最寄駅まで最も遠い場所

最寄駅まで最も遠い場所（もよりえきまでもっともとおいばしょ）とは、ある地域で最寄駅からの距離が最も長いか、最も時間がかかる場所のことである。

日本全国

日本の領土内で、最寄駅からの直線距離が最も遠い場所は日本最東端にある南鳥島の坂本崎であり、最寄駅である外房線の御宿駅まで約1786km離れている。ただし、南鳥島には人間は定住していない。人間が定住している場所に限ると、最も遠いのは小笠原諸島母島の南崎であり、最寄駅である伊豆急行線の伊豆急下田駅まで約947km離れている。所要時間を基準とするとここからの最寄駅であるゆりかもめの竹芝駅までは26時間以上かかり、この基準でも日本一である。本土4島（北海道、本州、四国、九州）に限った場合、最も最寄駅への直線距離が長いのは北海道の襟裳岬で、最寄駅である根室本線の新吉野駅まで約99km離れている。この広大な鉄道空白地帯は2021年の日高本線の部分廃線に伴って生じたものである。本州に限れば石川県の珠洲岬で、最寄駅であるのと鉄道の穴水駅まで50.3km離れていた。能登半島の鉄道空白地帯は2005年にのと鉄道能登線が廃線となったことにより生じた。これに次ぐのは和歌山県十津川村南部の山中で、最寄駅である近鉄吉野線の吉野駅まで35kmほど離れている。この鉄道空白地帯には鉄道が通ったことはない（かつては五新線を建設する計画があったが、未成線に終わった）。また、日高本線の部分廃線以前に最も最寄駅までの直線距離が長かったのは北海道知床岬で、最寄となる釧網本線知床斜里駅まで約71km離れていた。この鉄道空白地帯には一度も鉄道が通ったことはない。ただし、1957年から1970年までは根北線が存在したため、同線の下越川駅までの方が69kmほどとやや近かった。なお、鹿児島県佐多岬は、直線距離で考えると指宿枕崎線の大山駅まで23kmほどしか離れていないが、大山駅との間には鹿児島湾があるため、陸路で向かう場合は鹿児島湾を迂回しなければならず、実質的な最寄駅は約67km離れた日南線の志布志駅となる。

日本の首都圏

多くの鉄道路線がひしめく首都圏の1都7県（島嶼部を除く）において最寄駅からの直線距離が最も遠い場所は群馬県片品村檜高山付近の福島県との県境上で、最寄駅であるわたらせ渓谷鉄道の間藤駅から約32km離れている。南関東の1都3県に限れば、埼玉県秩父市甲武信ヶ岳付近の山中で、最寄駅である小海線信濃川上駅と秩父鉄道三峰口駅まで約21km離れている。東京都内では、奥多摩町の雲取山付近の山中で、最寄である三峰口駅と青梅線奥多摩駅まで約12.3km離れている。東京23区においては、東京湾にある中央防波堤外側埋立地（帰属未定）の南東端が最も遠く、最寄のテレコムセンター駅まで約5.8km離れている。人工島を除くと、練馬区大泉町一丁目36番地の別荘橋バス停付近で、最寄駅の和光市駅と西武池袋線大泉学園駅から約2.51km離れている。さらに、山手線の内側に限れば渋谷区東4丁目の國學院大學付近で、最寄駅の渋谷駅・恵比寿駅から約910m離れている。

世界

地球上において最寄駅からの直線距離が最も遠い場所は南極大陸にある。この地点はオーストラリアのパース、南アフリカ共和国のケープタウン、チリのフエゴ島のいずれの鉄道からも5000kmほど離れている。