国鉄クモハユニ64形電車

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国鉄クモハユニ64形電車 (こくてつくもはゆに64かたでんしゃ)は、日本国有鉄道が改造によって登場した二等郵便荷物合造車である。

概要[編集]

両運転台、半流線型、非貫通型の直流電車である。1形式1両、クモハユニ64000のみの存在である。

性能[編集]

国鉄クモハユニ64形電車の性能
形式 クモハユニ64
定員 (座席) 64 (28)、郵便荷重2t、荷物荷重3t
座席配置 セミクロスシート
運転台数、様式 2カ所 (全室非貫通、貫通)
自重 47.4t
車体寸法最大長 20000mm
車体寸法最大幅 2870mm
車体寸法最大高 4170mm
車体寸法車体外部の長 19355mm
車体寸法車体外部の幅 2805mm
台車中心間距離 13600mm
制御方式 直並列、弱め界磁、総括制御
制御器方式 電磁空気カム軸接触器式
回路電圧 100V
1時間定格線電圧 1500V
1時間定格出力 400kW
1時間定格引張力 3000kg (70%界磁)
1時間定格速度 50.0km/h (70%界磁)
最高運転速度 95km/h (許容95km/h)
主電動機 MT15C
出力×個数 100kW×4
制動装置 AE空気ブレーキ装置・手ブレーキ
台枠形式 UF39
台車 DT12
軸距 2500mm
車輪直径 910mm
歯数比 25:63=1:2.52
電動発電機 MH49ーDM28
空気圧縮機 MH16B-AK3
連結器・緩衝装置 密着式・30t輪バネ
戸締機械 TK3×2カ所
改造初年 1961年

経緯[編集]

1943年横須賀線用の三等郵便荷物合造車として3両が登場したモハユニ61であるが、戦局の悪化によってモハユニ61001のみ電装化され、残りの002、003は電装されなかった。また、セミクロスシートの予定であったが、クロスシートの設置もなかった。001はその後、1953年にセミクロスシート化されてモハユニ44100となり、大糸線時代の1961年に両運転台、ロングシート化されて本形式となり、1978年飯田線に入線した。一方、電装化されなかったモハユニ61002とモハユニ61003は国鉄クハユニ56形電車に改造されて飯田線に入線し、モハユニ61の末裔3両が異形式となって再会した。クモハユニ64000は1981年に茶色2号から横須賀色に塗り替えられた。

国鉄・郵便荷物電車形式別年度末両数
年度 1957年 1958年 1959年 1960年 1961年 1962年 1963年 1964年 備考
クモニ13 37 37 37 37 35 33 33 33
クハニ19 14 14 14 14 13 13
クモハユニ44 6 6 6 5 5 5 5 5
クハユニ56 6 6 6 6 6 6 6 6
クモハユニ64 1 1 1 1 1
クハニ67 9 9 9 9 9 8 8 8
クモユニ74 2 12 12 20
クモユニ81 6 6 6 6 6 6 6 6
モニ3200 2 2
モニ3410 6 4
クハニ7210 2
小計 74 70 78 78 78 85 84 92

大糸線でのクモハユニ64[編集]

北松本電車区・松本運転所北松本支所の配置電車
形式 1956年3月1日 1960年4月1日 1965年3月31日 1969年3月31日 1975年3月31日 1981年4月30日
クモハ11 11両 11両 13両
クモハ12 2両 1両 1両 1両
クハ16 9両 11両 12両
クモハ40 1両 1両 1両
クモハ41 3両 9両 1両
クモハ60 9両 9両 9両
クハ55 15両 15両 9両
サハ57 3両 3両 2両
クモハ51 3両 2両 7両 4両
クモハ54 3両 3両
クモハユニ64 1両 1両
クハ68 3両 3両
クモハ43 4両 2両
クモハユニ44 2両 2両 1両
サハ45 3両 3両
クモユニ81 1両 1両
合計 24両 25両 34両 41両 50両 37両

注1) 1959年6月1日以前はクモハはモハ、クモハユニはモハユニである。

注2) 1965年以降、松本運転所北松本支所となった。

注3) 1981年7月24日以降、国鉄115系電車に取り替えられた。

参考文献[編集]