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鉄道省クハ55形電車

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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鉄道省クハ55形電車は、大日本帝国鉄道省が設計、開発した直流電車である。

概要[編集]

車体長20000mm、車体幅2800mm、直流1500V、片運転台、3扉ロングシートである。運転台の形状によって前期の切妻型と後期1937年以降に新製された55031~55096の半流型がある。扉間客用窓は5枚である。95両が新製された。

性能[編集]

鉄道省クハ55形電車の性能
形式 クハ55
定員 (座席) 134 (55)、135 (56)
座席配置 ロングシート
運転台数、様式 1カ所 (半室貫通、全室貫通)
自重 29.6t~32.5t
車体寸法最大長 20000mm
車体寸法最大幅 2870mm
車体寸法最大高 4150mm~4179mm
車体寸法車体外部の長 19205mm、19355mm
車体寸法車体外部の幅 2805mm
台車中心間距離 13600mm
制御方式 主幹制御器付き
制御器方式
回路電圧 100V
1時間定格線電圧
1時間定格出力
1時間定格引張力
1時間定格速度
最高運転速度 95km/h (許容95km/h)
主電動機
出力×個数
制動装置 AE空気ブレーキ装置・手ブレーキ
台枠形式 UF23、UF36、UF110
台車 TR23
軸距 2500mm
車輪直径 800mm
歯数比
電動発電機
空気圧縮機
連結器・緩衝装置 密着式・30t輪バネ
戸締機械 TK3×3カ所
製造初年 1932年


運用[編集]

1932年に初登場し、首都圏京阪神圏に投入されて17m級旧型国電を置き換えた。その後、モハ72系電車に置き換えられた。その後、宇部線小野田線飯田線大糸線身延線にも投入されたが、新性能電車に置き換えられた。中小民鉄に売却された車両もある。

改造による複雑な車歴[編集]

太平洋戦争中に輸送力増強のために鉄道省クハ68形電車1942年鉄道省クロハ69形電車を2両を除いて全室3等室に格下げ、ロングシートに改造、鉄道省クロハ59形電車を3扉化、ロングシート化改造して編入された。クハ55200は、モハ60016の電装解除車、戦災復旧後に電装されずに形式変更されたが、台車はDT12のままであった。戦後、クハ68改造車はセミクロスシートに置き換えられてクハ68に戻ったが、クハ55として新製された車両もセミクロスシートに改造されてクハ68になった車両もある。戦時中、日本本土空襲によって多くが廃車になった。戦災復旧客車 (オハ71→マニ71→国鉄スエ71形客車、マニ74→スエ71)になった車両もある[1]。クロハ69改造車は1952年にクロハ69に戻ったが、1962年に再びクハ55に改造された。1955年から1956年にかけて半流型6両が前位側1/3を荷物室に改造されて鉄道省クハニ67形電車に編入され、900番台に付された。鉄道省サハ57形電車から改造された車両の車番は百の位が3になった。1966年1968年にかけて便所取り付け工事の行った車両の車番は百の位が4になった。

戦後の改造[編集]

クハ68への復帰、改造
番号 記事
68001~68023 クロハ59→クハ68→クハ55をセミクロスシートに改造。奇数番号のみ。3両はクハ68401~クハ68405(奇数番号のみ)に改造。
68024~68058 クハ68→クハ55をセミクロスシートに復元。偶数番号のみ。7両はクハ68400~クハ68410(偶数番号のみ)・68416に改造。
68060~68106 クハ55001~55096をセミクロスシートに改造。→6両は68407・68409・68412・68414・68418・68420に改造。
68107~68111 クロハ59→クハ55をセミクロスシートに改造。奇数番号のみ。
68200 クハ47を3扉化
68210・68211 サハ48→クハ47を3扉化
68400~68420(偶数番号主体) 68024~68058から7両、68060~68106から6両に便所取付68409以外は偶数番号。
68401~68405(奇数番号のみ) 68001~68023に便所取付

サハ57の改造、便所取付[編集]

サハ57のクハ55改造、及び便所取り付け車番号対照表
改造後 改造前 番号変更及び番号整理
クハ55430 クハ55304 57031→55304→55433→55430
クハ55431 クハ55307 57034→55307→55431
クハ55432 クハ55302 57029→55302→55432
クハ55433 クハ55315 57044→55315→55436→55433
クハ55434 クハ55308 57035→55308→55434
クハ55435 クハ55327 57018→55327→55438→55435
クハ55436 クハ55310 57039→55310→55435→55436
クハ55437 クハ55317 57046→55317→55437
クハ55438 クハ55330 57021→55330→55439→55438
クハ55439 クハ55331 57010→55331→55440→55439
クハ55440 クハ55321 57012→55321→55440
クハ55441 クハ55323 57014→55323→55441
クハ55442 クハ55322 57015→55332→55440→55442

大糸線でのモハ40系電車[編集]

北松本電車区・松本運転所北松本支所の配置電車
形式 1956年3月1日 1960年4月1日 1965年3月31日 1969年3月31日 1975年3月31日 1981年4月30日
クモハ11 11両 11両 13両
クモハ12 2両 1両 1両 1両
クハ16 9両 11両 12両
クモハ40 1両 1両 1両
クモハ41 3両 9両 1両
クモハ60 9両 9両 9両
クハ55 15両 15両 9両
サハ57 3両 3両 2両
クモハ51 3両 2両 7両 4両
クモハ54 3両 3両
クモハユニ64 1両 1両
クハ68 3両 3両
クモハ43 4両 2両
クモハユニ44 2両 2両 1両
サハ45 3両 3両
クモユニ81 1両 1両
合計 24両 25両 34両 41両 50両 37両

注1) 1959年6月1日以前はクモハはモハ、クモハユニはモハユニである。

注2) 1965年以降、松本運転所北松本支所となった。

注3) 1981年7月24日以降、国鉄115系電車に取り替えられた。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. 鉄道省クハ55114は元々鉄道省クロハ59形電車で、これを戦時中に3扉、ロングシート化改造によってクハ55となり、戦災によってオハ71 13、郵便荷物合造車に改造されてスユニ72 53、池田所属だった1966年8月25日に旭川で救援車 (鉄道車両)国鉄スエ71 96客車に改造されて富良野に配属され、1981年9月24日滝川を最後に廃車となった。