シベリア抑留

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シベリア抑留(シベリアよくりゅう)とは、太平洋戦争後にソ連軍によって拘束された日本人がシベリアの強制労働収容所に送られたことである。モンゴルなどシベリア以外に送られた事例もあるのだが、一貫してこのことはシベリア抑留と言われている。

概要[編集]

第2次世界大戦が始まると、日本1941年東南アジアに進出するため、北のソ連日ソ中立条約を締結していた。しかし、中立条約がまだ有効である1945年8月9日、ソ連軍は満州国に向けて侵攻を開始する。この侵攻により関東軍は壊滅し、結果として満州国や朝鮮半島で多くの日本兵や民間人らが拘束されて、第2次世界大戦後にシベリアやモンゴルなどの強制労働収容所に送られることになった。その数は約57万5000人と言われていたり、抑留者の中には女性も含まれていたとされるなど、実態の解明が今もなお未解明のままのものが多い。

これらの抑留者はソ連の命令で森林伐採や鉄道建設、建物の建設、農作業、工場業務など多様な労働に従事させられた。ソ連はこれら抑留者に対して過酷な対応をしたとされ、酷い栄養失調下痢高熱などに悩まされたという。抑留者の生き残りの手記などによると、「呼吸が乱れて凍傷になっても、発熱がなければ労働を休むことは許されない」「病気と認められても、の夜は広い病室の端まで暖房が届かず、寒さに耐えるしかない」「結果として毎晩のように数人が命を落とし、もっと何か出来たら、と自分を責め続けた」などとある。またトイレ環境が非常に劣悪で、用を足す部屋は深く掘った穴が並んでいるだけで、女性用には1か所だけ目隠しの囲いも付けていたが、冬には氷柱のように凍った排泄物をハンマーで砕き、荷車に乗せて捨てたという。

女性に対しては1947年6月に帰国命令が出されて帰国している。男性に対してはなおも抑留が続き、1956年に日本とソ連との間で日ソ共同宣言が成立して国交が回復し、それにより引き揚げ事業が一気に進んで終了するまで続いた。最も長期の抑留者は終戦の年からなので、10年をはるかに超えていた。未解明のものが多いので正しいとは言い難いが、約5万5000人の日本人がこの抑留で飢えや寒さ、病気のために死亡したとされている。

シベリア抑留に関連する作品[編集]

小説
絵本
  • 井上こみち『氷の海を追ってきたクロ』(2010年、学習研究社) ISBN 4052032810
  • 神津良子・北野美子『氷海のクロ - シベリア抑留(語り継ぐ戦争絵本シリーズ)』(2011年、郷土出版社) ISBN 4863751117
  • 村尾靖子・小林豊『クラウディアのいのり』(2008年、ポプラ社) ISBN 9784591104071
戯曲
漫画
歌曲
映画
テレビドラマ
その他

参考文献[編集]

  • 阿部軍治『シベリア強制抑留の実態 - 日ソ両国資料からの検証』(2005年、彩流社) ISBN 9784779111068
  • 阿部軍治『慟哭のシベリア抑留 - 抑留者たちの無念を想う』(2010年、彩流社) ISBN 9784779115738
  • 石崎誠一『シベリア抑留者 - 大統領の謝罪と抑留問題の決着』(1997年、全貌社) ISBN 4793801463※品切れ
  • 独活章『クロ物語 - 氷海に飛び込んだ犬』(2005年、けやき出版) ISBN 4877512942
  • 御田重宝『シベリア抑留』(1991年、講談社文庫) ISBN 9784061849402※品切れ
  • エレーナ・カタソノワ『関東軍兵士はなぜシベリアに抑留されたのか』(2004年、社会評論社) ISBN 9784784513109
  • 亀井励『シベリア抑留者と遺族はいま』(1992年、かもがわ出版) ISBN 9784876990672※品切れ
  • ヴィクトル・カルポフ『スターリンの捕虜たち - シベリア抑留』(2001年、北海道新聞社) ISBN 9784894531352※品切れ
  • 栗原俊雄『シベリア抑留 - 未完の悲劇』(2009年、岩波新書) ISBN 9784004312079
  • 栗原俊雄『シベリア抑留は「過去」なのか』(2011年、岩波ブックレット) ISBN 4002708047
  • 坂本龍彦『シベリア虜囚半世紀 - 民間人 蜂谷弥三郎の記録』(1998年、恒文社) ISBN 9784770409768※品切れ
  • 白井久也『ドキュメント シベリア抑留 - 斎藤六郎の軌跡』(1995年、岩波書店) ISBN 4000029541※品切れ
  • 白井久也・佐藤清『写真集 シベリア抑留 - 歴史の流れの中で』(1997年、ヒューマン社) ISBN 9784894611016※品切れ
  • 白井久也『検証 シベリア抑留』(2010年、平凡社新書) ISBN 9784582855159
  • 嶌信彦『日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた』(2015年、角川書店) ISBN 9784041035375
  • 立花隆『シベリア鎮魂歌 - 香月泰男の世界』(2004年、文藝春秋) ISBN 4163657509
  • 長澤淑夫『シベリア抑留と戦後日本 - 帰還者たちの闘い』(2011年、有志舎) ISBN 4903426491
  • 中村紀雄『シベリア強制抑留 - 望郷の叫び』(2005年、上毛新聞社出版局) ISBN 9784880589312※品切れ
  • ウィリアム・F・ニンモ『検証 - シベリア抑留』(1991年、時事通信社) ISBN 9784788791060※品切れ
  • 畑谷史代『シベリア抑留とは何だったのか - 詩人・石原吉郎のみちのり』(2009年、岩波ジュニア新書) ISBN 9784005006182
  • 辺見じゅん『収容所から来た遺書』(1989年、文春文庫)講談社ノンフィクション賞大宅壮一ノンフィクション賞 ISBN 9784167342036
  • 辺見じゅん『ダモイ 遥かに』(2008年、メディアパル) ISBN 9784896100839
  • 松本宏『告発 シベリア抑留 - 国民に隠された真相』(2004年、碧天舎) ISBN 4883465012※品切れ
  • 若槻泰雄『シベリア捕虜収容所』(1999年、明石書店) ISBN 9784750311807

関連項目[編集]

外部リンク[編集]