H

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筆記体の「H」

H(エイチ、ヘイチ)は、ラテン文字アルファベット)の8番目の文字。子音字。小文字はhQWERTY配列で、英字中段の左から6文字目。アルファベット読みの発音の呼称は、英語のスペルでは「aitch」「haitch」、発音記号は「eitʃ」「heitʃ」。Aとほぼ同じ発音をした後、「チ」を付けたもの。

音価[編集]

  • フォニックスにおけるHの発音は「ハ(h)」。無声声門摩擦音。「発音しないH」「有気音のH」もある。

ローマ字での発音・ローマ字入力では「は行」の子音。「H+母音」=「HA HI HU HE HO」→「は.ひ.ふ.へ.ほ」。『は行』の「う段」(は行う)である「ふ」の子音字は、Fの方が発音しやすいため、「ふ」は、ヘボン式では「FU」である。なぜなら、「ふ=HU」だと「ふ」が若干発音しにくく、実音は「ほぅ」の発音に近いからである。フォニックスでは、「HU」は、「フ」とは読めない場合が多い。

Hのフォニックスで、Hの前に母音がくっ付いた場合、「母音+H」のスペルは、Hの子音は発音せず、母音を長音にする役割を持ち、「サイレントH」になることもある。「H母音」とも呼ばれる。「母音+H」のスペルのHが、「サイレントH」で、母音を長音にする役割を持つ英単語は、ohm, Mendelssohn, pooh, alcohol, Brahms, Bahrain, RICOH, FUJIOH, kahma, Hallelujah, Cheetah(チーター), yah(ヤー), ah(ああ、アー),oh(おお、オー、Oのアルファベット読みの発音の呼称の英語のスペル), uh, huh, hurrah(フレー), John, Johnny,vehicle, wah, verandah, prehnite, Utah, Rohto, Perahia,Jeddah。

「母音+H」以外のときのサイレントHは、子音と母音の間に入ることもある。フランス語ではHを発音しない他、フランス語由来の英単語には発音しないHの単語もあり、hourが該当する。また、イタリア語ではspaghetti, ghibliの様に軟音化させない目的でCやGと共に現れることがある(hが無いと、スパジェッティ、ジブリになってしまう[1])。他にgymkhana, gingham, Rhapsody, rhythm, chord, orchestra, ocher, technology, tachometer, chorus, choir, chrome, Rhodonite, Rhodochrositeの様に、ギリシャ語やヒンドゥー語の有気音をローマ字表記する時にも使われる。

スペルが同じでも、Hを「発音するH=ハ(h)」「発音しないH」両方で読めるものもあり、saxhorn(サクソルン)がある。なおフォニックスでは、xhの綴りに関する規定は無いので、Hを発音するのが適切かもしれない。

ローマ字表記・ローマ字入力におけるHは、「は行」の他に、「し」及び「しゃ行」のヘボン式(SH+母音)、「ち」及び「ちゃ行」のヘボン式(CH+母音)に使われる。ローマ字入力では、それ以外の拗音の入力にも使われる。「TH+母音」=「THA=てゃ,THI=てぃ,THU=てゅ,THE=てぇ,THO=てょ」=「てゃ行・てぃ行=完全な『た行』の調音の『い段』である『てぃ』の拗音」、「DH+母音」=「DHA=でゃ,DHI=でぃ,DHU=でゅ,DHE=でぇ,DHO=でょ」=「でゃ行・でぃ行=完全な『だ行』の調音の『い段』である『でぃ』の拗音」。

(注)ただし、ローマ字入力で、「TH+母音」には問題がある。「TH」の2文字子音は、ローマ字入力では、「TH+母音」=「THA=てゃ,THI=てぃ,THU=てゅ,THE=てぇ,THO=てょ」となり、「てゃ行・てぃ行=完全な『た行』の調音の『い段』である『てぃ』の拗音」で、完全な「た行」の調音の一種であるが、英語のスペルで、「TH」の2文字子音は、「トゥ(t)=完全な『た行』の調音」で発音されることは少なく、「ス(θ)=さ行」「ズ(ð)=ざ行」で発音されることが多い。ローマ字入力で、「TH+母音」=「THA=てゃ,THI=てぃ,THU=てゅ,THE=てぇ,THO=てょ」=「てゃ行・てぃ行=『てぃ』の拗音」になるという、ローマ字入力の「TH」は、「トゥ(t)=完全な『た行』の調音」で発音される「TH」で、この場合のTHをフォニックスでいうと、Hは発音せず、「サイレントH」か、Hは有気音の表現で、有気音の「TH」であり、Tのフォニックスである「トゥ(t)」に有気音を含んだ発音か、文字通り、「た行(T)」と「は行(H)」の発音を同時にしたもので、発音記号は「トゥ(t)」または「ティ(ti)」で、フォニックスでのTの発音「トゥ(t)」とほぼ同じである。ただし、フォニックスの例外(?)またはフォニックスから外れ、THがローマ字入力の「TH」と同じく、「トゥ(t)=完全な『た行』の調音」で発音される英単語もあり、theme, Beethoven, Thomas, Thailand, ethanol, ruthenium, lithium, thulium, Ethiopia, Thais(「タイスの瞑想曲」の「タイス」),Lithuania, Lesotho, Thimphu, Thames, thompsonが該当する。

他の用途[編集]

