渡邉寛
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渡邉 寛(わたなべ ひろし、1931年12月10日[1] - 1997年11月[2])は、マルクス経済学者。東日本国際大学経済学部国際経済学科教授、学部長[1]。東北大学名誉教授[2]。専攻は農業問題[3]。
略歴・人物[編集]
東京生まれ。東京商科大学予科を経て[4]、1953年一橋大学経済学部卒業[1]。1957年一橋大学大学院経済学研究科出身[5]。一橋大学の大学院まで都留重人のもとで学んだが、学部学生のころから宇野弘蔵と親交があり[6]、宇野を師と仰ぐ[4]。1960-69年法政大学経済学部に勤務。同助手[7]、助教授を経て[8]、東北大学経済学部教授[3]。1995年停年退官[9]。東日本国際大学教授に在職中に急逝[4]。
宇野理論の継承者の1人[10]。太田仁樹は渡邉の著書『レーニンの農業理論』(御茶の水書房、1963年)について、「レーニンの言説に対して批判的な分析を加えた最初の学問的著作というべきで,研究史上画期的な位置を占めている」と評している[11]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『レーニンの農業理論』(御茶の水書房、1963年)
- 『レーニンとスターリン――社会科学における』(東京大学出版会[UP選書]、1976年/川上忠雄編・解説、こぶし書房[こぶし文庫 戦後日本思想の原点]、2007年)
- 『迷走するECの農業政策』(批評社、1994年)
共著[編集]
編著[編集]
訳書[編集]
- M.E.L.研究所編『マルクス年譜』(岡崎次郎共訳、青木書店、1960年)
- ルカーチ『レーニン論』(青木書店[青木文庫]、1965年/こぶし書房、2007年)
分担執筆等[編集]
- 日高普編『講座戦後日本の思想 2 経済学』(現代思潮社、1962年)
- 桑原武夫、伊藤整、松浪信三郎、日高六郎編『世界思想教養全集 11 マルクスの政治思想』(河出書房新社、1962年)
- 『世界の思想 11 マルクスの政治思想』(河出書房新社、1965年)
- 遊部久蔵編『資本論講座 第6分冊 地代・収入』(青木書店、1964年)
- 務台理作、田中美知太郎、高島善哉、松浪信三郎責任編集『世界の大思想 第2期 4 マルクス 経済学・哲学論集』(河出書房、1967年)
- 務台理作、田中美知太郎、高島善哉、松浪信三郎責任編集『世界の大思想 第2期 5 エンゲルス』(河出書房、1967年)
- 大内力編著『経済学全集 15 農業経済論』(筑摩書房、1967年)
- 鈴木鴻一郎編『マルクス経済学の研究 上』(東京大学出版会、1968年)
- 宇野弘蔵監修『講座 帝国主義の研究――両大戦間におけるその再編成 1 帝国主義論の形成』(青木書店、1973年)
- 宇野弘蔵監修『講座 帝国主義の研究――両大戦間におけるその再編成 2 世界経済』(青木書店、1975年)
- 日高普、大谷瑞郎、斎藤仁、戸原四郎編『マルクス経済学――理論と実証』(東京大学出版会、1978年)
- 半田正樹、工藤昭彦編『現代の資本主義を読む――「グローバリゼーション」への理論的射程』(批評社、2004年)
- 小島亮編『福本和夫の思想――研究論文集成』(こぶし書房、2005年)
- 櫻井毅、山口重克、柴垣和夫、伊藤誠編著『宇野理論の現在と論点――マルクス経済学の展開』(社会評論社、2010年)
出典[編集]
- ↑ a b c 日外アソシエーツ編『現代日本人名録 1998 4. ひろ~わ』日外アソシエーツ、1998年、1668頁
- ↑ a b 現代の資本主義を読む―「グローバリゼーション」への理論的射程 紀伊國屋書店
- ↑ a b 大内力、渡辺寛、馬場宏二、中山弘正編著『第二版 経済学全集 20 農業経済論』筑摩書房、1977年
- ↑ a b c レーニン論 紀伊國屋書店
- ↑ 作道好男、江藤武人編『一橋大学百年史』財界評論新社、1975年、1788頁
- ↑ 伊藤誠『『資本論』と現代世界――マルクス理論家の追憶から』青土社、2023年
- ↑ 『法政大学百年史』法政大学、1980年、537頁
- ↑ 渡辺寛『レーニンの農業理論』御茶の水書房、1963年
- ↑ 『研究年報経済学』第56巻第4号、1996年1月
- ↑ 福留久大「『マルクス理論研究』, 小幡道昭・青才高志・清水敦編, 御茶の水書房, 2007年(PDF)」『季刊経済理論』第45巻第2号、2008年
- ↑ 太田仁樹「<研究ノート>マルクス主義理論史研究の課題(X) : 岡田和彦著『レーニンの市場と計画の理論』によせて」『岡山大学経済学会雑誌』31巻2号、1999年、276頁
- ↑ 岡崎次郎『マルクスに凭れて六十年――自嘲生涯記』青土社、1983年