トースト
トースト(英: toast)とは、食パンをトースターなどで焼いたものである。
概要[編集]
利点として、短時間で焼けるので簡単な食事として済ませられる。また、食パンを焼くことで温かくなり、狐色に焦げ目を付けることによって香ばしさを得られる。また、パンの表面にある雑菌を死滅させられる。
なお、各国において嗜好の違いがあり、英国においては十枚切りを「ドライ・アンド・トースト」とすることもあるし、米国においては GEのポップアップ式の電気トースターに合わせて八枚切りすることも多く、日本の食パンのような「ふっくら食感」を味わうために六枚切りとか四枚切りとかを用いてオーブントースターで焼くこともあるため(正月に餅を焼くのにはオーブントースターは便利ではある)、同じ「トースト」といっても各国あるいは日本国内における各地方、さらには各家庭によってもイメージは異なる。そのため「トースト・ショック」という言葉も生まれた。
食べ方[編集]
バターやマーガリン、ジャムなどを塗って味付けすることが多い。
お好み焼きパンを真似て、ソースを塗って鰹節をかけて、マヨネーズを散らした上に紅しょうがをのせて食べる者もいる。
「ピザトースト」も広義にはトーストではある。
トーストショック[編集]
トーストショックとは、他所の家でトーストを御馳走になったときに受ける衝撃のことである。
殆ど焦げ目が付かない程度に焼く家もあれば、黒焦げになるほど焼く家もある。「なんじゃこりゃ」と言いたくても御馳走になるため文句を言えないことでショックは強まることになる。
「俺、ジャムは嫌いなんだけど」などはトーストショックとしては最も軽いものである。「アヲハタの55ジャム」とか「バターはカルピス」とか言いだすと数時間単位の議論になりかねない。
当然のことのようにトーストに味噌を塗る家庭もあれば、海苔の佃煮を塗る家庭もある。
とはいえ、「雑煮」ショックに比べれば、「痛痒い」程度の話ではある。
モーニング[編集]
いわゆる「モーニング」の原形であるモーニングサービスは、トースト半切れ(八枚切り)と固ゆで卵半分が付くのが定番(あるいはお約束)の無料のサービス。
昭和30年代の愛知県北西部の一宮市の喫茶店が発祥地と主張する名古屋人もいる。それによれば繊維業者と織物業者が商談に喫茶店を利用するのに合わせてサービスとして出したということである。ただし、現在のモーニングセットのイメージとは距離がある。
都市部においては、常連客が眠気醒ましに飲む一杯のコーヒー(もちろん、「普通のコーヒーを薄めただけ」みたいな「アメリカン」ではなく、デミタスカップに入れられたディープなコーヒーである)を注文したときに、店主が「なんか腹に入れとけよ」とか言ってトースト半切れにジャムとバターをべったり塗って固茹で玉子半分と一緒に出すのがハードボイルド系TVドラマのお約束である[注 1])。昭和四十年代において行われたらしい。このモーニングサービスは、「常連客だけを贔屓するのはいかがなものか」[注 2]という意見があるために「モーニングセット」としてメニューにも載っていたりもするが、肝心のコーヒーを残す客もいるので、「『コーヒー専門店』という視点からするといかがなものか」とも思う。そこから「“朝定食”的な軽いもの」あたりで折合がつき、現在の形に移行していったというのが自然ではなかろうか。
現在はコメダ珈琲店などで「モーニングセット」として供されることも多い[注 3]。
不景気と物価の上昇により、安価な朝食用のセットメニューとしての「モーニングセット」として定着し、「朝飯(あさめし)を喰いそびれたサラリーマン」の定番となった[注 4]。メニュー化によって、「目玉焼き」「ベーコンエッグ」「ハッシュドポテト」などの食べ物や紅茶などの飲み物へメニューも広がり、(日本国内の)地方ではカレーライスやパスタやピラフなどもあるという。新宿の西口にはかつて「C&C」(カレー&コーヒー)という店舗があり、NEC の関係者がしばしば利用していた(こっちの「C&C」は「コンピュータ&コミュニケーション」だが)。
もっとも、これとは別に市場における「朝定食的なもの」や「朝ラーメン」のような文化とも合流して、「無料あるいは低価格のサービス」という印象は薄れつつある。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- 注
- 出典