発電

発電(はつでん)とは様々な方法にて電気エネルギーである電力を発生させることである。

概要[編集]

現代社会において電力は欠かせない存在である。これを発生させるには大規模な発電施設が必要である。発電所では発電機で電力を発生させるが、これには様々な種類がある。また、発電所以外でも、発電を行っている。

水力発電
- ダム湖や貯水池に貯水した水を高地から低地へ移動させ、その落差を利用してタービンを回転させ、位置エネルギーから運動エネルギーを経て電気エネルギーを得るものである。
- ダムを使用した大がかりなものから、水路を利用した小規模のものまである。設置場所が限られ、ダムの建設に莫大な費用がかかる。
火力発電
- 石炭、石油をボイラーで燃焼させ、高温高圧の水蒸気でタービンを回転させる蒸気タービンが使われる。熱エネルギーから電気エネルギーを得るものである。場所を選ばないが、大量の化石燃料を必要としている。また、始動、停止が困難という短所がある。
原子力発電
- ウランを原子炉で核分裂させて得た熱で発生させた高温高圧の水蒸気でタービンを回転させ、熱エネルギーから電気エネルギーを得るものである。使用済み核燃料や放射性廃棄物の扱いが難しいこと、事故による放射線での環境汚染の可能性があるという短所がある。
各種発電

人力発電
- 豆電球を点灯させる知育玩具としての人力発電機は古くからあるが、防災用品として、ラジオの視聴、懐中電灯点灯、携帯電話の充電を行う程度の商品が登場した。手回し式のものがほとんどだが、自転車式の大がかりなものも市販されている。
太陽光発電
- セレンのような半導体に光を当てると接続する端子間に電位差が発生することが19世紀末に発見された。天候に左右される短所がある。ｐｎ結合の半導体素子(ダイオード)に抵抗を接続して光を当てると、ｎ型半導体からｐ型半導体に電流が流れる。これが太陽電池で、太陽光発電として使用される。発生する電流は直流なので消費者に送電するときは半導体を用いて交流にする必要がある。シリコンの単結晶でできており、高温で焼成するので高価である。

地熱発電
- 温泉の噴出する井戸を掘り、熱水から得られた高温高圧の水蒸気でタービンを回転させ、熱エネルギーから電気エネルギーを得るものである。外部からのエネルギーが必要ないが、設置場所が限られること、タービンの腐食、温泉の枯渇で観光地に打撃を与えるという短所がある。
内燃力発電
- ガス機関、ガソリン機関、石油機関、ディーゼル機関などがある。このうち、ガソリン機関と石油機関は特殊な用途にのみ使われており、一般的ではない。ガス機関は石油精製工場の余剰ガスが発生する場所などに使用されている。普通発電としてはディーゼル機関が広く用いられている。(ディーゼル発電機を参照。)
バイオマス発電
波力発電
潮力発電
マイクロ水力発電
宇宙太陽光発電
振動発電
サツマイモ発電
アンモニア発電
MHD発電
熱電発電
燃料電池発電
風力発電
- 風が吹くことにより、大気圧の運動エネルギーで風車を回転させ、運動エネルギーから電気エネルギーを得るものである。設置場所が限られること、天候に左右されること、渡り鳥が衝突するバードストライクが起きること、強風により、破損、倒壊する可能性があるという短所がある。

発電所から需要地に向けては交流によって送電される。このときは三相交流で行われる。 (電力輸送を参照)

配電施設のないところでは自家発電を行う。人口希薄地帯、乗り物、災害時の停電時に行う。ディーゼルエンジン、ガスタービンがよく使われる。