由 第十五巻 亡国の教育、教育の再建』(慶應義塾大学出版会、2002年)

共著[編集]

  • 『日本社会主義政党史』(中村菊男共著、経済往来社、1966年)
  • 『日本政治の実力者たち――リーダーの条件(3)戦後』(内田健三、富田信男、渡邊昭夫、安東仁兵衛共著、有斐閣[有斐閣新書]、1981年)
  • 『消された英雄たち』(利光三津夫共著、プレジデント社、1981年)
  • 『正論自由 続――聴け!!赤い国々の呻き声』(永久寿夫共著、慶應通信、1982年)
  • 『日米同盟と台湾』(楊合義、浅野和生共著、早稲田出版、2003年)
  • 『アジア・太平洋における台湾の位置』(凃照彦、浅野和生共著、早稲田出版、2004年)
  • 『運命共同体としての日本と台湾 続――アジアを覆う中国の影』(黄昭堂、浅野和生、徳岡仁共著、早稲田出版、2005年)
  • 『東アジア新冷戦と台湾』(楊合義、浅野和生共著、早稲田出版、2006年)
  • 『激変するアジア政治地図と日台の絆』(楊合義、浅野和生共著、早稲田出版、2007年)
  • 『馬英九政権の台湾と東アジア』(呉春宜、楊合義、浅野和生共著、早稲田出版、2008年)

編著[編集]

  • 『自由喪失のかなたに――日共の理論とソ連・東欧の現実』(編、永田書房、1973年)
  • 『近代日本政治の諸相――時代による展開と考察』(編著、慶應通信、1989年)
  • 『各国政治制度概説』(編、慶應通信、1990年)
  • 『満州事変の衝撃』(編、勁草書房、1996年)
  • 『帝大新人会研究』(編、慶應義塾大学法学研究会[慶應義塾大学法学研究会叢書]、1997年)
  • 『運命共同体としての日本と台湾――ポスト冷戦時代の国家戦略』(編著、展転社、1997年)
  • 『運命共同体としての日米そして台湾――二十一世紀の国家戦略』(編著、展転社、1998年)
  • 『主要国政治システム概論』(編、慶應義塾大学出版会、1999年)

中村勝範研究会[編集]

  • 中村勝範研究会編『鈴木文治研究ノート』(中村勝範研究会、1966年)
  • 中村勝範研究会文集委員編『ロシア革命と日本』(中村勝範研究会、1967年)

出典[編集]

  1. a b c 「中村勝範教授略歴・著作目録」『法学研究』68巻1号、1995年1月
  2. a b c 【記者発】現実から希望を説いた学者の遺言 大阪社会部・牛島要平”. 産経ニュース. 産経デジタル (2021年1月9日). 2021年3月13日確認。
  3. 主宰者略歴 而今の会(にこんのかい)
  4. a b 日本政治の過去・現在・未来 大学出版部協会
  5. 日外アソシエーツ編『現代日本人名録 4. そ~ひれ』日外アソシエーツ、1998年
  6. 遠藤欣之助「民社研に期待するもの――音田会員の誤解を正す」『社会思想研究』第14巻第3号、1962年3月
  7. 『改革者』第35巻第2・3号(通巻406・407号)、1994年6月
  8. a b 正論自由 第15巻 / 中村 勝範【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
  9. 目配りの行き届いた浅野和生編著『台湾の民主化と政権交代』 江畑 哲男(東葛川柳会代表) 日本李登輝友の会 愛知県支部(2020年1月30日)
  10. 運命共同体としての日本と台湾 続 / 中村 勝範/黄 昭堂/浅野 和生/徳岡 仁【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
  11. a b c 12月9日(土)、リチャード・クー氏、岸信夫氏らを講師に日台関係研究会が講演会 日本李登輝友の会 愛知県支部(2006年12月8日)
  12. 第5回総会で8人の新理事が誕生!中村勝範・平成国際大学名誉学長が顧問就任 日本李登輝友の会 愛知県支部(2007年3月27日)
  13. 城島了『オーウェルと中村菊男――共産主義と闘った民主社会主義者』自由社、2002年
  14. 2015年1月 6日 荒木和博BLOG
  15. 「赤旗」日曜版特別取材班「密着レポート 富士政治大学校のすべて」『今日の民社党――大企業擁護・軍事ファシズムの先兵』日本共産党中央委員会出版局、1980年、118頁

外部リンク[編集]