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鉄道省モハ51形電車

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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鉄道省モハ51形電車 (てつどうしょうもは51がたでんしゃ)は、大日本帝国鉄道省が設計、開発した直流電車である。

概要[編集]

車体長20000mm、車体幅2800mm、直流1500V、片運転台、3扉セミクロスシートである。運転台の形状は1937年以降に新製された41012~41055の半流型と同様である。客用扉間客用窓は6枚である。57両が新製された。

性能[編集]

鉄道省モハ51形電車の性能
形式 モハ51
定員 (座席) 124 (50)
座席配置 セミクロスシート
運転台数、様式 1カ所 (半室貫通、)
自重 44.7t~47.4t
車体寸法最大長 20000mm
車体寸法最大幅 2870mm
車体寸法最大高 4150mm~4179mm
車体寸法車体外部の長 19355mm
車体寸法車体外部の幅 2805mm
台車中心間距離 13600mm
制御方式 直並列、弱め界磁、総括制御
制御器方式 電磁空気カム軸接触器式
回路電圧 100V
1時間定格線電圧 1500V
1時間定格出力 400kW
1時間定格引張力 2700kg (58%界磁)
1時間定格速度 55.5km/h (58%界磁)
最高運転速度 95km/h (許容95km/h)
主電動機 MT16
出力×個数 100kW×4
制動装置 AE空気ブレーキ装置・手ブレーキ
台枠形式 UF34
台車 TR25
軸距 2500mm
車輪直径 910mm
歯数比 25:63=1:2.52
電動発電機 MH49ーDM28
空気圧縮機 MH16B-AK3
連結器・緩衝装置 密着式・30t輪バネ
戸締機械 TK3×3カ所
製造初年 1936年

運用[編集]

1936年に初登場し、首都圏京阪神圏に投入されて17m級旧型国電を置き換えたが、太平洋戦争後に国鉄モハ70系電車に置き換えられた。その後、宇部線小野田線飯田線大糸線身延線福塩線にも投入されたが、新性能電車に置き換えられた。

改造[編集]

戦時改造[編集]

モハ51の出力向上型がモハ54である。太平洋戦争中、輸送力増強のためにロングシート化した。鉄道省モハ40形電車を片運転台化して、鉄道省モハ43形電車を4扉化した車両と台車を振り替えてこの形式に編入した。日本本土空襲によって多くが廃車になった。戦災復旧客車になった車両もある。

ロングシート化改造車のセミクロスシート化[編集]

前述のモハ51形電車は戦後全てセミクロスシート化改造を行った。このため、運転台が半流型でない車両、客用扉間客用窓が5枚の車両がある。

低屋根化改造車[編集]

身延線に投入された車両は低屋根化改造されて百位の数字を8とした。

クモハ51形の狭小トンネル対応改造車番号対照
改造後 改造前 改造前までの番号変更
クモハ51800 クモハ51042
クモハ51802 クモハ51054
クモハ51804 クモハ51004 51004→41059→51004
クモハ51806 クモハ51006 51006→41061→51006
クモハ51808 クモハ51007 51007→41062→51007
クモハ51810 クモハ51008 51008→41063→51008
クモハ51812 クモハ51009 51009→41064→51009
クモハ51814 クモハ51012 51012→41067→51012
クモハ51816 クモハ51017 51017→41072→51017
クモハ51818 クモハ51018 51018→41073→51018
クモハ51820 クモハ51020 51020→41075→51020
クモハ51822 クモハ51022 51022→41077→51022
クモハ51824 クモハ51024 51024→41079→51024
クモハ51826 クモハ51050
クモハ51828 クモハ51052

改番[編集]

1959年の形式称号改正によってモハ41はクモハ41に、モハ51はクモハ51に、モハ60はクモハ60と改称した。

大糸線でのモハ51系電車[編集]

北松本電車区・松本運転所北松本支所の配置電車
形式 1956年3月1日 1960年4月1日 1965年3月31日 1969年3月31日 1975年3月31日 1981年4月30日
クモハ11 11両 11両 13両
クモハ12 2両 1両 1両 1両
クハ16 9両 11両 12両
クモハ40 1両 1両 1両
クモハ41 3両 9両 1両
クモハ60 9両 9両 9両
クハ55 15両 15両 9両
サハ57 3両 3両 2両
クモハ51 3両 2両 7両 4両
クモハ54 3両 3両
クモハユニ64 1両 1両
クハ68 3両 3両
クモハ43 4両 2両
クモハユニ44 2両 2両 1両
サハ45 3両 3両
クモユニ81 1両 1両
合計 24両 25両 34両 41両 50両 37両

注1) 1959年6月1日以前はクモハはモハ、クモハユニはモハユニである。

注2) 1965年以降、松本運転所北松本支所となった。

注3) 1981年7月24日以降、国鉄115系電車に取り替えられた。

事業用車への改造[編集]

モハ40017はクモハ51085に改造後に1961年にさらにクモヤ492-1に改造された。モハ40018はクモハ51086に改造後に1961年にさらにクモヤ493-1に改造された。改造目的は交直両用試験車であったが、1963年に盛岡工場で架線試験車に再改造された。廃車はいずれも1976年である。

交直両用試験車改造車
形式・番号 改造年 施工所 改造前形式番号 旧形式・番号 廃車年 備考
クモヤ493-1 1961年 近畿車両 クモハ51086 モハ40018(1932年) 1976年 台車はDT92
クモヤ492-1 1961年 近畿車両 クモハ51085 モハ40017(1932年) 1976年 台車はDT91

詳細は「国鉄493系電車」を参照

関連項目[編集]

参考文献[編集]