チャド
チャド共和国(チャドきょうわこく、仏: Tchad、英: Chad)とは、サハラ砂漠東端に位置する内陸国である。アフリカ中北部に位置する。首都はヌジャメナ。政体は共和制。国土面積は128.4万平方キロ(日本の約3.4倍ほど)。人口は2011年の時点で1075万9000人。人口密度は8.4人/㎢。チャドとは同国南西部に広がる内陸湖のチャド湖の名に由来する。語義に関してはボルヌアン語で「湖」を意味する。
チャドの国旗は、ルーマニアの国旗と酷似していて、チャドの方が青の部分が濃い。ルーマニアの方が、青の部分がチャドより明るい。
概要[編集]
歴史[編集]
古くからボルヌー、ワダイなどのアフリカ人による都市国家が存在していた。1900年、フランスの植民地となる。1910年にフランス領赤道アフリカの一部に編入される。1920年にはチャド植民地行政区を確立した。1958年、フランス共同体内における自治国に昇格し、1960年8月11日に独立した。同年9月20日には国連に加盟する。
ところが独立後に、同国北部のイスラム教徒がリビアに後押しされる形で南部のスーダン系住民と対立してチャド内戦に突入してしまう。1980年になると、ウラン鉱資源の豊富なアオズ地区の領有権を主張してリビア軍が侵攻し、これによってチャド北部はリビアに占領されてしまった。しかし、フランス軍がチャド軍を支援して反撃に転じ、リビア軍は撤退して1987年に停戦が結ばれた。リビア軍は1994年にアオズから完全撤退している。
1996年に初の複数政党制による大統領選挙を実施した。2002年には北部のジュラブ砂漠で600万年前から700万年前の世界最古の人類化石(愛称をトゥーマイという)が発見されて話題になった。
教育費負担と家族労働力の一員と見なされる女児の就学率は、イエメンと並ぶ形で世界最低であり、男子1に対して0.63(2004年のデーター)に留まっている。
地理[編集]
サハラ砂漠東端に位置し、南西部には中部アフリカ最大の塩湖であるチャド湖が存在する。北部は高温乾燥の砂漠気候で、南部は森林サバナが広がるサバナ気候である。
首都・ヌジャメナの年平均気温は27.9度で、最高気温が4月の33.1度、最低気温は1月の22.8度であり、年間降水量は677ミリである。
なお、この国を代表するチャド湖は世界13位の広さを誇り、面積は2万900平方キロである。しかし打ち続く旱魃によって最大時の1割以上も湖の広さが縮小しており、このままではいずれ消滅されるのではないかと危惧されている。近年では淡水魚が水揚げされる沿岸産業への影響も広がっているとされている。ただ、干上がった湖底は地味が豊かなため、チャド政府は飢餓難民を投入して灌漑用の井戸を掘り上げて、稲作水田など新しい農業用地への転換を進めている。南部のバイリでは砂漠の緑化作業のため、日本のNGOである緑のサヘルが1992年から活動を行なっている。
経済など[編集]
チャドの主要産業は遊牧と綿花栽培である。1990年代に南部で石油の埋蔵が確認されているが、経済活動は停滞している。
宗教[編集]
住民[編集]
- スーダン系サラ族が28パーセント。
- スーダン系アラブ人が12パーセント。
- スーダン系マヨ・ケビ族が12パーセント。
言語[編集]
通貨単位[編集]
- CFA(中部アフリカ金融協力体)フラン(Franc de la Cooperation Financiere en Afrique Centrale)
国内総生産[編集]
- 1人当たり国内総生産は768米ドル(2010年)