CMYK
CMYK(シーエムワイケー)とは、色の三原色、印刷インクの三原色であるCMYを元に、色(色料、色材)の三原色であるCMYから派生した、「減法混色」に基づく色の表現法である。
概要[編集]
プリンター(カラープリンター)の印刷インク、カラー写真、カラー印刷、色素、透明の絵の具に使用されている。印刷物で色を表現するもの。
Cyan(シアン=やや緑がかった明るい青)(●)、Magenta(マゼンタ=赤みがかった明るい紫)(●)、Yellow(イエロー=黄色)(●)の頭文字と、Key plate(キー・プレート)(●)から、頭文字1字を取ったものや、黒(くろ)のローマ字表記「Kuro」とする説もある。CMYKのKは、青の英語表記であるBlueと混同しないように黒の英語表記であるblacK(●)のKを用いたものでもある。「blacK→K」となる。黒は、墨とも呼ばれる。シアン、マゼンタ、黄色、黒の4色の組み合わせで色を表現する。減法混合。減法混色の語源は、混色した元の色よりも明るさが減少するという意味で、ある色からある部分の光を取り除くことでできる混色に由来する。CMYは色の三原色、印刷インクの三原色、減法混色の三原色、物体色の三原色である。CMYKは減法混色の四原色、物体色の混色、物体色の四原色ともいう。
色の見せ方は、CMYKのベースは白で、色は着色で、着色するところは白い物体のうち、主に紙やパレットであり、紙やパレットに色を加えて色を表現し、ここにシアン・マゼンタ・黄色・黒の4色を混ぜることにより、輝度(光の明るさ)や明度(色の明るさ)が落ち、色が暗くなり、黒に近付いていき、色が減っていくので、減法混色とも呼ばれる。CMYKの4色だけで、混色の比率の割合を変えることによって、ほとんどの色を作れる。光のエネルギーを減じることによって色を作る、減算合成のことである。理論上は、黒を除いてCMY=シアン、マゼンタ、黄色の三色による色の三原色としている。CMYの三原色であるシアン、マゼンタ、黄色の三色を混ぜただけでは、理論上は黒といえるが、完全な黒(真っ黒)にはならず、「暗灰色」に近い色になり、完全な黒や無彩色・灰色を表現できないため、プリンターの印刷インクでは、黒を加えて4色のインクで構成され、全ての色域を作っている。これにより、減法混色では、CMYKの4色が基本色となる。黒のインクでは、完全な黒や、無彩色・灰色を再現できる。黒のインクは、文字などに使われることが多い。CMYKの原理となる物質は、インクの他に、色セロファン、カラーフィルター、色ガラス、透明の絵の具、染料、色素、マジックインキ、カラーフィルムといった、有彩色で透明の物質で、透明の液体で、光を透過できるもので、透過色の仲間で、透明色の仲間であり、複数の色を重ね合わせたときの色の混ざり方により実感できるもので、混色時、透明の絵の具で、複数の色を重ね塗りした際、下地が透けて見える色になるものである。CMYKの原理は、減法混色の原理のことである。CMYKの原理と同じ絵の具は、透明の絵の具である。絵の具やインキの重ね刷りでは、その色材が透明な色である場合のみ、CMYKと同じ原理の混色が成り立つ。
色の混合の比率を1:1で混ぜた場合、シアンとマゼンタを混ぜると群青色(●)、マゼンタと黄色を混ぜると赤(●)、シアンと黄色を混ぜると緑(●)になる。K(黒)を除くCMYのうち、隣り合う原色同士、2種類の色を混ぜると、それぞれ、光の三原色RGBの色が生まれる。印刷していない部分は白である。CMYKそれぞれの1つの色をCMYKの一次色という。CMYKのうち、Kを除くCMYの3色では、CMYの2つの色の混合でできる群青色、赤、緑を合わせてCMYの二次色という。CMYの二次色は、RGBの一次色付近の色といえる。
CMYKのそれぞれの反転色同士の2色を混ぜると、理論上は黒といえるが、完全な黒(真っ黒)にはならず、「暗灰色」に近い色になり、完全な黒、完全な無彩色にはならず、シアンとマゼンタと黄色を混ぜたものとほぼ一致する。
