「第2回エンペディア大賞」が2月いっぱい開催中です。2024年に作成された記事の中から、お気に入りの記事に投票しましょう!
鉄道省クハ55形電車
鉄道省クハ55形電車は、大日本帝国鉄道省が設計、開発した直流電車である。
概要[編集]
車体長20000mm、車体幅2800mm、直流1500V、片運転台、3扉ロングシートである。運転台の形状によって前期の切妻型と後期1937年以降に新製された55031~55096の半流型がある。扉間客用窓は5枚である。95両が新製された。
性能[編集]
形式 | クハ55 |
---|---|
定員 (座席) | 134 (55)、135 (56) |
座席配置 | ロングシート |
運転台数、様式 | 1カ所 (半室貫通、全室貫通) |
自重 | 29.6t~32.5t |
車体寸法最大長 | 20000mm |
車体寸法最大幅 | 2870mm |
車体寸法最大高 | 4150mm~4179mm |
車体寸法車体外部の長 | 19205mm、19355mm |
車体寸法車体外部の幅 | 2805mm |
台車中心間距離 | 13600mm |
制御方式 | 主幹制御器付き |
制御器方式 | ー |
回路電圧 | 100V |
1時間定格線電圧 | ー |
1時間定格出力 | ー |
1時間定格引張力 | ー |
1時間定格速度 | ー |
最高運転速度 | 95km/h (許容95km/h) |
主電動機 | - |
出力×個数 | - |
制動装置 | AE空気ブレーキ装置・手ブレーキ |
台枠形式 | UF23、UF36、UF110 |
台車 | TR23 |
軸距 | 2500mm |
車輪直径 | 800mm |
歯数比 | - |
電動発電機 | - |
空気圧縮機 | - |
連結器・緩衝装置 | 密着式・30t輪バネ |
戸締機械 | TK3×3カ所 |
製造初年 | 1932年 |
運用[編集]
1932年に初登場し、首都圏と京阪神圏に投入されて17m級旧型国電を置き換えた。その後、モハ72系電車に置き換えられた。その後、宇部線、小野田線、飯田線、大糸線、身延線にも投入されたが、新性能電車に置き換えられた。中小民鉄に売却された車両もある。
改造による複雑な車歴[編集]
太平洋戦争中に輸送力増強のために鉄道省クハ68形電車、1942年に鉄道省クロハ69形電車を2両を除いて全室3等室に格下げ、ロングシートに改造、鉄道省クロハ59形電車を3扉化、ロングシート化改造して編入された。クハ55200は、モハ60016の電装解除車、戦災復旧後に電装されずに形式変更されたが、台車はDT12のままであった。戦後、クハ68改造車はセミクロスシートに置き換えられてクハ68に戻ったが、クハ55として新製された車両もセミクロスシートに改造されてクハ68になった車両もある。戦時中、日本本土空襲によって多くが廃車になった。戦災復旧客車 (オハ71→マニ71→国鉄スエ71形客車、マニ74→スエ71)になった車両もある[1]。クロハ69改造車は1952年にクロハ69に戻ったが、1962年に再びクハ55に改造された。1955年から1956年にかけて半流型6両が前位側1/3を荷物室に改造されて鉄道省クハニ67形電車に編入され、900番台に付された。鉄道省サハ57形電車から改造された車両の車番は百の位が3になった。1966年~1968年にかけて便所取り付け工事の行った車両の車番は百の位が4になった。
戦後の改造[編集]
番号 | 記事 |
---|---|
68001~68023 | クロハ59→クハ68→クハ55をセミクロスシートに改造。奇数番号のみ。3両はクハ68401~クハ68405(奇数番号のみ)に改造。 |
68024~68058 | クハ68→クハ55をセミクロスシートに復元。偶数番号のみ。7両はクハ68400~クハ68410(偶数番号のみ)・68416に改造。 |
68060~68106 | クハ55001~55096をセミクロスシートに改造。→6両は68407・68409・68412・68414・68418・68420に改造。 |
68107~68111 | クロハ59→クハ55をセミクロスシートに改造。奇数番号のみ。 |
68200 | クハ47を3扉化 |
68210・68211 | サハ48→クハ47を3扉化 |
68400~68420(偶数番号主体) | 68024~68058から7両、68060~68106から6両に便所取付68409以外は偶数番号。 |
