山口重克

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山口 重克(やまぐち しげかつ、1932年7月27日 - 2021年9月11日[1])は、マルクス経済学者。東京大学名誉教授。

福井県今立郡北日野村(現・越前市)生まれ。1951年福井県立武生高等学校卒業。1955年東京大学経済学部経済学科卒業。1962年東京大学大学院社会科学研究科理論経済学・経済史学専門課程博士課程単位取得退学[1]。東大大学院で鈴木鴻一郎の演習に参加し、同時に東大社研に在職していた宇野弘蔵に直接学ぶ機会を持った[2]。1962年電気通信大学経営工学教室助手。1965年新潟大学商業短期大学部講師、1966年助教授、1968年法政大学経済学部助教授[1]。同年9月「商業資本の研究」で経済学博士(東京大学)[3]。1972年法政大学経済学部教授。1974年東京大学経済学部助教授、1977年教授。1993年定年退職。東京大学名誉教授、国士舘大学政経学部教授。2003年退職[1]

宇野学派の代表的な研究者。主著『経済原論講義』(東京大学出版会、1985年)[1]。門下生に青才高志[2]新田滋がいる[4]。山口の定年退職後、東大経済学部の「経済原論」の担当は小幡道昭が継承した[5]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『競争と商業資本』(岩波書店、1983年)
  • 『資本論の読み方――宇野弘蔵に学ぶ』(有斐閣、1983年)
  • 『金融機構の理論』(東京大学出版会、1984年)
  • 『経済原論講義』(東京大学出版会、1985年、オンデマンド版2017年)
  • 『価値論の射程』(東京大学出版会、1987年)
  • 『経済学・人間・社会』(時潮社、1992年)
  • 『価値論・方法論の諸問題』(御茶の水書房、1996年)
  • 『商業資本論の諸問題』(御茶の水書房、1998年)
  • 『金融機構の理論の諸問題』(御茶の水書房、2000年)
  • 『類型論の諸問題』(御茶の水書房、2006年)
  • 『現実経済論の諸問題』(御茶の水書房、2008年)

共著[編集]

  • 『現代金融の理論』(小野英祐、志村嘉一、玉野井昌夫、春田素夫共著、時潮社、1971年)
  • 『宇野弘蔵をどうとらえるか』(清水正徳、海原凛岩田弘桜井毅鎌倉孝夫大内秀明降旗節雄山口勇共著、芳賀書店、1972年)
  • 『経済原論』(桜井毅、浜田好通、春田素夫、永谷清、河西勝共著、世界書院[経済学叢書]、1979年)
  • 『現代金融の理論と構造』(志村嘉一、小野英祐、佐々木隆雄、春田素夫共著、東洋経済新報社、1983年)
  • 『現代の金融システム――理論と構造』(小野英祐、吉田暁著、佐々木隆雄、春田素夫共著、東洋経済新報社、2001年)

編著[編集]

  • 『資本論研究入門』(大内秀明、桜井毅共編、東京大学出版会、1976年)
  • 『資本論を学ぶ(全5巻)』(佐藤金三郎、岡崎栄松、降旗節雄共編、有斐閣[有斐閣選書]、1977年)
  • 『講座現代経済思潮 第2巻 マルクス経済学の現状と展望』(大内秀明、桜井毅共編、東洋経済新報社、1978年)
  • 『競争と信用』(侘美光彦伊藤誠共編、有斐閣、1979年)
  • 『経済学I――資本主義経済の基礎理論』(桜井毅、侘美光彦、伊藤誠共編、有斐閣[有斐閣大学双書]、1980年)
  • 『経済学Ⅱ――資本主義経済の発展』(桜井毅、侘美光彦、伊藤誠共編、有斐閣[有斐閣大学双書]、1980年)
  • 『価値論の新展開』(伊藤誠、桜井毅共編、社会評論社[マルクス経済学叢書1]、1983年)
  • 『利子論の新展開』(伊藤誠、桜井毅共編、社会評論社[マルクス経済学叢書2]、1984年)
  • 『二つの経済学――対立から対話へ』(根岸隆共編、東京大学出版会、1984年)
  • 『マルクス経済学・方法と理論』(平林千牧共編、時潮社、1984年)
  • 『恐慌論の新展開』(伊藤誠、桜井毅共編、社会評論社[マルクス経済学叢書3]、1985年)
  • 『市場システムの理論――市場と非市場』(編、御茶の水書房、1992年)
  • 『市場経済――歴史・思想・現状』(編、名古屋大学出版会、1994年、新版2004年)
  • 『東アジア市場経済――多様性と可能性』(編著、御茶の水書房、2003年)
  • 『ITによる流通変容の理論と現状』(福田豊、佐久間英俊共編、御茶の水書房[日本流通学会流通研究シリーズ]、2005年)
  • 『宇野理論の現在と論点――マルクス経済学の展開』(櫻井毅、柴垣和夫、伊藤誠共編著、社会評論社、2010年)

訳書[編集]

  • 『論争・転形問題――価値と生産価格』(桜井毅、伊藤誠共編訳、東京大学出版会、1978年)
  • 『欧米マルクス経済学の新展開』(伊藤誠、桜井毅共編・監訳、東洋経済新報社、1978年)

出典[編集]

  1. a b c d e 柴崎慎也「山口重克 著作目録 : 研究ノートPDF」『東京経大学会誌(経済学)』第321号、2024年2月
  2. a b 青才高志「価値に関連した諸問題PDF」「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(第2期第27号‐通巻第39号)、2022年12月21日
  3. CiNii 博士論文
  4. 新田滋「⼭⼝重克『現実経済論の諸問題』に即して――あわせて最晩年の時代的類型論の発展について――PDF」「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter(第2期第27号‐通巻第39号)、2022年12月21日
  5. 柴垣和夫のFacebook 2021年9月14日

外部リンク[編集]