サラダ
サラダ(英: salad/仏: salade)は、語源はラテン語の sal「塩」に由来し[1]、プロヴァンス語のsalada「塩を加えた」が派生したもの。大日本帝国海軍では「サラド」と呼んでいた。
概要[編集]
西洋料理のひとつとされる。
コースディナーにおいては「アペリティフ」(食前酒と前菜)のひとつとされるが、メインディッシュのあしらい(副菜)あるいは「口直し」「箸休め」的な役割を果たす。
その後、「生の野菜が主役になった料理」としての「サラダ」となったが、現在は意味が広がって「生、もしくは加熱後冷やした野菜に冷製ソースで調味した料理」を含むようになった。「温野菜のサラダ」やサラミソーセージやベーコンのような塩漬け肉やチーズや玉子が加わったコンビネーションサラダも一般化した。
そのため、
- 生野菜
- 冷たい(あるいは「熱々ではない」)
- 塩
という縛りは越えられつつある。
「ポテトサラダ」や「ラーメンサラダ」がサラダであるのはまだわかる。焼玉蜀黍とジャガバターもかろうじて前菜だろう。しかしお好み焼を「サラダ」と呼ぶには抵抗がある。
では冷し中華はどうか? サラダ世界は拡がりつつあり、「サラダ宇宙」が開拓されつつあるのかもしれない。
概要[編集]
具材と下処理とドレッシングの組合せの妙味である。
フランス料理では「ア・ラ・ターブル(「卓上で」の意)」とされ、賓客の目前で「混ぜる」「盛りつける」というパフォーマンスも含めての一品である。これは毒殺防止が由来であるかもしれない。
「生食できる野菜の料理である」ともされるが、それを言うとポテトサラダはサラダではないことになってしまう。じゃがバタは立派なサラダである。アメリカでは米も野菜であり海苔も海藻なので「河童巻」は充分に「サラダ」の条件を備えている。
果物が取れない季節にビタミンCが摂取できる。ドレッシング(「覆い」の意)がかけられる。マヨネーズソースなども用いられる。ついでながら、ザウアークラウトやピクルスもサラダである。これを言いだすと「冷奴」や「刺身蒟蒻」もサラダか?と吠える奴もいるわけだが、「もちろんサラダだ」と胸を張って言えるのが論客といえよう。
肉料理の付け合わせとして欠かせない。これは肉と食塩が合うので肉料理はナトリウムを多く含むのに対し、青菜にはカリウム分が多く含まれるため血中のイオン濃度のバランス有史以前から存在したが、正式な料理としてはローマ帝国に生野菜に塩を振って食べる料理が存在した。「サラダ」ではないが、「最後の晩餐」では「お焼き」(無発酵のパン)と羊肉と苦い菜(エンダイブとかレタスとかだろう)を巻いて食べたというし、韓国焼肉には「生菜(サンチュ)」がある。
レタスやキャベツ、キュウリやトマトといった生野菜を使用したサラダの他に、ワカメやトサカノリ、マフノリを使った海藻サラダや豆(ひよこ豆、エンドウ豆、大豆など)を主体にした豆サラダがある。
種類としては、いわゆるフレンチドレッシングを用いたものや、「シーザーズサラダ」「サザンアイランド(正しくは「サウザンドアイランド)サラダ」「ポテトサラダ(ポテサラ)」などがある。コールスローもサラダに含まれる。トマトを縦八つ割り横二つ切りしてバジルに塩少々とオリーブオイルをかけただけ、というのも一応サラダである。
こうやって範囲を広げてゆくと
- 葱ぬた
- 胡瓜の塩揉み
- カルパッチョ
- スティック野菜
- パリパリキャベツ」
などもサラダに含まれそうに思う。
つーてもジャガバタをサラダと断言できる男前な奴は滅多にいないだろうが、アメリカ人だったら助六寿司を食ってから「で、メインディッシュは?」とか真顔で訊きそうに思う。冒頭部分のサラダの定義は由来が「青菜に塩」であるのは正しいとはいえ、「現在の多彩なサラダを統括する“サラダ文化”を説明しきれていなくはないだろうか」とも思う。誰か整理してくれないか。
素材による分類[編集]
大きく分けると、1種類の野菜で作るシンプルサラダ(仏:salade simple)と複数の材料を組み合わせて彩りよく盛り付けたコンビネーションサラダ(salade composée)がある。
そうなると山葵やバジルを「野菜」と見做すかハーブト見做すかによって議論があるかもしれない。
シンプルサラダ[編集]
「レタスのみ」という「ハネムーン・サラダ(Let us only)」はシンプルサラダの代表である
「もろきゅう」もシンプルサラダである。胡瓜+もろみなのだから。
コンビネーションサラダ[編集]
「河童巻き」や「かんぴょう巻」は意見が分かれるだろう。海苔と米を“野菜に含めると「シンプル」ではなくなってしまうからである。
- 「梅かっぱ」(梅干+胡瓜)
- 「穴きゅう」(穴子+胡瓜)
- 「ひもきゅう」(赤貝ひも+胡瓜)
- 「太巻」
はコンビネーションサラダであるといえる。
「いか塩辛+大根おろし」は「コンビネーションサラダ」と呼んでいいのか。おい、どうなんだ?!といった議論を酒の肴にするエンペディアンもいるだろう。とにかく酒がうまけりゃいいんだよ。「まな」は「真菜」なのだから、刺身だって魚とあしらいと山葵がつけば立派なサラダである。「サカナ」だって「酒+菜」なんだから。
サラダドレッシング[編集]
いわゆる「サラダ」は「青菜に塩をかけたもの」であり[2]、(仏)「ア・ラ・ターブル」と言われて「テーブルに出してから調理する」のが定法であるが、そのとき用いられるのが「サラダ・ドレッシング」であり、「各人がマゼマゼする」ときにお好みでかけるのがドレッシングである。粘稠度の高い(=トロッとした、あるいはドロッとした)ものはもっぱらソースと呼ばれるが、まぁドレッシングといえよう。ソース自体はマヨネーズはマヨネーズ“ソース”であり、パスタにかけたり和えたりするようなものがソースである。トッピングはトッピングとして区別されそうだ。
- フレンチドレッシング
- サウザンド・アイランド・ソース(サザンアイランド)
- 和風胡麻醤油ソース(紫蘇味)
- イタリアン(オリーブ油+バジル+バルサミコ酢)
- マヨネーズ・ソース
- 辛子明太子マヨ
など、羅列しはじめると「サラダドレッシング」という別ページが立ちかねない[3]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
外部サイト[編集]
- フランスで親しまれているサラダとパンの楽しみ方(https://www.kewpie.co.jp/prouse/foodcolumn/article/2022/10/03.html)