新聞
新聞(しんぶん)とは、社会情勢一般(ニュース)または特定分野の出来事を報じ、対象とする層の中で広く読まれることを前提に定期刊行される紙媒体のことである。
概要[編集]
新聞記者が取材し、デスクがそれらを編集、あるいは取捨選択して印刷室に送り、新聞紙と呼ばれる低質の紙に印刷する。新聞の発行元の企業は新聞社と呼ばれる。
最初に作られたマスコミュニケーションであり、世論が形成された。時には反政府暴動、またあるときには米西戦争のように時の政府を動かして戦争に至ったこともあった。20世紀前半にラジオ、20世紀後半にテレビジョンが登場しても、正確性と保存性にかけては他のマスメディアを上回るため、さほど影響を受けなかった。
昨今の影響[編集]
21世紀前半にインターネットが普及して速報性に劣る新聞の地位はやや低下したが、それでも少なからず影響は受け、アメリカ合衆国では地方紙の廃刊が相次いだ。
日本でも、ニュースサイトが発達した2010年代後半以降、夕刊紙の廃刊や朝夕刊セット紙の朝刊紙化が相次ぎ、紙面発行を停止した地方スポーツ紙も2020年代に現れた。
新聞紙[編集]
最も低質な洋紙で再生紙である。読み終わり、必要のなくなった新聞は「新聞紙」と呼ばれ、物を包んだり、汚れを取ったり、あるいは登山やスキーでの防寒に使われるなど様々な目的に使われるなど用途が広い。
分類[編集]
- 取材範囲による分類
- 販売地域による分類
販売箇所[編集]
新聞販売店の他に鉄道駅やバス停留所、空港、港の売店、コンビニエンスストアで販売。なお、地方紙や夕刊は販売地域が限定される。
個人や法人と契約した宅配も実施されているが、販売地域外への託送や一部過疎地への託送には郵便が利用される。
新聞輸送[編集]
黎明期は地産地消で、せいぜい馬車で輸送されていたが、鉄道の発達によって荷物列車での輸送が行われるようになり、昭和61年11月1日日本国有鉄道ダイヤ改正前まで続いた。新聞を載せたトラックが夜行列車の始発駅に到着して荷物車 (鉄道車両)に載せ替えて未明の地方駅に降ろしていく。さらにそこから国鉄バスの始発便に載せられて各自動車駅に降ろされていった。このようにして日本各地に大都市発の情報が伝わっていった。また、この体制のために前日の野球のナイトゲームの結果が載っていないのが通常だった[注 1]。1986年11月以降はトラックによる輸送が大勢となった。
海上輸送については未だに船が使われている。このため、始発便が到着しないと新聞が販売、配達されず、長崎県や鹿児島県では現在でもラテ欄に発行日および翌日分の番組が掲載されている。
昨今は、本社で書かれた記事をファクシミリなど通信機器や通信回線を用いて支社や印刷所に電送されて印刷されるようになり、インターネットによる電子版の発行に繋がっているが、少数部数配達となる離島輸送には用いられない。
全国紙は、地方紙の印刷センターに委託印刷を行って物流コストの削減を図っている。