坪内祐三
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坪内 祐三(つぼうち ゆうぞう、昭和33年(1958年)5月8日 - 令和2年(2020年)1月13日)は、日本の評論家、エッセイスト。妻は佐久間文子。
略歴[編集]
東京都出身。月刊誌である「東京人」の編集者を経て評論家となる。「文庫本を狙え!」「新書百冊」などの読書案内のほか、靖国神社を文化史的にとらえた「靖国」、エッセー集「酒中日記」など多くの著作がある。夏目漱石や正岡子規の青春を追った「慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り」では講談社エッセイ賞を受賞する。文芸の枠を超えて政治から相撲まで多彩な評論活動を週刊誌などで展開し、死去する少し前まで「文芸春秋」や「サンデー毎日」で連載を続けていた。
令和2年(2020年)1月13日午前1時56分、急性心不全のため、東京都品川区の病院で死去した。61歳没。
著作[編集]
- 『ストリートワイズ』 晶文社、1997、講談社文庫、2009
- 『シブい本』 文藝春秋、1997
- 『靖国』 新潮社、1999、新潮文庫、2001
- 『古くさいぞ私は』 晶文社、2000
- 『文庫本を狙え!』 晶文社、2000、ちくま文庫(増補版)、2016
- 『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り』マガジンハウス、2001、新潮文庫、2011
- 『文学を探せ』 文藝春秋、2001
- 『三茶日記』 本の雑誌社、2001
- 『後ろ向きで前へ進む』 晶文社、2002
- 『雑読系』 晶文社、2003
- 『一九七二』 文藝春秋、2003、文春文庫、2006。副題は「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」
- 『新書百冊』 新潮新書、2003
- 『まぼろしの大阪』 ぴあ、2004
- 『文庫本福袋』 文藝春秋、2004、文春文庫、2007
- 『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』 新潮社、2005、新潮文庫、2008
- 『「別れる理由」が気になって』 講談社、2005
- 『古本的』 毎日新聞社、2005
- 『極私的東京名所案内』 彷徨舎、2005、ワニブックス【PLUS】新書(増補版)、2010
- 『同時代も歴史である 一九七九年問題』 文春新書、2006
- 『考える人』 新潮社、2006、新潮文庫、2009
- 『「近代日本文学」の誕生-百年前の文壇を読む』 PHP新書、2006
- 『酒日誌』 マガジンハウス、2006
- 『本日記』 本の雑誌社、2006
- 『変死するアメリカ作家たち』 白水社、2007
- 『四百字十一枚』 みすず書房、2007
- 『大阪おもい』 ぴあ、2007
- 『アメリカ-村上春樹と江藤淳の帰還』 扶桑社、2007
- 『人声天語』 文春新書、2009
- 『文庫本玉手箱』 文藝春秋、2009
- 『風景十二』 扶桑社、2009
- 『酒中日記』 講談社、2010
- 『書中日記』 本の雑誌社、2011
- 『探訪記者 松崎天民』 筑摩書房、2011
- 『父系図 近代日本の異色の父子像』 廣済堂出版、2012
- 『文藝綺譚』 扶桑社、2012
- 『東京タワーならこう言うぜ』 幻戯書房、2012
- 『大相撲新世紀 2005-2011』 PHP新書、2012
- 『総理大臣になりたい』 講談社、2013
- 『昭和の子供だ君たちも』 新潮社、2014
- 『続・酒中日記』 講談社、2014
- 『人声天語 2 オンリー・イエスタデイ 2009-2015』 文春新書、2015
- 『昭和にサヨウナラ』 扶桑社、2016
- 『文庫本宝船』 本の雑誌社、2016
- 『右であれ左であれ、思想はネットでは伝わらない』 幻戯書房、2017
- 『昼夜日記』 本の雑誌社、2018
- 『新・旧銀座八丁東と西』 講談社、2018.10
- 『テレビもあるでよ』 河出書房新社、2018.11
共著[編集]
- 『暴論・これでいいのだ!』(福田和也対談)扶桑社、2004
- 『正義はどこにも売ってない 〜世相放談70選〜』(福田和也対談)扶桑社、2008
- 『東京』 太田出版、2008。(写真・北島敬三)
- 『無礼講 酒気帯び時評55選』(福田和也対談)扶桑社、2009
- 『倶楽部亀坪』(亀和田武対談)扶桑社、2009
