安彦良和
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安彦 良和(やすひこ よしかず、1947年12月9日 - )は、日本の漫画家、アニメーター、キャラクターデザイナー、アニメ監督、イラストレーター、小説家。
プロフィール[編集]
概要[編集]
虫プロ養成所2期生。
虫プロダクションを経て、フリー。
1970年にアニメーターデビュー。
主な代表作は『機動戦士ガンダム』、『ナムジ』、『王道の狗』、『虹色のトロツキー』、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』など。
受賞歴[編集]
- 1981年 第12回星雲賞(アート部門)受賞。
- 1990年 『ナムジ』により第19回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。
- 2000年 『王道の狗』により第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。
- 2012年 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』により第43回星雲賞(コミック部門)を受賞。
- 2015年 第20回アニメーション神戸賞特別賞を受賞。
- 2021年 第44回日本アカデミー賞協会特別賞を受賞[1]。
作品リスト[編集]
漫画作品[編集]
作品名 | 出版社/巻数/発行年月 | 連載 | 備考 |
---|---|---|---|
アリオン | 徳間書店・アニメージュコミックス/全5巻/1980年11月-1985年1月発行 ほか | 徳間書店『リュウ』1979年5月号-1984年11月号 | 漫画家デビュー作。1986年劇場アニメ化。 |
クルドの星 | 徳間書店・少年キャプテンコミックス/全3巻/1986年1月-1987年6月発行 ほか | 徳間書店『月刊少年キャプテン』 1985年2月号-1987年4月号 | 『アリオン』映画化の際、取材旅行先でトルコを訪れたことで生まれた作品。この旅行は安彦自身初の海外旅行でもあった。 |
ヴイナス戦記 | 学習研究社・ノーラコミックス/全4巻/1987年9月-1990年5月発行 ほか | 学習研究社『月刊コミックNORA』1986年9月号-1990年4月号 | 1989年劇場アニメとして公開。 |
Cコート | 徳間書店・少年キャプテンコミックス/全1巻/1988年7月発行 | 徳間書店『月刊少年キャプテン』 1987年12月号-1988年5月号 | 安彦初のスポーツ漫画。映画『ヴイナス戦記』のため未完となった。 |
ナムジ | 徳間書店・ハードカバー版/全5巻/1989年8月-1991年11月発行 ほか | 描き下ろし | 初描き下ろし作品。漫画家に専念してからの第1作目。第19回日本漫画家協会賞優秀賞。 |
虹色のトロツキー | 潮出版社・希望コミックス/全8巻/1992年7月-1997年1月発行 | 潮出版社『コミックトム』1990年11月号-1996年11月号 | 文化人類学者山口昌男など著名人が巻末あとがきを担当。 |
神武 | 徳間書店・ハードカバー版/全5巻/1992年6月-1995年3月発行 ほか | 描き下ろし | 『ナムジ』の続編。登場人物の再登場も多い。 |
安東 ANTON | 学習研究社・ノーラコミックスデラックス/全3巻/1993年10月-1995年6月発行 | 学習研究社『月刊コミックNORA』1992年9月号-1995年4月号 | 源義経の忘れ形見・星若丸が、十三安東氏などの協力を得て親の仇である鎌倉幕府を打倒しようとする物語。 |
三河物語 マンガ日本の古典 23 | 中央公論社・ハードカバー/1995年2月発行 中公文庫/2001年2月発行 ワイド版/21年5月発行 |
描き下ろし | 徳川家に仕えた大久保忠教(彦左衛門)を、少年である魚屋一心太助の視点で描く。 |
ジャンヌ Jeanne | NHK出版・ソフトカバー/全3巻/1995年10月-1996年7月発行 ほか | 描き下ろし | 初のオールカラーの描き下ろし作。 |
イエス JESUS | NHK出版・ソフトカバー/全2巻/1997年4月-1997年9月発行 | 描き下ろし | オールカラーの描き下ろし |
マラヤ MARAYA | メディアワークス・DengekiComics EX/全4巻/1998年5月-2000年10月発行 ほか | メディアワークス『電撃 Adventures』VOL.18-27、『電撃 hp』VOL.5-7 | オールカラー第三作目。SFファンタジー作。 |
