西村賢太

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西村 賢太(にしむら けんた、1967年昭和42年〉7月12日[1] - 2022年令和4年〉2月5日[2])は、日本小説家[2]

プロフィール[編集]

略歴[編集]

中学卒業後はアルバイトで生計を立てながら小説を執筆し、同人誌に発表した作品が平成16年(2004年)に文芸誌「文学界」に転載され、3年後に「暗渠の宿」で野間文芸新人賞を受賞。さらに平成23年(2011年)に「苦役列車」で芥川賞を受賞し、その際の記者会見で型破りな発言が注目された上に同作はベストセラーとなり映画化された。ほかにも多くの著作を出し、人気を集めたが、一方で大正時代に活動した作家・藤沢清造に心酔して石川県七尾市にある西光寺で藤沢の墓の隣に西村の生前の墓を建て、命日に親族らと法要を営んだりした[3]

令和4年(2022年)2月4日、東京の赤羽からタクシーを乗車中に意識を失って緊急搬送された。この時点で既に心臓が停止しており、医師が蘇生を試みたが動くことはなく、翌5日午前6時32分に東京都北区の病院で死去した。54歳没。藤沢の墓の隣に生前建てた自らの墓(前述)に納骨埋葬された[3]

作品一覧[編集]

小説[編集]

単行本[編集]