カラー印刷物をルーペで拡大すると、CMYKの各色が組み合わさって見え、ハーフトーン(網点)が見える。網点は小さな点の集まりである。網点が重なることによって、色の濃淡と、さまざまな中間色を表現できる。細かく並んだ複数の色が混色して見えるので、併置(並置)混色で、中間混色の種類である。グレー階調・無彩色や灰色の網点の場合は、白い背景の上に黒い小さな点のパターンが並んでいる。網点の数が多いほど、本物に近いきれいなカラー印刷になる。網点が密集していると濃い色になる。CMYKの数値は、CMYK値で、0%~100%の101段階で表され、数値が大きくなるほど色が濃くなり、数値が小さくなるほど色が薄くなる。CMYKの色の表現は、濃さ・濃度で表され、それぞれの色の濃度は%で示される。CMYK値は、プロセスカラー値ともいう。
CMYK原理でインクの色を薄める場合は、水かColorless Blenderのインクを使用する。
プリンターのイエローインクの液体の色は、濃縮時は濃いオレンジ色(●)をしている。プリンターのイエローインクの液体を紙の上に着色して広げたときは、濃い段階ではオレンジがかった黄色(●)になる。その理由は、プリンターのイエローインクを白い紙の上に着色したときや、プリンターの印刷で出したとき、薄く伸ばした段階でも、黄色がほとんど薄くならないようにするためであり、黄色系の色域の表現力を大幅に再現できるからである。もし、プリンターのイエローインクが赤みを帯びない黄色だったら、レモン色より更に薄くなってしまい、膨張して、黄色系の色域の表現力を再現できず、黄色が出せないからである。
プリンターのイエローインクの色の確認は、注入型計量容器(注射器)を使ってインクを取り出し、ボトルに入れる。これは詰め替えインクである。
CMYKで色を表現するシステムを「CMYKカラーモード」といい、RGBカラーをCMYKカラーに変換したものである。CMYKカラーは、プロセスカラーとも呼ばれる。RGBカラーとCMYKカラーでは、再現できる色の領域(色域)が異なる。RGBカラーとCMYKカラーとの違いは、RGBは光であり、RGBカラーでは、明るく鮮やかな色域がとても多く、全ての幅広い色、あらゆる色を表現できるが、CMYKではRGBカラーを再現できる範囲が欠けていて、色域がやや狭く、特に明るく鮮やかな色の再現がしにくく、表現できない色の範囲がある。そのため、CMYKカラーはRGBカラーに比べて鮮やかさ・明るさが欠け、色が少しでもくすんでいて、色相の角度の値は、RGBカラーとCMYKカラーと比較したときでは、ずれている。CMYKは、色を正確に再現することは難しい。CMYKカラーは、印刷したときの色、印刷の色を表現するものである。印刷したときの色は、現実・自然界で再現できる色に近い。CMYKカラー値とRGBカラー値は、使用しているプログラムのカラーチェンジによって、異なる値になっている。RGBカラーであれば、CMYKカラーでは表現できない明るく鮮やかな色域の表現が可能となる。CMYKカラーでは、RGB値の表示は、CMYK値からRGB値に置き換えた数値である。
プリントして見えた色は、実際に見えた元のモニターの色とは異なって見えることがある。モニターの色とプリンターで印刷した色が、ほぼ一致するものを「カラーマネージメント」という。
CMYKは、言わばある色からある部分の光を取り除いたり、吸収したりするフィルターの重ね合わせである。光の引き算で色が作られるものである。ある色から吸収される光を取り除くことで色ができる。光を除去する混色である。色が重なることにより光は吸収され、その結果色が暗くなる。
マゼンタと黄色を混ぜて赤になる計算は、マゼンタ単体では、緑の光が吸収され、残った赤と青の反射によってできる。マゼンタに黄色を混ぜると、黄色を加えることにより青の光が吸収され、緑と青の光が吸収されて、赤だけが残る。反転色同士を混ぜると黒になる計算は、例として、赤に、赤の光が吸収されることでできるシアンを加え、すべての光が吸収されて、黒になる。
シアン、マゼンタ、黄色の3つの色の混色により、理論上黒になるのは、CMYの三原色全て物体に吸収されるからである。
4色刷りは、通常、黒→シアン→マゼンタ→黄色の順に印刷される。
