六甲おろし
六甲颪 (ろっこうおろし) とは、日本のプロ野球チームの阪神タイガースの球団歌である。作詞:佐藤惣之助、作曲:古関裕而。正式には阪神タイガースの歌 (はんしんタイガースのうた) というタイトルも定められている。
概要[編集]
近畿地方を中心にした西日本では、プロ野球の球団歌では収まらず大変親しまれている曲で、(許諾の有無は別として)スーパーや商店街のBGMとしてエンドレスで流されたり、Joshinで流れていたり、結婚式などの慶事で奉唱されたり、生前阪神ファンだった人物の葬儀で出棺の際に挽歌として使用されることもある等、日常生活の中で頻繁に耳にする。阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝した2003年(平成15年)には、携帯電話の着信メロディのダウンロード件数が3日間で10万件に達した。
気象現象としての"六甲颪"は秋から春にかけて吹くことが多く、プロ野球が盛り上がる夏に吹くことは少ない。夏に吹くのは、ほとんどが浜風である。実際の現象と歌詞のずれについて、井上章一は「作詞家の佐藤惣之助は阪神地方の気候について詳しくなかったのだろう」と考えている[1]。逆に、六甲颪が秋から吹き始めることから、シーズン終盤の優勝争いで六甲颪に吹かれて戦う姿を想定して作られているという見方もある。
ABCラジオの番組 「おはようパーソナリティ道上洋三です」 では、タイガースが試合に勝った翌日 (月曜日は土曜日・日曜日に試合に勝った場合) にパーソナリティーの道上洋三がBGMに合わせて六甲おろしを歌うのが恒例となっている。
歌の特徴[編集]
- 大阪タイガース時代
阪神タイガースが 「大阪タイガース」 として発足した1936年に 「大阪タイガースの歌」 (おおさかタイガースのうた) として制定された。歌詞は次の通り[2]。
<一番>
六甲おろしに 颯爽と
蒼天翔ける 日輪の
青春の覇気 麗しく
輝く我が名ぞ 大阪タイガース
オウ オウ オウオウ 大阪タイガース フレ フレフレフレ
<二番>
闘志溌剌 (はつらつ) 起 (た) つや今
熱血既に 敵を衝く
獣王の意気 高らかに
無敵の我らぞ 大阪タイガース
オウ オウ オウオウ 大阪タイガース フレ フレフレフレ
<三番>
鉄腕強打 幾千度び
鍛えてここに 甲子園
勝利に燃ゆる 栄冠は
輝く我らぞ 大阪タイガース
オウ オウ オウオウ 大阪タイガース フレ フレフレフレ
- 阪神タイガース時代
1961年に現在の球団名である 「阪神タイガース」 に改名された際に、タイトルを現在の 「阪神タイガースの歌」 に改名すると同時に球団名の 「大阪タイガース」 が 「阪神タイガース」 に変更となった。
歌詞の「オウオウオウオウ」は、直後に続く「大阪タイガース」の「大」の音の押韻であったが、歌詞が変更されたためにただの感嘆詞となった。また、実際には1音で歌われることの多い「阪神」の「神」に楽譜では2つの音符が割り当てられているのも、元の歌詞が「大阪」の「阪」だった名残である。変更に際し、作詞者であった佐藤惣之助の遺族、作曲者である古関裕而の了解を得て行われたが、古関自身は「大阪」の歌詞の方により以上の愛着を感じていたらしく、没後に行われた遺族へのインタビュー(『探偵!ナイトスクープ』)において、古関が生前「あの歌詞に合わせて作曲したのに一方的に歌詞が変更された」と不快感を抱いていたことが明らかにされている。 YouTube 動画リンク