我が名はネロ | 文藝春秋・ビンゴコミックス/全2巻/1998年11月-1999年9月発行 ほか | 文藝春秋『コミックビンゴ』1998年3月号-1999年5月号。第13話-15話描き下ろし | ローマ皇帝ネロの即位から死までを描いた作品。掲載誌廃刊のため、第13話以降は単行本描き下ろし。 |
王道の狗 | 講談社・ミスターマガジンKC/全6巻/1998年6月-2000年3月発行 白泉社・JETS COMICS/全4巻 ほか |
講談社『ミスターマガジン』1998年1号-2000年3号 | 白泉社版の31話・47話は新規描き下ろし。安彦は「白泉社版を正規の『王道の狗』と思いたい」(白泉社版第4巻あとがき)と述べている 第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。 |
韃靼タイフーン | メディアファクトリー・MFコミックスフラッパーシリーズ/全4巻/2001年1月-2002年5月発行 ほか | メディアファクトリー『コミックフラッパー』2000年3月号-2002年5月号 | 近未来の函館を舞台にした冒険活劇。 |
蚤の王 | 講談社・モーニングKCDX/全1巻/2001年7月発行 ほか | 講談社『モーニング新マグナム増刊』2001年14号-20号 | 『神武』の続編ではあるが、登場人物が血縁(子孫)であることを除けば前作とのつながりは薄い。 |
アレクサンドロス | NHK出版・NHKスペシャル文明の道 COMIC Version/全1巻/2003年7月発行 | 描き下ろし | NHKスペシャル『文明の道』のコミカライズ作品。 |
機動戦士ガンダム THE ORIGIN | 角川書店・角川コミックエース/全24巻/2002年6月-2011年11月、2015年2月発行 角川書店・愛蔵版/全12巻/2005年5月-2014年8月発行 |
角川書店『ガンダムエース』創刊号(2001年6月号)-2011年8月号 | 安彦によるアニメ『機動戦士ガンダム』の漫画版。設定・デザインに一部アニメ版との差異があり「シャア・セイラ編」など漫画版独自のストーリーも加えられた。第43回星雲賞(コミック部門)受賞。 2015年2月には番外編をまとめた24巻特別編も刊行された[2]。 |
麗島夢譚(うるわしじま ゆめものがたり) | 徳間書店・リュウコミックス/全4巻/2009年1月-2012年12月 | 徳間書店『月刊COMICリュウ』2006年11月号-2012年9月(不定期連載) | 江戸時代前期の麗島(台湾のこと。ポルトガル語のIlha Formosa=「麗しの島」に由来)周辺を舞台に、天草四郎、松浦党の流れをくむ海賊青年、三浦按針の遺児らが、麗島を巡るスペインとオランダとの争いに巻き込まれ、冒険を繰り広げる。 |
天の血脈 | 講談社・アフタヌーンKC/全8巻/2012年8月-2016年10月 | 講談社『月刊アフタヌーン』2012年3月号-2016年11月号 | 明治末期の日本・アジアを舞台にした作品。『虹色のトロツキー』『王道の狗』と共に近代史3部作とも称される[3]。第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品[4]。 |
ヤマトタケル | 角川書店・カドカワコミックス・エース/全6巻/2013年2月-2018年10月 ほか | 角川書店『サムライエース』VOL.1-10(休刊)、ComicWalker 2014年8月20日配信号-2018年6月20日配信号[5] | 『ナムジ』『神武』『蚤の王』に続く日本古代史物。ヤマトタケルを主人公として、その生涯を描く。 |
乾と巽 -ザバイカル戦記- | 講談社・アフタヌーンKC/既刊6巻/2019年4月- | 講談社『月刊アフタヌーン』2018年11月号- | シベリア出兵を題材とした作品[6]。 |
このほか、アボジ、ネオデビルマン、週刊マンガ日本史第34号『勝海舟』などがある。
小説[編集]
- 『シアトル喧嘩エレジー』徳間書店、1980年
- 『蒼い人の伝説―ルウは風の中で』角川書店・カドカワノベルズ、1988年/角川文庫 1990年
- 『鋼馬章伝』全5巻 カドカワノベルズ/徳間デュアル文庫 2002年 - 2003年
- ボナベナの騎士 鋼馬章伝I 1988年
- ザオの騎士王 鋼馬章伝II 1988年
- ガンゴトリの疾風(かぜ) 鋼馬章伝III 1989年