  • 『どうで死ぬ身の一踊り』(2006年2月 講談社2009年 講談社文庫 ISBN 9784062762533 2012年 新潮文庫 ISBN 9784101312859)
    • 墓前生活(処女作・同人誌『煉瓦』28号)
    • どうで死ぬ身の一踊り(『群像2005年9月号)
    • 一夜(『群像』2005年5月号)
  • 『暗渠の宿』(2006年12月 新潮社2010年 新潮文庫 ISBN 9784101312811)
  • 『二度はゆけぬ町の地図』(2007年10月 角川書店、2010年 角川文庫 ISBN 9784043943869)
    • 貧窶の沼(『野性時代』2007年7月号)
    • 春は青いバスに乗って(『煉瓦』29号、2004年1月)
    • 潰走(『野性時代』2006年2月号)
    • 腋臭風呂(『野性時代』2006年12月号)
  • 『小銭をかぞえる』(2008年9月 文藝春秋 2011年 文春文庫 ISBN 9784167815011)
    • 小銭をかぞえる(『文學界』2007年11月号)
    • 焼却炉行き赤ん坊(『文學界』2008年6月号)
  • 『瘡瘢旅行』(2009年8月 講談社 2011年「廃疾かかえて」新潮文庫 ISBN 9784101312828)
    • 廃疾かかえて(『群像』2008年11月号)
    • 瘡瘢旅行(『群像』2009年4月号)
    • 膿汁の流れ(『群像』2009年6月号)
  • 『人もいない春』(2010年6月 角川書店 ISBN 9784048740623 2012年角川文庫 ISBN 978404100126-4)
    • 人もいない春(『野性時代』2008年7月号)
    • 二十三夜(『野性時代』2007年10月号)
    • 悪夢 ― 或いは「閉鎖されたレストランの話」(『野性時代』2006年6月号)
    • 乞食の糧途(『野性時代』2008年12月号)
    • 赤い脳漿(『野性時代』2010年2月号)
    • 昼寝る(『野性時代』2010年4月号)
  • 苦役列車』(2011年1月 新潮社 ISBN 9784103032328 2012年新潮文庫 ISBN 9784101312842)
    • 苦役列車(『新潮』2010年12月号)
    • 落ちぶれて袖に涙のふりかかる(『新潮』2010年11月号)
  • 『寒灯』(2011年6月 新潮社 ISBN 9784103032335 2013年 新潮文庫『寒灯・腐泥の果実』ISBN 9784101312866)
    • 陰雲晴れぬ(『新潮』2010年8月)
    • 腐泥の果実(『新潮』2011年2月)
    • 寒灯(『新潮』2011年5月 )
    • 肩先に花の香りを残す人(『東と西 2』(2010年7月 小学館))
  • 『棺に跨がる』(2013年4月 文藝春秋 ISBN 9784163820705 2016年4月 文春文庫 ISBN 978-4167905941)
    • 棺に跨がる(『文學界』2012年5月)
    • 脳中の冥路(『文學界』2012年7月)
    • 豚の鮮血(『文學界』2012年11月)
    • 破鏡前夜(『文學界』2013年2月号)
  • 『歪んだ忌日』(2013年6月 新潮社 ISBN 9784103032359 2015年12月 新潮文庫『形影相弔・歪んだ忌日』ISBN 978-4101312873)
    • 形影相弔(『en-taxi』vol.37 WINTER 2012)
    • 青痣(『新潮』2012年1月号)
    • 膣の復讐(『週刊ポスト』2011年12月2日号)
    • 感傷凌轢(『新潮』2013年1月号)
    • 跼蹐の門(『文學界』2013年5月号)
    • 歪んだ忌日(『新潮』2013年5月号)
  • 『疒(やまいだれ)の歌』(2014年7月 新潮社 ISBN 9784103032366)
    • (『新潮』2013年10月号、12月号、2014年1月号、3~5号)
  • 『無銭横町』(2015年2月 文藝春秋 ISBN 9784163942070 2017年12月 文春文庫 ISBN 978-4167909772)
    • 菰を被りて夏を待つ(『文學界』2014年8月号)
    • 邪煙の充ちゆく(『文學界』2014年3月号)
    • 朧夜(『en-taxi』vol.38 SPRING 2013)
    • 酒と酒の合間に(『en-taxi』vol.40 Winter 2013)
    • 貫多、激怒す――または『或る中年男の独言』(『すばる』2014年1月号)
    • 無銭横町(『文學界』2015年1月号)
  • 『痴者の食卓』(2015年7月 新潮社 ISBN 978-4103032373 2018年1月 講談社文庫『夢魔去りぬ』 ISBN 978-4062938150)
    • 人工降雨(『新潮』2014年6月号)
    • 下水に流した感傷(『小説新潮』2014年9月号)
    • 夢魔去りぬ(『新潮』2014年11月号)
    • 痴者の食卓(『小説現代』2015年1月号)
    • 畜生の反省(『野性時代』2015年1月号)
    • 微笑崩壊(『小説新潮』2015年3月号)
  • 『蠕動で渉れ、汚泥の川を』(2016年7月 集英社 ISBN 978-4087716665)
    • (『すばる』2014年9~12月号、2015年1~4、7、8月号、2016年1~5月号)
  • 『芝公園六角堂跡』(2017年2月 文藝春秋 ISBN 978-4163905259 2020年12月 文春文庫 ISBN 978-4167916121)
    • 芝公園六角堂跡(『文學界』2015年7月号)
    • 終われなかった夜の彼方で(『文學界』2016年新年号)
    • 深更の巡礼(『小説現代』2016年2月号)
    • 十二月に泣く(『すばる』2016年6月号)
  • 『夜更けの川に落葉は流れて』(2018年1月 講談社 ISBN 978-4062208932)
    • 寿司乞食(『小説新潮』2016年1月号)
    • 夜更けの川に落葉は流れて(『群像』2017年10月号)
    • 青痰麺(『群像』2017年8月号)
  • 『羅針盤は壊れても』(2018年12月 講談社 ISBN 978-4065138045)
    • 羅針盤は壊れても(『群像』2018年9月号)
    • 陋劣夜曲(『群像』2018年1月号)
    • 廃疾かかえて(『群像』2008年11月号 再録)
    • 瘡瘢旅行(『群像』2009年4月号 再録)
    • 「一隅の夜」 特別折込み付録
  • 『瓦礫の死角』(2019年12月 講談社 ISBN 978-4-06-517893-5)
    • 瓦礫の死角(『群像』2019年7月号)
    • 病院裏に埋める(『群像』2019年7月号)
    • 四冊目の『根津権現裏』(『群像』2019年2月号)
    • 崩折れるにはまだ早い(『群像』2018年7月号)(「乃東枯」改題)

単行本未収録作品[編集]

  • 「室戸岬へ」(田中英光私研究第7輯、1995年)
  • 「野狐忌」(田中英光私研究第8輯、1996年)
  • 「一隅の夜」二之江第二小学校六年一組創作集(NHK「ようこそ先輩」で作成した非売品文庫、2011年8月)
  • 「或る不遜」(文學界2016年11月号)
  • 「あるいは、居室」(文學界2017年9月)
  • 「手蹟」(文學界2018年1月号)