68401~68405(奇数番号のみ) | 68001~68023に便所取付 |
サハ57の改造、便所取付[編集]
改造後 | 改造前 | 番号変更及び番号整理 |
---|---|---|
クハ55430 | クハ55304 | 57031→55304→55433→55430 |
クハ55431 | クハ55307 | 57034→55307→55431 |
クハ55432 | クハ55302 | 57029→55302→55432 |
クハ55433 | クハ55315 | 57044→55315→55436→55433 |
クハ55434 | クハ55308 | 57035→55308→55434 |
クハ55435 | クハ55327 | 57018→55327→55438→55435 |
クハ55436 | クハ55310 | 57039→55310→55435→55436 |
クハ55437 | クハ55317 | 57046→55317→55437 |
クハ55438 | クハ55330 | 57021→55330→55439→55438 |
クハ55439 | クハ55331 | 57010→55331→55440→55439 |
クハ55440 | クハ55321 | 57012→55321→55440 |
クハ55441 | クハ55323 | 57014→55323→55441 |
クハ55442 | クハ55322 | 57015→55332→55440→55442 |
大糸線でのモハ40系電車[編集]
形式 | 1956年3月1日 | 1960年4月1日 | 1965年3月31日 | 1969年3月31日 | 1975年3月31日 | 1981年4月30日 |
---|---|---|---|---|---|---|
クモハ11 | 11両 | 11両 | 13両 | ー | ー | ー |
クモハ12 | 2両 | 1両 | 1両 | 1両 | ー | ー |
クハ16 | 9両 | 11両 | 12両 | ー | ー | ー |
クモハ40 | ー | ー | ー | 1両 | 1両 | 1両 |
クモハ41 | ー | ー | 3両 | 9両 | 1両 | ー |
クモハ60 | ー | ー | ー | 9両 | 9両 | 9両 |
クハ55 | ー | ー | ー | 15両 | 15両 | 9両 |
サハ57 | ー | ー | ー | 3両 | 3両 | 2両 |
クモハ51 | ー | ー | 3両 | 2両 | 7両 | 4両 |
クモハ54 | ー | ー | ー | ー | 3両 | 3両 |
クモハユニ64 | ー | ー | 1両 | 1両 | ー | ー |
クハ68 | ー | ー | ー | ー | 3両 | 3両 |
クモハ43 | ー | ー | ー | ー | 4両 | 2両 |
クモハユニ44 | 2両 | 2両 | 1両 | ー | ー | ー |
サハ45 | ー | ー | ー | ー | 3両 | 3両 |
クモユニ81 | ー | ー | ー | ー | 1両 | 1両 |
合計 | 24両 | 25両 | 34両 | 41両 | 50両 | 37両 |
注1) 1959年6月1日以前はクモハはモハ、クモハユニはモハユニである。
注2) 1965年以降、松本運転所北松本支所となった。
注3) 1981年7月24日以降、国鉄115系電車に取り替えられた。
関連項目[編集]
- 国鉄キハ30系気動車 (3扉ロングシートという共通点がある)
参考文献[編集]
- 〈鉄道ピクトリアルNo.684〉「73系電車」電気車研究会2000年5月1日発行。
- 〈鉄道ピクトリアルNo.730〉電気車研究会2003年4月1日発行。
- 〈鉄道ピクトリアルNo.818〉「思い出の郵便・荷物輸送」電気車研究会2009年5月1日発行。
- 〈鉄道ピクトリアルNo.931〉「郵便・荷物電車」電気車研究会2017年5月1日発行。
脚注[編集]
- ↑ 鉄道省クハ55114は元々鉄道省クロハ59形電車で、これを戦時中に3扉、ロングシート化改造によってクハ55となり、戦災によってオハ71 13、郵便荷物合造車に改造されてスユニ72 53、池田所属だった1966年8月25日に旭川で救援車 (鉄道車両)国鉄スエ71 96客車に改造されて富良野に配属され、1981年9月24日滝川を最後に廃車となった。