- 『革命的飲酒主義宣言 ノンストップ時評50選!』(福田和也対談)扶桑社、2010
- 『不謹慎 酒気帯び時評50選』(福田和也対談)扶桑社、2012
- 『羊頭狗肉 酒気帯び時評65選』(福田和也対談)扶桑社、2014
- 『編集ばか』(名田屋昭二・内藤誠) 彩流社〈フィギュール彩〉、2015。聞き手・司会
編集[編集]
- 内田魯庵 『魯庵の明治』(山口昌男共編、講談社文芸文庫 1997.5)
- 『魯庵日記』(山口昌男共編、講談社文芸文庫 1998.7) - 明治27~44年の日記を抜粋。
- 『禁酒宣言 上林暁・酒場小説集』(ちくま文庫 1999.9)
- 『明治文学遊学案内』(筑摩書房 2000.8)
- 『文藝春秋 八十年傑作選』(文藝春秋 2003.3)
- 『饗庭篁村 明治の文学 第13巻』(筑摩書房 2003.4)
- 『日本近代文学評論選 明治・大正篇』(千葉俊二共編 岩波文庫 2003.12)
- 『日本近代文学評論選 昭和篇』(千葉俊二共編 岩波文庫 2004.3)
- 『戸川秋骨 人物肖像集』(みすず書房〈大人の本棚〉 2004.3)
- 『福田恆存文芸論集』(講談社文芸文庫 2004.5)
- 『明治二十九年の大津波 復刻『文藝倶樂部』臨時増刊 「海嘯義捐小説」号』(毎日新聞出版 2011.10)
- 正宗白鳥 『白鳥随筆』(講談社文芸文庫 2015.5)
- 正宗白鳥 『白鳥評論』(講談社文芸文庫 2015.8)
- 十返肇 『「文壇」の崩壊』(講談社文芸文庫 2016.4)
- 野坂昭如 『俺の遺言 幻の「週刊文春」世紀末コラム』(文春文庫 2016.12)
解説[編集]
- 白石公子『ブルー・ブルー・ブルー』(新潮文庫、1995・05)
- 川本三郎『大正幻影』(ちくま文庫、1997・05)
- 小林信彦『回想の江戸川乱歩』(文春文庫、1997・05/光文社文庫、2004・08)
- 田中康夫『ペログリ日記'94〜'95 震災ボランティア篇』(幻冬舎文庫、1997・06)
- 石井研堂『明治事物起原 3』(ちくま学芸文庫、1997・07)
- 松本健一『われに万古の心あり 幕末藩士 小林虎三郎』(ちくま学芸文庫、1997・07)
- 田中康夫『オン・ハッピネス』(新潮文庫、1997・08)
- 飯塚くに『父 逍遥の背中』(中公文庫、1997・11)
- 『最終講義』(実業之日本社、1997・12)
- 薄田泣菫『茶話』(岩波文庫、1998・07) 、自選版
- 小林信彦『ムーン・リヴァーの向こう側』(新潮文庫、1998・08)
- 田山花袋『東京の三十年』(講談社文芸文庫、1998・09)
- 『大東京繁昌記 山手篇』(平凡社ライブラリー、1999・04)
- 嵐山光三郎『文人悪食』(新潮文庫、2000・08)
- 唐沢俊一『古本マニア 雑学ノート』(幻冬舎文庫、2000・08)
- 白石公子『白石公子詩集』(現代詩文庫、2000・11)
- 小林信彦『結婚恐怖』(新潮文庫、2000・12)
- 高島俊男『「週刊文春」の怪 お言葉ですが… 2』(文春文庫、2001・01)
- 柳田泉『明治文学研究夜話』(《リキエスタ》の会、2001・04)
- 伊藤正雄『新版 忘れ得ぬ国文学者たち 并、憶い出の明治大正』(右文書院、2001・06)
- 内田魯庵『気まぐれ日記』(《リキエスタ》の会、2001・07)
- 木山捷平『鳴るは風鈴 木山捷平ユーモア小説選』(講談社文芸文庫、2001・08)
- 小沢昭一『ぼくの浅草案内』(ちくま文庫、2001・10)
- 松崎天民『東京カフェー探訪』(《リキエスタ》の会、2001・12)
- 水島爾保布『新東京繁昌記(抄)』(《リキエスタ》の会、2001・12)
- 保田與重郎『祖國正論Ⅰ』(保田與重郎文庫、2002・10)
- 大西巨人『神聖喜劇 第五巻』(光文社文庫、2002・11)
- 野口冨士男『わが荷風』(講談社文芸文庫、2002・12)
- 目黒考二『酒と家庭は読書の敵だ。』(角川文庫、2003・01)
- 浅草キッド『お笑い 男の星座 芸能私闘編』(文春文庫、2003・03)
- 柳美里『言葉は静かに踊る』(新潮文庫、2003・12)
- 小沢昭一『なぜか今宵もああ更けてゆく』(晶文社, 2004・4)
- 内田百閒『百鬼園日記帖 内田百閒集成 20』(ちくま文庫、2004・05)
- 徳永康元『ブダペスト日記』(新宿書房、2004・07)
- ナンシー関『天地無用 テレビ消灯時間 6』(文春文庫、2004・09)
- 矢野誠一『文人たちの寄席』(文春文庫、2004・10)
- 村嶋歸之『盛り場と不良少年少女 大正・昭和の風俗批評と社会探訪 村嶋歸之著作選集 第2巻』(柏書房、2004・10)