  • 色相(Hue)の頭文字。大文字のHや小文字のhで略記される。
  • 高い(High)の頭文字。
  • 元素番号第1番「水素(Hydrogen)」。
  • 音楽用語で、音名の一つ。「ドレミファソラシド」の「シ」のドイツ音名。独式の一つで、H(ハー)。イタリア式で「シ」、日本式では「ロ」、英米式では「B」。ドイツ音名のHの読みは「ハー」と読む。
    • 移調楽器における音名は、英語音名、ドイツ音名両方とも読めるので、移調楽器の表記では、「シ♭=変ロ調」と区別するため、移調楽器の表記に限って、「シ♮=ロ調」はドイツ音名の「H管(ハーかん)」のみを用い、「シ♭=変ロ調」は、ドイツ音名は使わずに、英語音名の「B♭管(ビーフラットかん)」のみを用いて表記した方が、誤解を防ぐことになり、曖昧さなく回避できる。「H管」は事実上存在しない。移調楽器の表記については、アルファベットの「B」も参照。
    • アルファベット順に音階を並べるときは、Aに当たる音はラなので、ラから並べ、音名の「ABCDEFG」は、「ラシドレミファソ」になり、日本語音名は「イロハニホヘト」となる。「イロハニホヘト」は、英語音名は「ABCDEFG」で、アルファベット順であるが、ドイツ音名は「AHCDEFG」で、「シ」だけアルファベット順ではない。ドイツ音名でBは、「シ♭=変ロ音」を表すため。
  • 硬い(Hard)の頭文字。主に、鉛筆の芯の硬さ(Hard)を表す符号に使われている。「H」「2H」「3H」と記し、数値が大きいほど濃度が薄くなり、硬い。
  • 単位の接頭語、ヘクト(hecto)の略号。
  • H字形のもの。
  • 時間を表す単位、時(Hour)の略号。(注)Hourの読み方は、「アワー」で、hourの最初のHは発音せず、「サイレントH」である。
  • インダクタンスの単位、ヘンリー(Henry)の略号。
  • 重い(Heavy)の頭文字。
  • 温度で、熱い(Hot)・お湯(Hot water)を表す記号。水でいうHotは、お湯。
  • ドクターH - アニメチキチキマシン猛レース」の登場人物。
  • エッチの意(hentaiの頭字)。
  • 高さ (Height)の頭文字。⇔W(幅 Width)。
  • スリーサイズのうちのヒップ (Hip)。
  • ホテル (hotel) を指す記号。
  • ホールド (hold) の略。
  • 石井竜也オリジナルアルバムH (石井竜也のアルバム)
  • 浜崎あゆみのシングル。H (シングル)
  • 桜井まちこの漫画。→H-エイチ-
  • 2002年公開の韓国映画。→H [エイチ]
  • 鉄道の路線記号
    • JR東西線・学研都市線

字形[編集]

アルファベットのIの大文字を書き、90度回転させる。2本の縦棒と上下に伸ばし、横棒をより長くするとHの完成である。

「H」の読み方を「ヘイチ」と呼ぶ理由[編集]

フォニックスでHといえば、日本語で言う『は行』の子音のみであるが、Hの英語読みである「エイチ」の発音の中には、「エイ(ai)」と「チ(ch)=ちゃ行」を含んだ発音である。「エイチ」の発音の呼称の英語のスペルは「aitch」で、子音は「CH=ちゃ行」のみで、「フォニックスでのH=は行」の前に「C」が合わさっているため、『は行』の子音がわかりにくく、曖昧である。

紀元前頃のラテン語では「ハー」であったが、Hの音は消えやすく、実際ラテン語にあったHの音は、現代のフランス語やイタリア語などではほぼ消滅している。そのため、Hに代わりCHをつけて発音する様になり、Hの文字がラテン語からフランス語を経て英語に輸入される過程で「ハー」→「アッハ」→「アーチ」→「エイチ」と、『は行』とは違う方向に発音が変化していった。

「ヘイチ」であれば、『は行』の子音が含まれているため、「H」の読み方は「エイチ」と書くよりは「ヘイチ」の方が、『は行』の子音であることを示しているからである。Hは、ドイツ式の読み方では「ハー」という、は行音である。

歴史[編集]

ギリシャ文字の「Η(エータ)」を由来とする。

各国語での読み方[編集]

多くの言語で、ハ行の音を表す子音として使われるが、Hの音自体を発音しない言語も多い。

言語 字名 語中での読み方 備考
H ha hi hu
古典ラテン語 ハー
教会ラテン語 ハー 発音しない
イタリア語 アッカ 発音しない
スペイン語 アチェ 発音しない
フランス語 アシュ 発音しない
英語 エイチ ヘイ ハイ ヒュー
ドイツ語 ハー 語中では読まない
ポーランド語 多くの場合、HではなくChの形で用いる。

外部リンク[編集]

Hが先頭になるローマ字入力[編集]

HA HI HU HE HO
HYA HYI HYU HYE HYO
ひゃ ひぃ ひゅ ひぇ ひょ
ラテン文字一覧
Aa - Bb - Cc - Dd - Ee - Ff - Gg - Hh - Ii - Jj - Kk - Ll - Mm - Nn - Oo - Pp - Qq - Rr - Ss - Tt - Uu - Vv - Ww - Xx - Yy - Zz
  1. ghibliは「ギブリ」が正しい。スタジオジブリは、誤読を社名にしたものである。