紅茶
紅茶 (こうちゃ)とは、チャノキの葉を発酵させた製品、及び、これによって作られた飲料である。
概要[編集]
名前のとおり、水色(すいしょく)は紅色である。香りは緑茶よりも強い。中国では古くから飲用されていた。喫茶の習慣はイギリスに入り、清から帆船で輸入していた。この航路は熱帯を通るため船内で発酵が起き、それまで緑茶を嗜んでいたイギリス人は紅茶を飲むようになった。この発酵によってビタミンCは破壊されている。産業革命期のイギリスでは、大量の砂糖を入れた紅茶が労働者によく飲まれた。茶には、カフェインが含まれていて、砂糖がエネルギー源になるので、世界初のエナジードリンクとも言われる。現在、緑茶を飲むのは東アジアと北アフリカの一部で、その他の大部分の地域では「お茶」と言えば紅茶をさすようになった。インドから西アジアで飲まれているチャイは、下級の粉末紅茶に大量の砂糖とシナモンの入れた飲み物である。チャイは、イギリス支配下のインドでイギリス本国などに輸出するには質が悪い茶を現地人がどうにか飲めるようにしたものが発祥である。
産地・品種など[編集]
- アッサム
- 日本国内においては、「もっとも紅茶らしい紅茶」といはれる。水色(すいしょく)は鮮やかな赤で、「紅茶」の語源とされる。
- ダージリン
- マスカット・フレイバーが特徴。水色は明るく、カップの縁に輝くようなリングが見える。
- キームン
- 中国産である。ダージリンとブレンドした「クイーンマリー」が愛好される。
- ニルギリ
- セイロンティー
- ウヴァ、ディンブラ、ヌワラエリアなど各種ある。「プリンス・オブ・ウェールズ」はウヴァである。紅茶の利き茶が達者な人は、ディンブラとヌワラエリアを利きわけたりする。
- 臺灣茶
- 臺灣でも紅茶は作られる。「日東紅茶」は、臺灣から米(蓬莱米)・砂糖・樟脳・紅茶などを輸入していたことから「日」(日本)「東」(臺灣)とされた。逆に干椎茸や昆布、干海鼠などは輸出していた。
形状は「オレンジ・ペコー」と呼ばれる葉の形のままのものから、「ダスト」と云われる微塵切りのものまで各種ある。オレンジ・ペコーは上物が多いので、だしがらを取っておいてチャーハンの具にする人もいる。
抽出器具および抽出方法[編集]
- 薬缶
- ティーポット
- ティー・コジー(「お茶帽子」「ティーハット」とも)
- サモワール
ティーカップ[編集]
古いタイプ[編集]
庶民的なもの。ソーサーは深く、カップの中身を全部いれても溢れない。ソーサーにカップの中身を移してフーフー冷ましてズルズル啜るというのは庶民の習慣である。ジョージ・オーウェルが「お上品な連中」への嫌がらせとして BBS の地下の食堂でやったとか、映画『五つの銅貨』で闇酒場でウィスキーで同じことをしていたりしていた(禁酒法時代の設定)りが有名。
お上品なタイプ[編集]
ウェッジウッドとかそういう感じの英国風ティータイム用のカップ。ティーカップとかポットとかコジィとかその他もろもろを合わせると、全部で軽く初任給の倍は越えようかという値段になる。
チャイカップ[編集]
山屋の愛用品のひとつ。容量が二百五十 ml 程度かそれ以上の琺瑯のマグカップである。内側はだいたい白だが、外側は赤・青などさまざまである。とはいえ人数が増えると見分けがつかなくなるのでステッカーなども貼ったりする。
インスタント味噌汁などの容器としても用いられ、紅茶にクリープや各種スパイスやバターや砂糖などもぶっ込むため、ときに「チャイとは何か?」という実存的な悩みに突き当たったりする。コンビニのおにぎりに番茶を加えて醤油を足して煮込んでバターを加えて食ったら美味かった、とかいうと「童貞を奪われたような気分です」という告白もあった。