CMYのうち、どれか2つ混色したときの色を1:1で混ぜ合わせ・掛け合わせての濃淡表現では、薄い段階では、鮮やかさがやや欠ける。
CMYKの混色でも、2色以上の異なったカラーフィルターを重ねて、光を透過すると、CMYの二次色でも鮮やかな色に見えることがある。
カラーモード[編集]
色名 | ウェブカラー、モニターカラー、RGBカラー、光源色 | プロセスカラー、CMYKカラー、印刷色、物体色 |
シアン | #00FFFF | #00BEEE |
マゼンタ | #FF00FF | #F200B6 |
イエロー(黄色) | #FFFF00 | #FFF600 |
色セロファン、カラーフィルター、透明の絵の具におけるCMYKは、CMYKカラーである。
RGBカラーの場合、CMYKのうち、Kを除くCMYの3色は、それぞれRGBの反転色で、RGBの二次色であり、可視光線ではRGBの各色を物体に吸収したもので、そのうちのCMYの三色は、色相の角度では、色相0°の赤の反転色、色相180°のシアンを基準に色相を3等分し、逆さまの正三角形の各頂点に当たる色となり、右回りに120°ずつの間隔を置いて並んでいる。色相を3等分した計算は、360°÷3=120°。シアン(●)は180°、マゼンタ(●)は300°、黄色(●)は60°。CMYの色の配列は、正三角形を下から右回りに進んだ色で、色相の角度の差が均等に120°右回りに移動している。
ウェブカラー、モニターカラー、RGBカラーの黄色(●)はレモン色っぽい黄色をしている。色相0°の赤の反転色、色相180°のシアンを基準に、色相環を3等分したものからできる黄色は、色相60°のレモン色っぽい黄色で、厳密にはわずかに緑みの黄色である。
RGBカラーとCMYKカラーでは、RGBカラーの「緑と青(群青色)の混色でできたシアン、カラーコード=#00FFFF」とCMYKカラーの「シアン」、RGBカラーの「赤と青(群青色)の混色でできたマゼンタ、カラーコード=#FF00FF」とCMYKカラーの「マゼンタ」を比べてみるとわかるが、シアンとマゼンタの方が色が濃いため、青~紫系の色にかけてはどうしても色が濁るという傾向がある。
CMYKカラーのシアンは、色相ではウェブカラーのシアンより少し青寄りで、CMYKカラーのマゼンタは、色相ではウェブカラーのマゼンタより少し赤みがかっていて、赤紫と同じ色になる。CMYKカラーの黄色は、RGB値では、ウェブカラーの黄色より、G(緑)の値が約3.5%下がっている。
印刷インクの実際の色における、減法混色・CMYKのY(黄色)は、実際には、全体的に、「●この色・●この色・●この色・●この色」といった、オレンジがかった黄色~一般的な黄色~レモン色っぽい黄色まであり、オレンジを加えた黄色の混色範囲内の色域を含み、色合いが微妙に異なるものが存在し、黄色の様々な色合いがあり、色合いにばらつきがあって紛らわしく、統一は困難である。
プリンターの印刷インクの実際の色におけるCMYKの各色は、それぞれ、「●●●●」「●●●●」になったりする。
マゼンタは、RGBカラーとCMYKカラー両方とも、可視光線の波長の単色光には存在しない。可視光線でマゼンタを作るには、RGBカラーとCMYKカラー両方とも、RGB値で、「1色目=赤」と「2色目=群青色、青紫寄りの青」の2色を比率の割合で混色されてできる二次色から来ている。マゼンタは、可視光線の物体では、マゼンタの反転色である緑を物体に吸収することにより、マゼンタが見える。可視光線のうち、「1色目=赤」と「2色目=群青色、青紫寄りの青」の2つの波長の光が同時に視覚を刺激することによって見える色とされている。
可視光線の単色光にはマゼンタは無く、可視光線でマゼンタは、「1色目=赤」と「2色目=群青色、青紫寄りの青」の2色を比率の割合で混色されてできる二次色の派生カテゴリの色であるのにも関わらず、CMYKといった減法混色では、マゼンタは特例で、一次色扱いとなっている。CMYKそれぞれの色が一次色となる。
文字色[編集]
- 文字色はシアン
- 文字色はマゼンタ
- 文字色は黄色