織田信房

織田 信房（おだ のぶふさ、? - 天正10年6月2日（1582年6月21日））は、戦国時代の武将。織田信長の子。養父は武田勝頼。兄弟に信正、信忠、信雄、信孝、羽柴秀勝、信秀、信高、信吉、信貞、信好、長次ら。

生涯

『甲陽軍鑑』では勝長（かつなが）とあり、信房関係の小説などではこの名が広く通っているがこれは誤伝とされる。『甲乱記』では信房となっている。

幼名を御坊丸といい、元亀3年（1572年）に武田信玄の部下・秋山虎繁に東美濃の岩村城を攻められ、城主の遠山景任が病死して世継ぎがなかったため、すかさず信長が坊丸を養子として送り込み、叔母のおつやの方に後見させた。しかし岩村城は虎繁とおつやの方が結婚することで開城し、坊丸は捕らえられて甲府に送られた。勝頼は坊丸を元服させて源三郎と称させているが、これは甲斐武田氏の「源」氏と信長の通称である三郎を組み合わせたもので、信房の「信」は織田氏のものではなく武田家の授与によるものである（仮に勝長が正しい場合も勝頼から授与されたことになる）。

勝頼は信長と和睦するべく甲江和与を勧めたが、その一環として信房は織田家に返された。天正9年（1581年）に尾張犬山城主となる。翌年2月からの武田征伐では織田軍の武将として従軍し、諏訪高島城を開城させ、上野安中城まで進出している。しかし6月2日、本能寺の変において兄の織田信忠と共に二条城で自害した。

なお信房は織田家に帰ったにも関わらず、花押に武田家で使用していたものを引き続き使用していた。

参考文献

• 柴辻俊六・平山優 『武田勝頼のすべて』（新人物往来社、2007年） ISBN 978-4-404-03424-3