- 神谷美恵子『生きがいについて 神谷美恵子コレクション』(みすず書房、2004・10)
- 小林信彦『袋小路の休日』(講談社文芸文庫、2004・11)
- 車谷長吉『銭金について』(朝日文庫、2005・03)
- 尾辻克彦『肌ざわり』(河出文庫、2005・05)
- 山口昌男『「敗者」の精神史(下)』(岩波現代文庫、2005・07)
- 小林信彦『丘の一族──小林信彦自選作品集』(講談社文芸文庫、2005・11)
- 小島信夫、森敦『対談 文学と人生』(講談社文芸文庫、2006・02)
- 久世光彦『百閒先生 月を踏む』(朝日新聞社、2006・04)
- 石丸元章『FICTION! フィクション!』(文春文庫、2006・05)
- 『同級生交歓』(文春新書、2006・07)
- 沼波瓊音『意匠ひろひ』(国書刊行会、2006・09)
- 小林信彦『決壊』(講談社文芸文庫、2006・10)
- 一志治夫『魂の森を行け 3000万本の木を植えた男』(新潮文庫、2006・10)
- 井伏鱒二・舟橋聖一・井上靖・水上勉『私の履歴書 中間小説の黄金時代』(日経ビジネス人文庫、2006・11)
- 田口久美子『書店風雲録』(ちくま文庫、2007・01)
- 安岡章太郎・阿川弘之・庄野潤三・遠藤周作『私の履歴書 第三の新人』(日経ビジネス人文庫、2007・01)
- 常盤新平『山の上ホテル物語』(白水Uブックス、2007・02)
- 佐伯一麦『鉄塔家族(下)』(朝日文庫、2007・07)
- 矢作俊彦『マンハッタン・オプ Ⅰ』(ソフトバンク文庫、2007・10)
- 福田恆存『人間・この劇的なるもの』(新潮文庫、2008・01)
- 菊地成孔『サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍』(白夜ライブラリー、2008・07)
- 小林信彦『東京少年』(新潮文庫、2008・08)
- 大阪オールスターズ『大阪呑気大事典 増補新版』(宝島社文庫、2008・09)
- 西村賢太『どうで死ぬ身の一踊り』(講談社文庫、2009・01/新潮文庫、2012・10)
- 村松友視『幸田文のマッチ箱』(河出文庫、2009・03)
- 柳田泉『柳田泉の文学遺産(3) 明治文学研究の草創者』(右文書院、2009・04)
- 宮本徳蔵『力士漂泊 相撲のアルケオロジー』(講談社文芸文庫、2009・07)
- 中島らも『君はフィクション』(集英社文庫、2009・07)
- 内田魯庵『貘の舌』(ウェッジ文庫、2009・08)
- 小林信彦『うらなり』(文春文庫、2009・11)
- 大村彦次郎『文壇栄華物語』(ちくま文庫、2009・12)
- 中山康樹『愛と勇気のロック50』(小学館文庫、2009・12)、著者との対談
- 小林信彦『日本橋バビロン』(文春文庫、2011・09)
- 高見順『如何なる星の下に』(講談社文芸文庫、2011・10)
- 坪内祐三監修『銀座通 道頓堀通』(廣済堂文庫、2011・11)
- 坪内祐三監修『蕎麦通 天麩羅通』(廣済堂文庫、2011・11)
- ハンス・ウルリッヒ・オブリスト『アイ・ウェイウェイは語る』(尾方邦雄訳、みすず書房、2011.11)。人物論を担当
- 庄司薫『ぼくの大好きな青髭』(新潮文庫、2012・06)
- 鶴見俊輔『思想をつむぐ人たち 鶴見俊輔コレクション①』(河出文庫、2012・09)
- 北杜夫『私はなぜにしてカンヅメに大失敗したか』(実業之日本社文庫、2012・10)
- 吉行淳之介編『続・酔っぱらい読本』(講談社文芸文庫、2013・01)
- 文藝春秋編『天才・菊池寛 逸話でつづる作家の素顔』(文春学藝ライブラリー、2013・10)
- 田辺茂一『わが町 新宿』(紀伊國屋書店、2014・11)
- 松原岩五郎『最暗黒の東京』(講談社学術文庫、2015・02)
- 小林信彦『流される』(文春文庫、2015・08)
- 吉田篤弘『木挽町月光夜咄』(ちくま文庫、2015・08)
- 椎名誠『うれしくて今夜は眠れない』(集英社文庫、2015・08)
- 野呂邦暢『水瓶座の少女』(文遊社、2016・05)
- 後藤明生『壁の中』(つかだま書房、2017・12)
連載[編集]
(2013年現在)
- 「文庫本を探せ!」『週刊文春』
- 「坪内祐三の美術批評 眼は行動する」『週刊ポスト』
- 「人声天語」『文藝春秋』
- 「坪内祐三の読書日記」『本の雑誌』
- 「これでいいのだ!」『週刊SPA!』
- 「あまカラ12ヶ月」『あまから手帖』
- 「酒中日記」『小説現代』
- 「リレー読書日記」『週刊現代』