混浴

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混浴(こんよく)とは、男性女性が一緒に入浴できることである。日本では明治時代まで習慣的に存続していた。また、世界でもその例は非常に多い。

概要[編集]

江戸時代においては男女混浴は当たり前であり、江戸には銭湯が約500件は存在していた。当時は混浴のことを「入り込み湯」と呼んでいた。当時の銭湯はざくろ口という狭い入り口の他に開口部も無く、採光が無いので暗かった。また、混浴による風紀の乱れも著しかったという。このため江戸幕府は風紀の取り締まりに力を容れ、寛政の改革松平定信が混浴を禁止したこともあった。しかし寛政の改革が失敗に終わると、再び混浴が行なわれる。天保の改革において水野忠邦は入り込み湯、つまり混浴による取締りを強化し、銭湯の浴槽の中央に仕切り壁を取り付けたり、男女の入浴時間を分けるなどの対応をした。しかし、江戸では長く混浴の風習が続いていたこともあり、天保の改革が失敗に終わると再び、混浴は続けられた。

混浴が本格的に取り締まられるのは、明治時代の明治23年(1890年)である。この際、明治政府は7歳以上の混浴を禁止するという法律を制定した。

現在では公衆浴場法が制定されており、その中の第3条第2項において「都道府県は衛生や風紀などに関して、銭湯の営業者がとらねばならない措置を条例で定めなければならない」とされている。すなわち、混浴に関する年齢制限は銭湯に関する年齢制限は、銭湯に関する法律の公衆浴場法に基づいて各都道府県の条例によって定められているため、都道府県によって内容が異なっている。

例として、東京都の場合は公衆浴場の設置場所の配置及び衛星措置等の基準に関する条例に「10歳以上の男女を混浴させないこと」と定めている。東京都と同じように混浴を10歳以上は制限している(つまり9歳までなら可能)地方自治体には石川県茨城県埼玉県宮城県愛媛県徳島県鹿児島県など多数存在する。ちなみに9歳まで混浴を認める自治体が日本では最も多い。

混浴の年齢上限で最も高いのは、12歳としている大阪府、11歳までを上限としている和歌山県香川県北海道である。逆に最も制限を厳しくしているのが兵庫県で、5歳である。兵庫県は昭和39年(1964年)の条例施行以来、6歳以上の混浴を禁止としている。この条例では家族風呂であっても条例違反とされており、6歳の子供の場合は異性の湯に入ることはできないのである。ただ、これは余りに厳しすぎるとして論争にもなってしまい、結局平成19年(2007年)末になって家族風呂に関しては夫婦や10歳未満の子供との入浴は認める旨に緩和された。

なぜ、都道府県により年齢制限が異なるのかに関しては、やはり江戸時代までのお国柄の違いが影響しているのではないかと見られている。

ただし、勘違いしないで頂きたいが、子供の場合(12歳までなら)銭湯に入る際に年齢を偽って入浴していても罪には問われない。仮に年齢詐称による入浴が露見したとしても、罰則規定は無く、各銭湯や両親の良識ある判断に全ては任されているのが実情である。

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