- ノルブの光輪 鋼馬章伝IV 1990年
- クルガンの竜 鋼馬章伝V 1990年
- 伝説の鋼馬(ドルー) 鋼馬章伝後章 - ファンタジー王国II(カドカワノベルズ) 所収
- 『テングリ大戦』 全4巻 カドカワノベルズ 1990年 - 1992年
- 『聖王子ククルカン』(上・下) 角川スニーカー文庫 1993年
対談・討論[編集]
- 『安彦良和対談集 アニメ・マンガ・戦争』 角川書店、2005年
- 『原点 THE ORIGIN 戦争を描く、人間を描く』岩波書店、2017年。聞き手:斉藤光政
- 『革命とサブカル 「あの時代」と「いま」をつなぐ議論の旅』言視舎、2018年
- 杉田俊介『安彦良和の戦争と平和-ガンダム、マンガ、日本』中公新書ラクレ、2019年。インタビュー討論
- 『安彦良和マイ・バック・ページズ』太田出版、2020年。聞き手:石井誠
アニメーション作品[編集]
監督作品[編集]
- クラッシャージョウ 監督・キャラクターデザイン・作画監督・第一原画
- 巨神ゴーグ 原作・監督・キャラクターデザイン・作画監督・第一原画
- アリオン 原作・監督・キャラクターデザイン・作画監督
- 風と木の詩 監督・絵コンテ
- ヴイナス戦記 原作・監督・脚本・キャラクターデザイン・絵コンテ・原画(ノンクレジット)
- 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 原作・総監督・キャラクターデザイン・絵コンテ・原画
- 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 監督[7][8]・キャラクターデザイン[7]
デザイン[編集]
- 勇者ライディーン キャラクターデザイン・作画監督
- わんぱく大昔クムクム 原案・キャラクターデザイン(※主人公のクムクムは実子がモデル)・作画監督・絵コンテ・原画
- 超電磁ロボ コン・バトラーV キャラクターデザイン・作画監督・絵コンテ・原画
- 無敵超人ザンボット3 キャラクターデザイン
- テラホーク ー地球奪還指令ー(企画のみ) キャラクターデザイン・メカニックデザイン
- 機動戦士ガンダム アニメーションディレクター・キャラクターデザイン・作画監督
- 白い牙 ホワイトファング物語 キャラクターデザイン
- 機動戦士Ζガンダム キャラクターデザイン
- 機動戦士ガンダムF91 キャラクターデザイン
- 地球SOS それいけコロリン キャラクターデザイン
- 新海底軍艦 キャラクターデザイン
- GUNDAM EVOLVE(EVOLVE../9) キャラクターデザイン
- 機動戦士ガンダムUC オリジナルキャラクターデザイン
作画・演出スタッフとして参加の作品[編集]
- さすらいの太陽 作画設定
- ファミリークラシック「マッド・マッド・マッド・モンスター」 原画・レイアウト
- 科学忍者隊ガッチャマン 原動画
- ワンサくん 原画
- ろぼっ子ビートン フィニッシュ担当(作画監督)
- ゼロテスター 原画・演出
- 宇宙戦艦ヤマト 絵コンテ・原画(最終話)
- さらば宇宙戦艦ヤマト 原案協力(ノン・クレジット)。・絵コンテ・原画(ノン・クレジット)。
- 宇宙戦艦ヤマト2 シリーズ構成(ノン・クレジット)。・絵コンテ
- 宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち 絵コンテ・原画
- 闘将ダイモス 絵コンテ
- 無敵鋼人ダイターン3 作画監督・絵コンテ・原画(只野泰彦 名義)
- 星の王子さま プチ☆プランス 演出
- 日本アニメ(ーター)見本市 「安彦良和・板野一郎原撮集」レイアウト・原画・作画修正(板野一郎と共同)
カバーイラスト・挿絵[編集]
- 『クラッシャージョウ』シリーズ(高千穂遙)
- 『ダーティペア』シリーズ(高千穂遙)
- 「異次元騎士カズマ」シリーズ(王領寺静)
- 『黄金拍車』※第1巻挿絵は除く
- 『骸骨旗(ジョリー・ロジャー)トラベル』
- 『剣奴王ウォーズ』
- 『機動戦士ガンダムUC』(福井晴敏)
- 角川コミックエース版カバーイラスト、第1巻から第3巻の口絵・挿絵
- 『将軍たちの夜』(ハンス・ヘルムート・キルスト)
CM[編集]
- サッポロビール “第95回箱根駅伝用オリジナルCM”年始特別バージョン(2018年1月2日・3日 日本テレビ系『第95回東京箱根間往復大学駅伝競走』内にて放送)安彦良和描き下ろし線画アニメーション[9][10]
その他[編集]
- 大魔界村 パッケージデザイン(PCエンジンスーパーグラフィックス版)
