サービスエリア
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サービスエリア(英語:Service Area)とは、高速道路上に存在する休憩場所のことである。基本的に、パーキングエリア(PA)より規模が大きい。通称「SA」。
基本的に、トイレ、自動販売機、売店、食事処があるが、稀にスマートインターチェンジ、温泉、ガソリンスタンド、仮眠休憩施設などのある規模が極めて大きいサービスエリアもある。だいたい50km毎に設置されている。
日本道路公団管轄下ではパーキングエリアとの違いをはっきりさせていたが、道路公団民営化でコンビニなどの業者参入や施設撤退を自由化させてからは、SAとの違いははっきりしていない。ガソリンスタンドがあってもレストランなどが併設されていないため、設備的にはパーキングエリアと大差ないものもある。それどころか近年はサービスエリアを凌ぐ巨大パーキングエリアさえ見られるようになった。
巨大規模のSA[編集]
東日本[編集]
西日本[編集]
その他[編集]
- 高速道路のサービスエリア等で売られている弁当は速弁(はやべん)と呼ばれることがある。駅弁や空弁のブームを参考にして、NEXCO中日本とJTB中部が商標登録した。2,000円前後の高級志向の弁当が多い。
一方、NEXCO東日本では「道楽(どら)弁当」というネーミングで販売を開始した、こちらは、コンビニ弁当のように、1,000円以下で気軽に買いやすい弁当を指向している。 - 道路標識におけるサービスエリアの標識の「スパナ」(修理)の表示が2000年1月に廃止された(ただし西広島バイパス佐方SAなどは現在でも残っている)。これは給油所において簡易な作業しか行うことが出来ないため、故障などの修理には対応できず、運転手の混乱を招くためである。なお、一部で「i」(ハイウェイ情報ターミナル)の表示が追加されている標識もある。またトイレと自動販売機しかないPAには自動販売機が表示されるように変更されている(NEXCO西日本のエリアでは自動販売機のあるすべてのエリア、NEXCO中日本のエリアでは自動販売機のある一部エリアに自動販売機が表示されている)。NEXCO西日本のすべてエリアとNEXCO中日本の一部エリアでは日本自動販売機工業会(JVMA)が制定した「自販機ピクトグラム」がそのまま用いられている。
- 暫定2車線で供用されている区間の多くはエリアの前後区間で一時的に4車線化していることが多い(4車線拡張時に対応できるようにランプ部を若干広く確保しているため)。もっとも、場合によっては2車線のままである事もある。
- 札樽道・伊勢湾岸道・広島道・沖縄道などには、すべてのSA・PAに売店がある。いずれも距離が短く、SA・PAがあっても1~2箇所である。
- 北海道では、一番大きいエリアはSAではなく輪厚PAで、北海道内では同エリアにしかない施設(インフォメーション、24時間営業のガソリンスタンド)もある。また北海道でハイウェイショップの営業時間が一番長いSAは樽前SAである(同SAは北海道に本社を置くコンビニ「セイコーマート」を売店にしており、上下線とも24時間営業である。PAも含めると野幌PAもこれに該当する。)。逆に、一般的なSAにある施設(ガソリンスタンド等)がないSA、さらには一般的なPAにもある施設すらないSA(十勝平原SA)もあるなど、施設の態様はエリアによりさまざまである。
- 公団民営化後はガソリンスタンドの閉鎖が行われたSAも多い。また、かつてはほとんどのガソリンスタンドが24時間営業であったが、地方部を中心に深夜営業を取りやめたスタンドも多い。このため、給油所廃止や夜間休業によりかなり手前のSAで給油せざるを得ない事象に加え、ガソリンスタンド空白地帯直前のSA(岩手山SAなど)での渋滞、給油所廃止の情報を知らないドライバーの場合、予定が狂い給油のためだけに途中のICで降りざるを得なくなったり、最悪の場合、道路上で(燃料切れ等)エンストして救援を呼ぶ様な事象が増加している。さらに、休日特別割引適用による交通量増加も相まってこの事態はより深刻なものとなっている。高速道路上で燃料切れを起こした場合、道路交通法違反で処罰の対象になるだけでなく、追突事故を招く恐れがあり非常に危険である。対策として給油のために特定ICで一度流出しても連続走行と同じ料金を適用する「路外給油サービス」(多くはETC車限定だが、十勝清水IC[1]のように現金車も対象になる場合もある)の社会実験や、花輪SAなど一部SA・PAでガソリン缶を販売するなどしている。
- 一方で電気自動車の普及に伴い、給油所の廃止後、電気自動車の充電スタンドは新設されるケースもある。
- 道路によっては売店のあるエリアのみサービスエリアとし、売店のないエリアはパーキングエリアにしている所もある。(例:八戸道・大分道・宮崎道)
- 流出路を誤認し、逆走事故を招くこともある。
原因などについては「逆走事故」を参照
- サービスエリア・パーキングエリアのトイレの和風便器は長らく半トラップ式で便器の半トラップからU字下水溝に流し込む特殊な便器(TOTOではC183R型便器)が採用されていたが、現在は通常の市販品の掃除口付き和風便器(TOTOではC755CU)が採用されており、改修工事等で半トラップ式の和風便器は急速に減少している。
- トイレ内の手洗い器は衛生面や水の出しっぱなしを防ぐため、自動水栓を備えることが増えてきている。
- 飲酒運転防止のため、近年はアルコール類の直接販売は行っていない。たとえお土産であっても取り扱っていないため、NEXCO東日本(2010年に酒類販売免許を取得)ではカタログによる通信販売という形式でアルコール類の購入が可能であり、地域ごとのSAによって購入できる種類が異なる[2]。
- 通行券の交換による不正通行を防止するため、1970年代に建設されたサービスエリア・パーキングエリアで、意図的に上下線を離して設置することがあった[3]。それでも、不正が生じたためチェックバリアを新設するきっかけともなっている。
- 有料区間でETC利用者に限ってICでの時間限定の途中出場を認める施策を始めたことで、道の駅がSAの役目を実質担っているケースもある。
脚注[編集]
- ↑ “道自動車道のガソリンスタンド空白区間の緩和への取組みについて”. 2017年6月5日確認。
- ↑ “東日本初!SA・PAで酒のカタログ販売を開始します! 平成21年3月17日”. 2018年8月12日確認。
- ↑ 『日本道路公団三十年史』、日本道路公団、1986年4月、381頁