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鉄道省モハ41形電車
鉄道省モハ41形電車は、大日本帝国鉄道省が設計、開発した直流電車である。
概要[編集]
車体長20000mm、車体幅2800mm、直流1500V、片運転台、3扉ロングシートである。運転台の形状によって前期の切妻型と後期1937年以降に新製された41012~41055の半流型がある。客用扉間客用窓は5枚である。55両が新製された。
性能[編集]
形式 | モハ41 |
---|---|
定員 (座席) | 134 (55)、135 (56) |
座席配置 | ロングシート |
運転台数、様式 | 1カ所 (半室貫通、全室貫通) |
自重 | 44.7t~47.4t |
車体寸法最大長 | 20000mm |
車体寸法最大幅 | 2870mm |
車体寸法最大高 | 4150mm~4179mm |
車体寸法車体外部の長 | 19205mm、19355mm |
車体寸法車体外部の幅 | 2805mm |
台車中心間距離 | 13600mm |
制御方式 | 直並列、弱め界磁、総括制御 |
制御器方式 | 電磁空気カム軸接触器式 |
回路電圧 | 100V |
1時間定格線電圧 | 1500V |
1時間定格出力 | 400kW |
1時間定格引張力 | 3000kg (70%界磁) |
1時間定格速度 | 50.0km/h (70%界磁) |
最高運転速度 | 95km/h (許容95km/h) |
主電動機 | MT15C、MT16 |
出力×個数 | 100kW×4 |
制動装置 | AE空気ブレーキ装置・手ブレーキ |
台枠形式 | UF26、UF33 |
台車 | TR25 |
軸距 | 2500mm |
車輪直径 | 910mm |
歯数比 | 25:63=1:2.52 |
電動発電機 | MH49ーDM28 |
空気圧縮機 | MH16B-AK3 |
連結器・緩衝装置 | 密着式・30t輪バネ |
戸締機械 | TK3×3カ所 |
製造初年 | 1932年 |
運用[編集]
1932年に初登場し、首都圏と京阪神圏に投入されて17m級旧型国電を置き換えた。その後、モハ72系電車に置き換えられた。さらに、宇部線、小野田線、飯田線、大糸線、身延線にも投入されたが、新性能電車に置き換えられた。中小民鉄に売却された車両もある。
改造[編集]
太平洋戦争中、鉄道省モハ51形電車のロングシート化改造によって東鉄局では編入された車両があったが、戦後に復旧して元の番号に戻った。大鉄局ではロングシート化されたものの形式番号は変わらなかった。鉄道省モハ43形電車と台車振替でモハ51に編入された車両は、これらの車両は戦後はすべてセミクロスシート化された。
日本本土空襲によって多くが廃車になった。戦災復旧客車になった車両もある。
戦後、モハ41のうち7両は電動機をMT30に載せ替えて鉄道省モハ60形電車となり、モハ60151~モハ60163(奇数番号のみ)となった。
身延線投入にあたってクモハ41016のパンタグラフ部を4.8mにわたって低屋根化してクモハ41800となった。クモハ41095はパンタグラフを前位側から後位側に移設したうえ、この部分の屋根を低くしてクモハ41850とした。施工は浜松工場で1963年に行われた。
改造後 | 改造前 | 改造前までの番号変更 |
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クモハ51800 | クモハ51042 | |
クモハ51802 | クモハ51054 | |
クモハ51804 | クモハ51004 | 51004→41059→51004 |
クモハ51806 | クモハ51006 | 51006→41061→51006 |
クモハ51808 | クモハ51007 | 51007→41062→51007 |
クモハ51810 | クモハ51008 | 51008→41063→51008 |
クモハ51812 | クモハ51009 | 51009→41064→51009 |
クモハ51814 | クモハ51012 | 51012→41067→51012 |
クモハ51816 | クモハ51017 | 51017→41072→51017 |
クモハ51818 | クモハ51018 | 51018→41073→51018 |
クモハ51820 | クモハ51020 | 51020→41075→51020 |
クモハ51822 | クモハ51022 | 51022→41077→51022 |
クモハ51824 | クモハ51024 | 51024→41079→51024 |
クモハ51826 | クモハ51050 | |
クモハ51828 | クモハ51052 |
改番[編集]
1959年の形式称号改正によってモハ41はクモハ41に、モハ51はクモハ51に、モハ60はクモハ60と改称した。
大糸線でのモハ40系電車[編集]
形式 | 1956年3月1日 | 1960年4月1日 | 1965年3月31日 | 1969年3月31日 | 1975年3月31日 | 1981年4月30日 |
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クモハ11 | 11両 | 11両 | 13両 | ー | ー | ー |
クモハ12 | 2両 | 1両 | 1両 | 1両 | ー | ー |
クハ16 | 9両 | 11両 | 12両 | ー | ー | ー |
クモハ40 | ー | ー | ー | 1両 | 1両 | 1両 |
クモハ41 | ー | ー | 3両 | 9両 | 1両 | ー |
クモハ60 | ー | ー | ー | 9両 | 9両 | 9両 |
クハ55 | ー | ー | ー | 15両 | 15両 | 9両 |
サハ57 | ー | ー | ー | 3両 | 3両 | 2両 |
クモハ51 | ー | ー | 3両 | 2両 | 7両 | 4両 |
クモハ54 | ー | ー | ー | ー | 3両 | 3両 |
クモハユニ64 | ー | ー | 1両 | 1両 | ー | ー |
クハ68 | ー | ー | ー | ー | 3両 | 3両 |
クモハ43 | ー | ー | ー | ー | 4両 | 2両 |
クモハユニ44 | 2両 | 2両 | 1両 | ー | ー | ー |
サハ45 | ー | ー | ー | ー | 3両 | 3両 |
クモユニ81 | ー | ー | ー | ー | 1両 | 1両 |
合計 | 24両 | 25両 | 34両 | 41両 | 50両 | 37両 |
注1) 1959年6月1日以前はクモハはモハ、クモハユニはモハユニである。
注2) 1965年以降、松本運転所北松本支所となった。
注3) 1981年7月24日以降、国鉄115系電車に取り替えられた。
関連項目[編集]
- 国鉄キハ30系気動車 (3扉ロングシートという共通点がある)
- 鉄道車両の建築限界