台湾
臺灣(たいわん、台湾。英:Taiwan。“Tai-oan”とも)は、東アジアの台湾島(「美麗島」とも。「イラ・モルフォーサ」に由来する)とその付属島嶼を指す。また中華民国の国名の通称としても使われる。首都は台北(タイペイ)。本項は島や地域の説明である。国家については「中華民国」を参照のこと。台湾の語源は不明確であるが、先住民が外来者や客を「ターヤン」または「ダイオワン」(Tayouan)と呼んでいたからという説がある。そのほか先住のタイボアン族(TaivoanまたはTevorang)に由来するという説もある。原住民の用語が起源であることは間違いない。
言語としては福建語(閩江)系の「臺灣語」と「客家語」および北京語(中国語)が多く用いられる。かつての総統であった李登輝は、日本語と北京語と客家語と臺灣語のマルチリンガルだった。
文字としては、いわゆる繁体字がもっぱら用いられる。
概要[編集]
中華料理をベースにしたものに由来する福建料理が混ざったもの、「台湾料理」が伝統的に作られている。その中でラーメンが特に有名。台湾のラーメンには、「伝統のえびラーメン」や「担仔麺」がある[注 1]。ただし、「麺はもっとモチモチ(QQ)していたほうがいい」という意見もあれば日本のラーメンのようなツルしこ系好みもあるので幅がある。沖縄と緯度が似たようなものなので、南方果実も好まれ、スィーツもときおり日本国内で流行している。
台湾の歴史[編集]
17世紀以前はマライ・ポリネシア系の先住民が臺灣に居住していた。13世紀には漢民族の漁師が居住し始めるようになり、15世紀頃から漢民族の移住が始まり、16世紀頃には福建省の漁師や貿易商、中国や日本の海賊が往来した。1544年に臺灣島を見つけたポルトガル人船員が「フォルモーサ!」と叫んだことから、臺灣島はイラ・フォルモサ(美麗島。麗しの島)とも言われた。1593年、豊臣秀吉は臺灣に入貢を促した。
1622年、明軍とオランダ軍は8ヶ月に渡る戦火を交え、明はオランダが臺灣に入ることを認めた。1624年、オランダの東インド会社が臺灣を制圧し、オランダの統治下にはいった。オランダはゼーランジャ城、プロビンシャ城を造った。マーチヌス・ソンクがオランダの初代行政長官となる。オランダは臺灣を中継貿易の拠点とし、米や甘藷を栽培するとともに、労働力を補うために漢系住民を中国大陸から大量に移住させた。
その後、スペイン人が臺灣に進出し、臺灣北部を制圧した。1642年、オランダ軍は艦隊を派遣し、スペイン人を追い出した。1661年、鄭成功は、大水軍によりオランダ勢力を一掃し鄭氏政権がオランダに代わり臺灣を統治するようになった。台湾独自の政権として独立した国となった。1683年、施琅率いる清軍に鄭克塽が降伏して、清は臺灣島を併合した。 1885年に福建省から分離し、1887年に省に昇格する。
1894年からの日清戦争で清が大日本帝国に敗北し、1895年の下関条約で清は臺灣を大日本帝国に割譲することになる。1945年に第二次世界大戦で日本が敗北すると、中華民国の統治下に入る。その後、中国では国共内戦に突入し、中華民国は臺灣の台北へと移転した。
中国の文献に臺灣が現れるのは、清朝が台湾を統治し始めて以降のことである。1949年、中華民国は政府を中国大陸から臺灣島に移転した(臺灣遷都)。
台湾の地理[編集]
台湾島は台湾本島のほか付属する77の島嶼からなる。総面積は35,980 km2 (13,892 sq mi)である。人口は2020年現在で2357万人である。漢民族は98%、台湾原住民は2%である。
西は中華人民共和国に接し、北東は日本に接する。南はフィリピンに接する。3,000m級の山が200座以上あり、最高峰は東アジアで最も高い3,952mの「玉山」である。日本統治時代には「新高山」と呼ばれていた。それに次ぐのは「雪山」3,886mであり、日本統治時代には「次高山」と呼ばれていた。
台湾の都市[編集]
台湾の都市には直轄市、市、県轄市がある。直轄市は6市あり、台湾政府の行政院が直接統治する自治体である。県轄市10万以上50万未満の人口があり、商工業が発達し独自財政が充実した自治体である。市長は公選であり、14の県轄市がある。 最大人口の都市は台湾北部の新北市(直轄市)であり板橋、淡水、鴬歌、瑞芳、烏来および八里などの区を含み、人口は約400万人である。第二の都市は台湾南部の高雄市(直轄市)である。中華民国の直轄市であり、人口は277.3万(2019年時点)である。三番目は台湾中部の台中市(直轄市)であり、台湾有数の工業都市である。四番目は中華民国の首都の台北市であり、人口は約270万人である。
中華人民共和国も、名目上の台湾省を設置しており、全国人民代表大会も台湾省の代表団がいる。
関連作品[編集]
- 映画『悲情城市』(1989)
- 映画『セデック・バレ』(2011)
- 映画『KANO ― 1931 海の向こうの甲子』(2014)
脚注[編集]
注釈[編集]
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- 鈴木明『誰も書かなかった台湾』
- 王育徳『台湾語入門』(増補新装版)