17m級旧型国電
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17m級旧型国電 (17mきゅうきゅうがたこくでん)とは、旧型国電のうち、車体長が17mのものをいう。
概要[編集]
車体長17m、車体幅2.8m、電動車の台車はDT10、制御車、付随車の台車はTR11である。車体は鋼製でリベットで接合している。
登場[編集]
官営鉄道が初めて所有した電車は甲武鉄道を買収した際の4輪の車体が木造の車両であった。その後、官営鉄道も4輪車、さらに車体長16mの木造2軸ボギー車を所有した。やがて、車体長が17mのダブルルーフの鋼製車体の電車を、さらにシングルルーフの電車を所有した。やがて木造2軸ボギー車は車体の腐食が目立ったので客車に先んじて鋼体化改造を行った。これらの車両は太平洋戦争後に2回に分けて同一形式に改称した。以下は1959年に制定された形式である。
- モハ10
- 中間電動車。
- クモハ11
- 片運転台の制御電動車。一部の車両はクモハ12に改造された。
- クモハ12
- 両運転台の制御電動車。クモハ11を両運転台に改造した車両もある。
- クモハ14
- 片運転台、2扉クロスシートの制御電動車。長距離運用のために3扉ロングシートから改造された。便所付に改造された車両もある。
- クハ16
- 片運転台の制御車。一部が便所付に改造されたほか、そのクハニ19に改造された車両がある。
- クモニ13
- 両運転台の制御電動車。荷物車 (鉄道車両)。
詳細は「国鉄クモニ13形電車」を参照
- クハニ19
- 片運転台の制御車。三等荷物合造車。全車クハ16から改造された。改造内容は運転台側側窓に保護棒設置と、当該箇所の「荷物」表記のみであった。
詳細は「国鉄クハニ19形電車」を参照
運用[編集]
登場当初は山手線や京浜東北線で運転されていたが、20m級旧型国電の登場により、輸送力の小さい鶴見線や南武線といった路線に転配された。クモニ13は東京都内の各地の路線で新聞輸送に活躍したほか、飯田線でも活躍した。
改造[編集]
救援車や牽引車、配給車といった事業用車は国鉄分割民営化直前まで車籍を所有していた車両もある。
廃車[編集]
1970年代から廃車が始まり、国鉄分割民営化で事業用車の大半は廃車となった。それ以前に私鉄に売却された車両も多く、特に西武鉄道は輸送力増強のために戦後間もなくから購入していた。相模鉄道に至っては購入した当該車両を20m級のアルミ車に車体更新していた。
一方、鶴見線大川支線のように、構内事情から17m旧国が継続使用された線区もあり、1996年まで大川支線で使用されたクモハ12052が最後までJRに残った営業車となった。