林健久

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林 健久(はやし たけひさ、1932年 - )は、マルクス経済学者。東京大学名誉教授。専門は財政学。

長野県生まれ。1955年東京大学経済学部卒業。1960年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位修得退学。1960年東京大学社会科学研究所助手。1963年立正大学経済学部助教授[1]。1964年「明治前期の租税構造」で経済学博士(東京大学)[2]。1966年立正大学経済学部教授。1970年東京大学経済学部助教授。1975年同教授。1976年東京大学社会科学研究所教授(併任)[1]。1992年定年退官、名誉教授[3]流通経済大学経済学部教授[4]。第5期日本学術会議会員[3]地方財政審議会会長[5]

加藤榮一と並ぶ宇野派の財政学者、福祉国家財政論の代表[6]。宇野理論との出逢いは大学2年のときに古本屋で買った『経済政策論・上』[7]。大学院で大内力のゼミに所属し[4]宇野弘蔵の演習も聴講した[7]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『日本における租税国家の成立』(東京大学出版会、1965年)
  • 『ニュー・ディールと州・地方財政』(立正大学経済研究所[立正大学経済研究所研究報告]、発売:御茶の水書房、1969年)
  • 『昭和財政史-終戦から講和まで 第16巻 地方財政』(大蔵省財政史室編、東洋経済新報社、1978年)[8]
  • 『財政学講義』(東京大学出版会、1987年、第2版1995年、第3版2002年)
  • 『福祉国家の財政学』(有斐閣、1992年)

共著[編集]

共編著[編集]

  • 『日本の財政』(貝塚啓明共編、東京大学出版会[東京大学産業経済研究叢書]、1973年)
  • 『日本財政要覧』(武田隆夫、今井勝人共編、東京大学出版会、1977年、第2版1983年、第3版1987年)
  • 『現代日本の財政金融(1-3)』(武田隆夫共編、東京大学出版会[東京大学産業経済研究叢書]、1978-86年)
  • 『ドイツ財政統計1872-1913――ライヒとプロイセン』(加藤榮一共編、東京大学出版会、1983年)
  • 『マルクス経済学・論理と分析』(佐々木隆雄共編、時潮社、1985年)
  • 『政府間財政関係論』(大島通義、宮本憲一共編、有斐閣、1989.年)
  • 『二十一世紀への政治経済学――政府の失敗と市場の失敗を超えて』(池上惇、淡路剛久共編、有斐閣、1991年)
  • 『福祉国家財政の国際比較』(加藤榮一共編、東京大学出版会、1992年)
  • 『日本財政要覧 第4版』(今井勝人共編、東京大学出版会、1994年)
  • 『地方財政読本』(第4版、佐藤進共編、東洋経済新報社、1994年)
  • 『日本財政要覧 第5版』(今井勝人、金澤史男共編、東京大学出版会、2001年)
  • 『グローバル化と福祉国家財政の再編』(加藤榮一、金澤史男、持田信樹共編、東京大学出版会、2004年)

出典[編集]

  1. a b 東京大学社会科学研究所編『社会科学研究所の30年――年表・座談会・資料PDF 』東京大学社会科学研究所、1977年、97頁
  2. CiNii 博士論文
  3. a b 日外アソシエーツ編『新訂 現代日本人名録2002 3.そ~ひれ』日外アソシエーツ、2002年
  4. a b 『エコノミスト』1994年5月号
  5. 総合研究開発機構 (NIRA)戦後経済政策資料研究会編『国民所得倍増計画資料 第1巻』日本経済評論社、1999年
  6. 樋口均「宇野理論と財政学 ――国家論に向けて――PDF」「宇野理論を現代にどう活かすか」Newsletter第2期第14号、2014年
  7. a b 大内秀明鎌倉孝夫、林健久、佐伯尚美『宇野弘蔵 著作と思想』有斐閣新書、1979年、72頁
  8. 昭和財政史-終戦から講和まで 財務総合政策研究所