フランス語
フランス語(フランスご)とは、インド・ヨーロッパ語族のイタリック語派に属する言語の一つであり、フランスや、フランスのかつての植民地の一部、主にアフリカ大陸西部で話されている言語である。
概要[編集]
仏語(ふつご)と略される場合もあるが、この語は仏教用語の意味にも使われる場合がある。その他、フラ語(フラご)などと略されることもあるが、これと同名の言語がアフリカに存在するので紛らわしい。フランス語はイタリア語、スペイン語などと共にラテン語から分かれた言語の一つであるが、現在ではフランス語と意思疎通が可能な言語はなくなっている。文字はラテン文字を使用し、他のほとんどのインド・ヨーロッパ語族の言語と同様、屈折語である。
なお、Ethnologueでは、以下の言語がそれぞれ別言語であるとしている。
- フランス語(パリ方言)
- ケイジャン語(アメリカ方言)
- ガーンジー語(ガーンジー島方言)
- ピカルディ語(ピカルディ方言)
- ワロン語(ベルギー方言)
- アルピタン語(リヨン・スイス方言)
- オクシタン語(南部方言) - スペイン語に近い
- シュアディート語(ユダヤ方言) - スペイン語に近い
- コルシカ語(コルシカ方言) - 独特。イタリア語のサルデーニャ方言に近い
フランス語が国語・共通語・公用語の地位にある国・地域[編集]
ヨーロッパ[編集]
- フランス(公用語)
- ベルギー(公用語)
- スイス(公用語)
- モナコ(公用語)
- ルクセンブルク(公用語公用語)
- ヴァッレ・ダオスタ州(イタリア北西部の特別自治州。公用語)
- ガーンジー(イギリス王室領。公用語)
- ジャージー(イギリス王室領。公用語)
アフリカ[編集]
- ガボン(公用語)
- カメルーン(公用語)
- ギニア(公用語)
- コートジボワール(公用語)
- コモロ(公用語)
- コンゴ共和国(公用語)
- コンゴ民主共和国(公用語)
- ジブチ(公用語)
- セーシェル(公用語)
- セネガル(公用語)
- チャド(公用語)
- トーゴ(公用語)
- ニジェール(公用語)
- ブルキナファソ(公用語)
- ブルンジ(公用語)
- ベナン(公用語)
- マダガスカル(公用語)
- マリ(公用語)
- モーリシャス(公用語)
- ルワンダ(公用語)
- 中央アフリカ(公用語)
- 赤道ギニア(第二公用語)
- マヨット(公用語、フランス海外県)
- レユニオン(公用語、フランス海外県)
- モーリタニア(準公用語)
- アルジェリア(準公用語)
- チュニジア(準公用語)
- モロッコ(準公用語)
アメリカ[編集]
- カナダ(公用語。ケベック州、ニューブランズウィック州、ユーコン準州、ノースウェスト準州が公用語)
- ルイジアナ州(アメリカ合衆国の州。事実上の公用語)
- サンピエール島・ミクロン島(公用語、フランス自治領)
- ハイチ(公用語)
- グアドループ(公用語、フランス自治領)
- サン・マルタン(フランス自治領)
- サン・バルテルミー(フランス自治領)
- マルティニーク(フランス自治領)
- フランス領ギアナ(フランス海外県)
アジア・オセアニア[編集]
国際関係[編集]
かつては外交関係での公用語であったが、英語にとって代わられた。しかし現在でも国際連合での公用語であり、国際オリンピック委員会での公用語でもある。
日本でもかつて陸軍幼年学校、陸軍士官学校では必須科目であり、戦前の旧制高等学校でも主履修の丙類として置かれた学校があった他、外国語の科目として扱われた。
新制中学校ではかつては「外国語」の選択科目とされ、履修される余地はあったが、採用する学校がなかったのか、「英語」必修に変更された。高等学校でも外国語の科目として扱われ、大学入学共通テストや一部大学の入学試験でも選択可能だが、授業開講している高等学校は少ない。大学では、仏語・仏文科は必修、他学科でも第2外国語の選択科目として現在に至る。
文字[編集]
ラテン文字のうち、Kを除いた24文字を使う。K,Wは原則として用いられない。あとは記号つきの文字が15文字 (É,À,È,Ù,Â,Ê,Î,Ô,Û,Ä,Ë,Ï,Ö,Ü,Ç)、合字が1文字(Œ)あり、合計40文字である。 綴りと発音の関係は複雑であるが、英語よりはやや単純である。
他の言語との関係[編集]
スイスのロマンシュ語、イタリア語フリウリ方言が特に近い関係にあり、次いでイタリア語の北部方言(ミラノ、ベネチアなど)が近い。
イタリア語の標準語、スペイン語とも同じルーツで、基本単語や基本文法に共通点が多い。
中世にフランス人がイギリスを支配していた時に大量のフランス語が英語に組込まれたため、英語とも共通する単語が多い(ただし綴りや発音が微妙に違うケースもある)。例えば英語の「〜tion」はフランス語由来で、フランス語でも同じ綴りである。
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