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鉄道省モハ40系電車
鉄道省モハ40系電車は、大日本帝国鉄道省が設計、開発した直流電車である。
名称[編集]
モハ40系電車は、正式名称ではなく、鋼製車体、車体長20m、3扉ロングシートの車両を現場や鉄道ファンが便宜的に名付けた通称である。
概要[編集]
車体長20000mm、車体幅2800mm、直流1500V、ロングシートである。運転台の形状によって前期の切妻型と後期の半流型がある。客用扉間の客用窓の数は5つである。ただし、クハ68改造車は6つである。
新製形式[編集]
モハ40[編集]
両運転台の制御電動車である。1959年の形式称号改正によってクモハ40となった。
モハ41[編集]
片運転台の制御電動車である。1959年の形式称号改正によってクモハ41となった。
モハ60[編集]
片運転台の制御電動車である。モハ41の出力向上型である。1959年の形式称号改正によってクモハ60となった。
クハ55[編集]
片運転台の制御車である。
サハ57[編集]
運転台のない付随車である。
クハニ67[編集]
片運転台の3等荷物合造車である。
性能[編集]
形式 | モハ40 |
---|---|
定員 (座席) | 124 (50) |
座席配置 | ロングシート |
運転台数、様式 | 2カ所 (半室貫通、全室貫通) |
自重 | 44.7t~47.4t |
車体寸法最大長 | 20000mm |
車体寸法最大幅 | 2870mm |
車体寸法最大高 | 4150mm~4179mm |
車体寸法車体外部の長 | 19205mm、19355mm |
車体寸法車体外部の幅 | 2805mm |
台車中心間距離 | 13600mm |
制御方式 | 直並列、弱め界磁、総括制御 |
制御器方式 | 電磁空気カム軸接触器式 |
回路電圧 | 100V |
1時間定格線電圧 | 1500V |
1時間定格出力 | 400kW |
1時間定格引張力 | 3000kg (70%界磁) |
1時間定格速度 | 50.0km/h (70%界磁) |
最高運転速度 | 95km/h (許容95km/h) |
主電動機 | MT15C、MT15D、MT16 |
出力×個数 | 100kW×4 |
制動装置 | AE空気ブレーキ装置・手ブレーキ |
台枠形式 | UF26、UF33 |
台車 | TR25 |
軸距 | 2500mm |
車輪直径 | 910mm |
歯数比 | 25:63=1:2.52 |
電動発電機 | MH49ーDM28 |
空気圧縮機 | MH16B-AK3 |
連結器・緩衝装置 | 密着式・30t輪バネ |
戸締機械 | TK3×3カ所 |
製造初年 | 1932年 |
運用[編集]
1932年に初登場し、首都圏と京阪神圏に投入されて17m級旧型国電を置き換えた。その後、モハ72系電車に置き換えられた。その後、宇部線、小野田線、飯田線、大糸線、身延線、富山港線にも投入されたが、新性能電車に置き換えられた。中小民鉄に売却された車両もある。
改造[編集]
モハ40は太平洋戦争中に運転台を片方撤去したうえ、台車を交換して鉄道省モハ51形電車に編入した車両がある。この車両は戦後、セミクロスシートに改造された。さらに交直両用試験電車国鉄クモヤ493形電車、クモヤ492形電車に改造された車両がある。両方の運転台を撤去した車両はモハ30とした。モハ40のうち電動機を交換した車両はモハ61に改番した。モハ41の出力向上型がモハ60である。戦時中、日本本土空襲によって多くが廃車になった。戦災復旧客車 (オハ71→マニ71→国鉄スエ71形客車、マニ74→スエ71)になった車両もある。戦後、クハ55はセミクロスシートに改造されて鉄道省クハ68形電車に改造された車両がある。
改番[編集]
1959年の形式称号改正によってモハ40はクモハ40に、モハ41はクモハ41に、モハ51はクモハ51に、モハ61はクモハ61と改称した。
大糸線でのモハ40系電車[編集]
形式 | 1956年3月1日 | 1960年4月1日 | 1965年3月31日 | 1969年3月31日 | 1975年3月31日 | 1981年4月30日 |
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クモハ11 | 11両 | 11両 | 13両 | ー | ー | ー |
クモハ12 | 2両 | 1両 | 1両 | 1両 | ー | ー |
クハ16 | 9両 | 11両 | 12両 | ー | ー | ー |
クモハ40 | ー | ー | ー | 1両 | 1両 | 1両 |
クモハ41 | ー | ー | 3両 | 9両 | 1両 | ー |
クモハ60 | ー | ー | ー | 9両 | 9両 | 9両 |
クハ55 | ー | ー | ー | 15両 | 15両 | 9両 |
サハ57 | ー | ー | ー | 3両 | 3両 | 2両 |
クモハ51 | ー | ー | 3両 | 2両 | 7両 | 4両 |
クモハ54 | ー | ー | ー | ー | 3両 | 3両 |
クモハユニ64 | ー | ー | 1両 | 1両 | ー | ー |
クハ68 | ー | ー | ー | ー | 3両 | 3両 |
クモハ43 | ー | ー | ー | ー | 4両 | 2両 |
クモハユニ44 | 2両 | 2両 | 1両 | ー | ー | ー |
サハ45 | ー | ー | ー | ー | 3両 | 3両 |
クモユニ81 | ー | ー | ー | ー | 1両 | 1両 |
合計 | 24両 | 25両 | 34両 | 41両 | 50両 | 37両 |
注1) 1959年6月1日以前はクモハはモハ、クモハユニはモハユニである。
注2) 1965年以降、松本運転所北松本支所となった。
注3) 1981年7月24日以降、国鉄115系電車に取り替えられた。
関連項目[編集]
- 国鉄キハ30系気動車 (3扉ロングシートという共通点がある)