- ニュートピアII パッケージデザイン
- マイト&マジック パッケージデザイン(PCエンジンスーパーグラフィックス版)
- 重装機兵ヴァルケン2 キャラクターデザイン(製作途中で衣谷遊に変更)
- 俗・さよなら絶望先生 第六話 エンドカード
- ハチワンダイバー 第7巻 世界一の絵師のカード「やすひ子」
- ストレンジ・プラス #08 エンドカード
- 『慈覚大師円仁と行くゆかりの古寺巡礼 比叡山の歩き方』(ダイヤモンド社)
- 『親鸞の歩き方』(ダイヤモンド社)
- 『決断の本質 日本人の戦争と平和』(ダイヤモンド社)
テレビ出演[編集]
- 機動戦士ガンダム30周年記念 みんなのガンダム 完全版(2009年4月26日、アニマックス)
- めざましテレビ(2014年11月21日、フジテレビ)[11]
- 漫道コバヤシ(2015年5月19日、フジテレビONE)
- ゴロウ・デラックス(2015年9月3日、TBS)[12]
- ノージーのひらめき工房(2018年12月8日[要出典]・2020年12月12日[13]、NHK Eテレ)
- こころの時代〜宗教・人生〜「わかり合えないをわかりたい」(2019年5月、NHK Eテレ)[14]
- 『浦沢直樹の漫勉neo』(2021年6月9日、NHK Eテレ)
- 有吉×怪物(2021年9月29日、日本テレビ)[15]
連載[編集]
- 時のかたち(2001年6月19日 - 22日、朝日新聞 夕刊) - 『THE ORIGIN』の執筆、検査入院、同郷の骨董品店主、石神井の三宝寺について。
- 私のなかの歴史〜オホーツクから『ガンダム』へ(2012年、北海道新聞 夕刊)
- この道(2013年、中日新聞・東京新聞 夕刊)
- マイ・バック・ページズ(2018年7月 - 2019年11月、太田出版 隔月刊『CONTINUE』Vol.54 - Vol.62) - 連載・刊行
脚注[編集]
- ↑ 第44回 日本アカデミー賞 優秀賞決定!、日本アカデミー賞公式サイト、2021年2月17日閲覧。
- ↑ “機動戦士ガンダム THE ORIGIN (24)特別編”. 角川書店. 2015年3月25日確認。
- ↑ “『天の血脈』第5巻 安彦良和 【日刊マンガガイド】”. このマンガがすごい! WEB. 宝島社. 2019年3月12日確認。
- ↑ “第20回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 審査委員会推薦作品”. 文化庁. 2019年3月12日確認。
- ↑ “ヤマトタケル 無料漫画詳細”. 無料コミック ComicWalker (2018年6月20日). 2018年9月25日確認。
- ↑ “安彦良和 70歳の“最後の新連載”「乾と巽」が「アフタヌーン」でスタート”. 毎日新聞 (2018年9月25日). 2018年9月25日確認。
- ↑ a b 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』超特報映像 (YouTube配信). ガンダムチャンネル.. (2021年12月21日). 該当時間: 28s 2021年12月21日閲覧。
- ↑ “映画「ククルス・ドアンの島」22年初夏公開 「機動戦士ガンダム」の名エピソードを安彦良和監督が映画化”. ITmedia NEWS. ITmedia (2021年12月21日). 2021年12月21日確認。
- ↑ “安彦良和が描くサッポロビール『箱根駅伝』CM、楽曲はBUMP OF CHICKEN「ロストマン」”. BARKS (2018年12月26日). 2019年12月1日確認。
- ↑ “安彦良和がサッポロビールの箱根駅伝CMで線画を担当、大迫・設楽選手の走り描く”. コミックナタリー (2018年12月26日). 2019年12月1日確認。
- ↑ めざましテレビ|2014/11/21(金)放送 | TVでた蔵
- ↑ ガンダムインフォHP、TBS系列「ゴロウ・デラックス」に安彦良和氏が出演!本日9月3日深夜0:41より放送!
- ↑ “「クラフト流 こすりだしの特訓」 - ノージーのひらめき工房”. NHK. 2021年10月4日確認。
- ↑ “選「わかり合えないをわかりたい」”. NHK. 2020年7月6日確認。
- ↑ “トム・クルーズをしのぐ俳優、手塚治虫が嫉妬するアニメーター!?“怪物”に迫る特番放送”. 映画ナタリー. ナターシャ (2021年9月29日). 2021年10月4日確認。