学校施設
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学校施設(がっこうしせつ)とは、学校運営に必要な建築物・設備の総称である。
構成[編集]
学校施設は校舎、運動場(校庭)、体育館の3種類に大別される。
- 校舎
- 学校の建物そのもの。内部に各学級のホームルームとなる普通教室、教科・科目ごとに必要な設備を備える特別教室、教材を保管する教材室や特別教室に併設される準備室、図書室を内包する他、給食の調理・調製を行う給食室も校舎に併設される。
- はだし教育を行っている学校以外、校舎内では上履きを履いて過ごす。
- 運動場
- 体育の授業での利用や休み時間などの児童・生徒のレクリエーションの場、屋外種目の部活動、災害発生時の集合場所などに利用される。グラウンドや校庭とも呼ぶ。
小学校では据え置き型の遊具が置かれている他、中学校以上では運動場にテニスコートが併設されているところもある。運動部の部室の多くが、運動場の端の方にある。
運動場を使っていいですか?→うん、どうじょうという寒いオヤジギャグに使われることもしばしば。 - 体育館
- 雨天時の体育の授業や屋内でも行える体育の授業、入学式・始業式・終業式・修了式・卒業式・全校集会など全校が参加する学校行事の開催などに使用される。バスケットボールのゴールが設置され、各種球技用のラインが引かれている。体育館に入る時は体育館専用の上履きに履き替える。
その広さを利用し、選挙の投票所として利用されることや災害時の避難場所として利用されることが多い。 - プール
- 運動場に併設され、体育の水泳で使われる。公立学校は殆ど屋外設置のため、水泳の実施時期の関係上寒い思いをしなければならないことが多い。
消防水利を兼ねているため、オフシーズンでも水は張られたままになっている。 - 講堂
- 式典や講演・講義などを行う場所。多くの学校で体育館と兼用されていることが多い。体育館を全校規模の大講堂、講堂を学年規模の小講堂として使用する学校もある。
- 武道場
- 剣道・柔道・空手など武道の授業で利用される他、武道系の部活動が普段の練習や他校との練習試合で使用する。講堂がない学校では体育館を使う程ではない規模になる学年集会の場として利用されることもある。設置されるのは中学校以上に多い。学校によっては武道場の他に弓道場を設置していることがある。
- 卓球場
- 卓球を行う場所。授業で卓球を行っている学校や卓球部のある学校に設置されている事が多い。
詳細[編集]
- 理事長室
- 理事長が執務を執り行う部屋。理事長というポストが存在する私立学校にのみあり、理事長のポストが存在しない公立学校にはない。
- 校長室
- 校長が執務を執り行う他、来客の応接や地域の教育関係者との会合なども行われる。いじめの被害などで教室登校が困難な児童・生徒が校長室で勉強していることもある。
- 職員室
- 教職員が執務を行う部屋。特別教室の鍵が保管されていたり、児童・生徒の重要な個人情報が記載された書類等を保管する金庫が置かれていたりする。
- 体育教官室
- 主に高等学校で設置されることが多い。体育教員が体育教科関係の執務を執り行う部屋で、体育館の中にある場合やグラウンドの片隅に建てられた別棟に所在する場合がある。
- 事務室
- 学校事務員が執務を執り行う部屋。学割証の発行などで子供が利用することもある。学校によっては職員室の一部が事務員のスペースに割り当てられている事もある。専用室を持つ場合も、職員室の一部が割り当てられている場合も、来校者と直接応対できるよう窓口が設けられる。
- 公衆電話
- 廊下や体育館入口などの共有スペースに設置される場合と事務室に設置される場合がある。なお小学校を中心に公衆電話を使用して忘れ物を持ってきてもらうよう自宅の保護者に連絡を入れることを禁じている場合がある。
- 生徒会室
- 生徒会執行部が執務・会議を行う部屋。空き教室を転用して設置されることもある。
- 保健室
- 養護教諭が常駐し、校内で怪我をしたり、急病になったりした子供や教職員の手当・看護を行う。身体測定の時期に使用する身長計・体重計もここに置かれている。
近年は教室登校が困難な子供がこの部屋で勉強している事がある。 - 放送室
- 校内放送を行うための部屋。災害などの非常時に校内一斉に放送をかける必要があるため、職員室の奥にあることが多い。なお平時の校内放送は放送部に所属する生徒が行う学校もある。
- 自習室
- 主に私立学校にある。放課後に進学・資格試験対策などの自習ができるよう問題集などを置いた部屋。
- 教科準備室
- 特別教室に併設されることが多い部屋。特別教室で実施する教科・科目で使用する教材を保管する部屋。この中でも理科準備室は危険な薬品類が保管されていることもあって、子供の立ち入りが厳しく制限される。
- 会議室
- 職員会議や様々な会合を行うための部屋。
- 印刷室
- 印刷機・コピー機が置かれ、保護者への連絡文書や職員会議の資料、定期考査の問題用紙・解答用紙など印刷物の印刷やコピーを行う部屋。職員室に併設されるか、その近くにある。
- 宿直室
- 宿直勤務の際に当番職員が泊まり込む部屋。学校の宿直勤務が廃止されて久しく、近年新設・改築された学校にはない。宿直室のある学校でも既に使用されておらず、物置代用になっていることも。
- クラブ部室
- 部活動で拠点となる部屋。運動部の部室は更衣室を兼用している事が多く、運動場の隅に建つ部室棟と呼ばれる別棟に所在することもある。文化部の部室は書籍などが並ぶ居室で、校舎の中に所在することも多い。写真部関連で暗室を備える学校もある。
- 焼却炉
- 校内で発生した燃えるゴミを焼却処分する。近年はダイオキシン規制の関係もあって学校内の焼却炉は使用停止・撤去され、殆どが姿を消した。
- 宗教施設
- 宗教法人を母体に持つの学校の場合、校内に教会や礼拝堂といった宗教施設が設けられていることがある。
- 寄宿舎・学寮
- 公共交通機関での通学が不便な高等学校や中学校に備えられることが多い。土日も泊まれ、教員が寮監として宿直する寮もあれば、土日は原則実家に帰省する寄宿舎・寮もある。
学校施設における空調設備[編集]
長らく公立学校の施設で空調設備、特に冷房設備が導入されているのは理事長室、校長室、職員室、保健室、事務室、特別教室のうちコンピューター室、騒音が著しい関係で窓を全開にできない場所に立地する学校ぐらいであった。これは猛暑の時期は夏休みで授業を行っていない事や、子供は夏の暑さに耐えさせるべきだという教育的な理由、ベビーブームに伴う子供の激増で学校施設の増設を最優先にした事などが理由として挙げられる。一方暖房は石油ストーブ・ファンヒーターが各教室に置かれている。
しかし近年は健康を害する程の猛暑が珍しくなくなり、公立学校でも空調設備整備が推し進められている。集中管理式のことが多く、各教室では個別のオンオフしかコントロールできず、設定温度は職員室の中央制御盤でないとコントロールできない。なお空調設備の設置を完了した自治体では夏休みを短縮する動きも見られる。[1][2]
私立学校の場合は各教室に空調を設置している所が目立つが、自由に使わせてくれないという意見もしばしば見られる。
詳細は「学校の冷房化」を参照