ハノイ
ハノイ(Hanoi)とは、ベトナムの首都で、中央直轄市に指定されている。ベトナム北部、ホン川(ソンコイ川)河口より上流150キロメートル西岸の標高70メートルに位置する都市である。人口は2000年の時点で273万人。漢字では河内と表記される。首都名は「河間の地」を意味する。
概要[編集]
545年に建設された都市である。7世紀初期に中国を統一した隋が交州の治所をこの地に定め、622年に隋にとって変わった李淵(高祖)が唐による安南都護府を設置し、大羅城を築いた。その後、ベトナムが中国の支配下に置かれると同時に当地もその支配下に置かれていたが、唐の衰退とともに独立を果たし、ベトナムを支配した王朝・李朝(大越)が1010年に当地を首都と定め、当時は昇竜(タンロン)と名を定めた。以後、ベトナムを支配した歴代王朝の首都に定められて発展を遂げる。なお交都・東京などとも称された。
この都市は水運に恵まれて交易都市として繁栄を遂げる。1635年に黎朝が南北に分裂し、阮氏がフエに遷都したのちもトンキンと呼ばれて北部ベトナムの中心地として発展は続いた。1802年に阮朝が成立すると首都は正式にフエと定められたが、当地は特別都市と定められた。1831年にハノイと改称され、1873年にフランスが占領して以降はフランス領インドシナの主都に定められ、フランス総督府が設置される。第2次世界大戦が始まると1940年から1945年まで日本軍の支配下に置かれた。日本敗戦後の1945年、ベトナムは当地で独立を宣言する。インドシナ戦争後、1954年にベトナムが南北に分断されるとベトナム民主共和国(北ベトナム)の首都となる。しかしベトナム戦争が始まると1965年から北爆の対象となり、タコ壺と呼ばれる簡易防空壕を随所に設置した。1972年12月に12日間続けられたハノイ爆撃により、一般市民1318人を犠牲にする最悪の被害をもたらしている。
ベトナム戦争が終結してベトナムが統一されると、1976年にハノイは統一国家の首都に定められた。なお、近年は工業都市としての性格を強め、北と東には工業団地が建設され、食品加工や繊維、建築資材、電気機器などの工業が立地している。2002年6月に日本への直行便を開設している。
また、歴史ある都市のため、ベトナム最古の大学といわれる文廟やホーチミン廟、ホーチミン博物館が建設され、西側にはカウザイ地区には新都心が形成されている。
気候[編集]
ハノイの出身人物[編集]
- グエン・バン・クエット(サッカー選手)
- グエン・フー・チョン(ベトナム共産党書記長、国家主席)
- グエン・ホアン・ナン(空手家)
- ゴ・バオ・チャウ(数学者)
- 櫻井よしこ(ジャーナリスト)
- ダン・タイ・ソン(ピアニスト)
- ドー・ムオイ(首相、ベトナム共産党書記長)
- |ブイ・トン・フォン(情報学者)
- ペレット・プラディエ(女優)
- ホアン・タン・トラン(チェスプレイヤー)
- ホン・ニュン(歌手)
- マイ・フォン・ティー(女優)
- ベルナール・モワテシエ(ヨットマン)
- アンリ・ラボリ(生化学者)
- リュウ・ソン・ミン(小説家)
姉妹都市[編集]
ハノイを舞台にした作品[編集]
映画[編集]
テレビ番組[編集]
小説[編集]
- 愛と幻想のハノイ(ズオン・トゥー・フォン、1987年)
外部リンク[編集]
- ベトナム社会主義共和国政府
- ハノイ公式サイト(ハノイ人民委員会)
- 現地日本語メディア
- その他