名鉄3500系電車 (2代)

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名鉄3500系電車
名鉄3500系-1.JPG
名古屋本線内の駅に停車中の3500系
所属事業者名古屋鉄道
主な走行路線名古屋本線、常滑線
両数136両
電源方式直流
塗装名鉄スカーレット

名鉄3500系電車(めいてつ3500けいでんしゃ)とは、1993年に登場した名古屋鉄道の通勤型電車

概要[編集]

現有車両としては最多の136両を誇り、過去と比べても6000系に次ぐ2位となる。

従来投入されてきた6500系の後継車種として、VVVFインバータ制御、電気指令式ブレーキ(ECB)を始めとする新機軸を導入した。なお、VVVFインバータ制御電車の1993年の初投入は、関西・関東の大手民鉄と比べて7〜8年遅れで、JRの走ルンですとほぼ同時期である。

鋼製の車体は6500系の金魚鉢編成(6518F - )をベースとするが、先頭車前面には電気指令式ブレーキを意味するECBのプレートが取り付けられ、また排障器を設置。1954年以降製造分から行われていなかった、正面上部への車両番号表記が復活した。座席はオールロングシートである。

編成[編集]

1次車[編集]

該当編成:3501F - 3504F


1991年より犬山線などに暫定的に投入されていた200系が本来の使用目的である名古屋市営地下鉄鶴舞線への直通運用に充当されることになったため、その代替用として1993年6月から7月にかけて4編成16両が製造された。当初はまだ併結できる2両編成(3100系)が製造されておらず本系列自体も車両数が少なく柔軟な運用が組みにくかったため、急行にはあまり運用されず普通列車を中心に運用されていた。

このグループのみ6000系などと同じ従来型の列車無線アンテナを装備する。なお、本系列の全体定員は座席を切り詰めたことにより100系よりも着席定員が僅かに多くなっている。

2次車[編集]

該当編成:3505F - 3511F


1994年3月から4月にかけて7編成28両が製造された。基本的な仕様は1次車に準拠。列車無線アンテナの形状が変更された。

3509Fの岐阜方先頭車の3609号車に1995年9月より試験的に折り畳み式補助座席を設置。翌年の増備車で本格採用されたほか後に3509F全車と3508Fに行われた。

3次車[編集]

該当編成:3512F–3521F


1995年4・6月に10編成40両が製造。この増備車から制御器や主電動機の製造会社が従来の東洋電機製造製に加えて東芝製と三菱電機製を採用した車両が登場。1995年以降からの東洋電機製造のVVVFインバータ装置などの電装品には、会社名を表すTDKロゴから、プレート式のものに変更された。

この増備で、広見線新可児 - 御嵩間や尾西線新一宮 - 森上間などの支線にも入線するようになった。ちなみに1995年の名鉄での新製車両は本系列のみでクロスシート車の新製が皆無であった。この3次車導入により、6000系16両が瀬戸線に転属、3780系の一部が廃車された。


4次車[編集]

該当編成;3522F–3526F


1996年2月に6編成24両が製造された。ク3609でテストされていた折り畳み式補助椅子が本格採用され、各車両に8名分ずつ設置された。またドアチャイムが設置され、以後の新造車で標準装備となったほか、6000系などの一部の車両にも改造で取り付けられた。さらには冷房を低騒音型のものに、冷房装置などサービス機器に電力を供給するSIVをGTOサイリスタ方式からIGBT素子方式のものに変更した。

室内では天井中央部の高さが僅か1cmであるが高くなった。なお、全編成とも制御装置、主電動機ともに東洋電機製である。

5次車[編集]

該当編成:3527F–3534F


1996年4月に8編成32両が製造された。基本的な仕様は4次車に準拠。

上記4次車とこの5次車の増備により、6000系の5–8次車の中間車のみ12両を瀬戸線に転用させることで、HL車全廃・モ800形(初代)営業運転終了・7300系の一部廃車といった動きがあり、名鉄の600V線直通列車を除いた1500V線区での冷房化率は100%となった。さらに、6000系列については豊橋までの定期運用が消滅した

この増備をもって本系列の製造は終了し、1997年からの新製は3700系となった。また、7000系から連綿と引き継がれてきた卵形小断面車体の製造も特急車を除いて最後となった。

機器更新・リニューアル[編集]

製造から25年を超え、走行機器の劣化も進んだことから、2017年度より機器更新工事およびリニューアルが実施されることになった。同時に行先表示器のフルカラーLED化や車内案内表示器のLCD化についても行われている。

2019年度の3513F以降では車内アコモデーションを3300系並みに引き上げる工事も行われたが、これに伴い中間車の座席数も減少している。ドアチャイムについては従来型の搭載車を含めJR東海313系電車と同様のものが新規設置された。

運用[編集]

3700系、3300系、9500系とは共通運用で、単独運用の他、これらの2重連や3100系、3150系、9100系などの2連群を併結した4~8連での運用に就く。名鉄内の最大両数が8両であることから6両編成の2200系との併結は行わない。

2000系とは回送列車などでの併結実績が存在するが、定期営業運用においては行われない。

関連項目[編集]

営業車
特急車
3R車 2000系 - 2200系・2300系
SR車 1000系・1200系 - 1800系
本線通勤車
3R車 3500系 - 3700系 - 3100系 - 3300系・3150系 - 9500系・9100系
6R車 6000系 - 6500系 - 6800系
SR車 5000系
地下鉄直通車 100系・200系 - 300系
瀬戸線車 4000系
事業用車
機関車 EL120形
貨車 チキ10形 - ホキ80形