JR貨物EF210形電気機関車

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ECO-POWER 桃太郎から転送)
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山陽本線を行く17号機。

EF210形電気機関車(EF210がたでんききかんしゃ)は、JR貨物1996年(平成8年)から製造している平坦路線向け直流電気機関車である[注 1]

古い型のEF65EF66の0番台、EF200や広島地区で活躍しているEF67などの置き換え用に登場し、今や直流区間のほぼすべての区域に巣食ってで活躍している。

愛称は「ECO-POWER 桃太郎」。

概要[編集]

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1989年以降、JR貨物はEF66のリモデル車100番台を投入して貨物輸送増加を凌いだが、並行して長距離貨物輸送による酷使で老朽化の進んだEF66の置き換えのための新車開発も行い、日本最強の機関車EF200形1993年まで21両導入してきたが、その出力の大きさが変電所容量を上回り、フルパワーでの使用はできなかった。

そこで出力を適正化した本形式が1996年以降増備されている。2022年現在は、岡山機関区吹田機関区新鶴見機関区に配置されている。

平坦な中長距離の電化路線での運用機会が多く、中央本線(八王子以西、多治見以東)や上越線など急勾配・急カーブが連続する区間やJR関西線 (名古屋地区)のように非電化の区間が介在する短距離路線での運用はない。
また、多雪地での運用もない。

2024年1月頃には、吹田所属の100番台と新鶴見所属の300番台をトレードする動きが多発した。

共通事項[編集]

18m級の箱型車体を有し、前面は非貫通構造となっている。

機器面では1時間定格出力565kWの三相誘導電動機を採用し、駆動方式は吊り掛け駆動方式。制御方式はVVVFインバータ制御。1両につき3390kWの出力を確保するが、30分定格という概念の導入により3540kWの出力も発揮でき、関ヶ原トンネル周辺での性能もEF66と大差はない。

ブレーキ方式は発電ブレーキ併用の電気指令式ブレーキ。回生失効を警戒して回生ブレーキの搭載は見送られた。

JR四国内の鳥越トンネル通過対応を施している。

900番台[編集]

1両のみが1996年に製造された。主電動機の形式はFMT3形、駆動装置の歯車比は1:4.44、VVVFの素子はGTOサイリスタとなっている。2005年3月に量産化改造を実施した際に主電動機と歯車比を0番台と同一品に変更された。

1両しか存在しないその希少性から、鉄道ファンからは「クマイチ」というあだ名が付けられている。

2022年3月に新塗装化された。

0番台[編集]

1998年に18両が製造された。主電動機はFMT4形、駆動方式の歯車比は1:5.13であり、以降の増備はこれが標準となった。VVVFの素子は900番台と同じGTOである。

2019年以降、新塗装化が随時進んでいる。

100番台[編集]

1999年から2010年にかけて73両が製造された。VVVFの素子はIGBTに変更され、109号機以降はパンタグラフを下枠交差型からシングルアーム型に変更されている。

2018年以降、新塗装化が随時進んでおり、2020年以降は愛称「ECO-POWER 桃太郎」に因んで桃太郎ラッピングも貼られる予定であり、施行済みの車両にも普及している。

300番台[編集]

新製直後の300番台 (341号機)

山陽本線瀬野駅八本松駅間(通称:セノハチ)の上り線の後補機[注 2]で運用されるEF67置き換えのために導入された。側面にオレンジ色の帯が入っていることが大きな特徴である。

補機だけでなく、本務機としても使用できる汎用機関車で、両端の連結器にシリコン油入りの緩衝器を備える。2023年2月には梅田貨物線の一部区間が地下化され急勾配が発生したことから、同線を通過する一部貨物列車の安治川口駅吹田貨物ターミナル駅間の上下線の補機運用を開始するなど、活躍の場を広げている。

歴史[編集]

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1996年
900番台が製造される。
1998年
0番台18両が製造される。
1999年
100番台の製造が開始される。
2002年
JR四国管轄区域への瀬戸大橋経由の乗り入れを開始する。
2010年
173号機の増備を最後に100番台の製造を終了。
2013年
300番台の製造を開始。2023年現在も増備が続いている。

関連項目[編集]

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  1. 現在も製造が続いている。一体いつまで作り続けるのだろうか…。
  2. 下り線では補機の運用をしない。


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「*」がある形式は旧型機関車(1957年9月より前を製造初年度とする機関車と定義)。