随筆[編集]

  • 『随筆集 一私小説書きの弁』(講談社、2010年1月、2011年 新潮文庫)
  • 『随筆集 一日』(文藝春秋、2012年5月、『小説にすがりつきたい夜もある』文春文庫2015年6月)
  • 『一私小説書きの日乗』(文藝春秋、2013年2月、2014年 角川文庫)
  • 『一私小説書きの日乗 憤怒の章』(角川書店、2013年12月)
  • 『随筆集 一私小説書きの独語』(角川書店、2014年7月、角川文庫 2016年11月)
  • 『下手に居丈高』(徳間書店、2014年9月、徳間文庫、2017年4月)
  • 『一私小説書きの日乗 野性の章』(角川書店、2014年11月)
  • 『東京者がたり』(講談社、2015年10月)
  • 『一私小説書きの日乗 遥道の章』(角川書店、2016年1月)
  • 『一私小説書きの日乗 不屈の章』(角川書店、2017年5月)
  • 『一私小説書きの日乗 堅忍の章』(本の雑誌社、2021年3月)

対談集[編集]

  • 『西村賢太対話集』(新潮社、2012年4月)
  • 『薄明鬼語 西村賢太対談集』(扶桑社2014年6月)
  • 『風来鬼語 西村賢太対談集3』(扶桑社、2015年12月)

参加アンソロジー[編集]

  • 極上掌篇小説「悪夢或いは閉鎖されたレストランの話」収録(2006年10月 角川書店 ISBN 9784048737326、文庫化につき『ひと粒の宇宙』に改題・2009年11月 角川文庫 ISBN 9784043854042)
  • 東と西2「肩先に花の香りを残す人」収録(2010年7月 小学館 ISBN 9784093862769)

選集再録作品[編集]

  • 文学2006「一夜」収録(2006年4月 講談社 ISBN 4062134071)
  • 文学2009「廃墟かかえて」収録(2009年4月 講談社 ISBN 9784062154284)
  • ベスト・エッセイ2012「醜文の弊害」収録(2012年6月 光村図書出版)
  • ベスト・エッセイ2013「韓国みやげ」収録(2013年6月 光村図書出版)
  • コレクション私小説の冒険 第一巻 貧者の誇り「一夜」収録(2013年10月 勉誠出版 ISBN 9784585295600)
  • けがれなき酒のへど 西村賢太自選短篇集(2013年9月 幻冬舎 文庫オリジナル編集 ISBN 9784344420816)
    • けがれなき酒のへど(『暗渠の宿』)
    • 墓前生活(『どうで死ぬ身のひと踊り』)
    • 焼却炉行き赤ん坊(『小銭をかぞえる』)
    • 腋臭風呂(『二度はゆけぬ町の地図』)
    • 落ちぶれて袖に涙のふりかかる(『苦役列車』)
    • 貧窶の沼(『二度はゆけぬ町の地図』)

海外で翻訳された作品[編集]

  • 苦役列車(韓国語訳)(2011年10月 dasan books)
  • 苦役列車(台湾語訳)(2012年12月 新雨出版社)

解説[編集]

談話収録[編集]

  • 友川カズキ歌詞集1974-2010 ユメは日々元気に死んでゆく(ミリオン出版、2010年12月)
  • 3・11後 ニッポンの論点(朝日新聞出版社、2011年9月)

メディア出演[編集]

テレビ[編集]

ラジオ[編集]

論文[編集]

映画化作品[編集]

  • 苦役列車(東映配給、2012年7月公開)

脚注[編集]

  1. a b c 西村賢太”. ワタナベエンターテインメント. ワタナベエンターテインメント. 2022年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月16日確認。
  2. a b c “西村賢太 急逝のお知らせ” (プレスリリース), ワタナベエンターテインメント, (2022年2月5日, https://www.watanabepro.co.jp/information/pressrelease_220205.html 2022年7月16日閲覧。 (リンク切れ)
  3. a b “西村賢太さん、師の隣に眠る 七尾・西光寺で納骨法要”. 北國新聞デジタル (北國新聞社). (2022年3月30日. https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/699792 2022年7月16日閲覧。 

外部リンク[編集]