ニッケル
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ニッケル(元素記号Ni)とは、元素番号28の元素である。最初の第10族元素である。
概要[編集]
周期でいうと第4周期元素に当てはまる金属元素の一つである。融点は1453℃、沸点は2732℃で、常温では固体である。銀白色の金属光沢を放ち、常温での密度は8.90g/cm3となっている。ニッケルは、鉄やコバルトと並んで、磁石に引き付けられる数少ない金属(強磁性)の一つである。ニッケルが発見されたのは1751年のことで、スウェーデンの化学者アクセル・クロンステットにより初めて単体が分離された。
用途[編集]
特殊鋼に用いられ、銅との合金の白銅や銅と亜鉛との合金の「洋白(ニッケルシルバー、洋銀、洋白銀、ニッケル黄銅)」は貨幣に用いられる。また、メッキや触媒のほか、現在ではニッケル水素電池にも使用されており、非鉄金属の中では工業的に極めて重要な位置を担っている。イオン化傾向は鉄の次に大きくなっている。
大日本帝国での採掘・精錬[編集]
特殊鋼の製造に欠かせないニッケルは日中戦争の頃から他の金属と同様国内での採掘が検討され、各地での地層調査から京都府与謝郡の大江山で蛇紋岩に含容量が少ないながらもニッケルが含まれているのが確認され、太平洋戦争中には大規模な採掘が行われた。
この経緯で、宮津市の日本海沿いにニッケルの精錬工場が設けられ、戦後も稼働していた。