ダイコン

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大根の画像

ダイコン(大根)は、植物界種子植物門被子植物亜門アブラナ科ダイコン属の草本である。我が国には弥生時代に渡来し、古墳時代の記述にオオネの名前が見られるという。七草粥に用いられる「春の七草」のうちのスズシロはダイコンを指すといわれる。 「蘿蔔」とも表記され、細切りとしたものを「繊蘿蔔(せんろうほ)」という。いわゆる「千六本」の語源はこれである。

概要[編集]

付け根から先へ、あるいは周りから中心部へ白または薄紫色の小さな十字形の花が咲いてゆく。葉は羽状に深く裂ける。 太くて白い根は長い円錐状である。

用途[編集]

全草が食用になる代表的な野菜。根はもちろん、葉も青菜のように食されるが、葉はやや硬いために摂氏五十度くらいの温度で酵素を不活性化したのち天日干ししてから細かく刻んで漬物にすると飯に合う。中国や東南アジアでは、熟していない果実も食べる。
漬物煮物おでんなどの鍋ものに切り干し大根サラダ大根おろしに使われる。古くは農村では米の収穫量が少ない場合、米に大根を混ぜて炊く大根飯が食べられていた。いわゆる「かてめし」と呼ばれるものである。根には、ヒドラドペクチン、アデニン、ヒスチジン、アルギニン、アミラーゼ(ジアスターゼ)を含んでおり、葉にはシスチン、アルギニン、リジン、精油などを含んでいる。辛味成分になっているイソチオシアネートは、大根おろしやワサビなど、すりおろすことでシニグリンにミロシナーゼという酵素が働き、イソチオシアーネとなることで生まれ、肝臓の解毒作用を助け、がんの発生を抑制する。辛み成分を多く含む辛味大根は、ワサビと同様に おろして蕎麦の薬味として用いられることもある。出雲蕎麦などが知られる。
根の表皮は厚いため、皮は厚めに剥いてから調理するとよい。皮は別に繊切りにしてから干物にしてもよい。おでんや ふろふき大根などに用いられる。

余談[編集]

  • 品種が数多くあり、各地に地域野菜としてそれぞれの品種が定着している。一般的に流通しているものは「青首大根」があるが、
    • 三浦大根
    • 練馬大根
    • ねずみ大根(中之条大根)
    • 桜島大根
    • 聖護院大根

と、なんだかんだで二百種ほどあるという。おでん専用とされる大根もある。

  • 同じアブラナ科にスジシロソウやハマダイコンがある。ハマダイコンを品種改良したものという説もあれば、中国由来説もある。
  • ダイコンソウという植物があるが、本種がアブラナ科であるのに対し、ダイコンソウはバラ科である。また、ダイコンソウはジュームの名で観賞用にされる。
  • 演技が下手な役者のことを「大根役者」と呼ぶことがあるという。「中(当)たらない」けど、おでんに大根が入ってなかったら寂しいし、刺身のつまに大根は欲しい。したがって、「派手な演技で注目されることはないが、欠かせない」という好意的な評価とする人もいる。福本清三さんは「五万回斬られた男」と言われたが、大根役者の鑑ともいえる。
  • 太い脚を罵倒する語として「大根脚」という言葉がある。ちなみに昔は大根脚とは白くて細い脚を指す言葉だったとか。久米仙人(くめのせんにん)は飛行中に女性の脛に見とれて通力を失って墜落し、その女性を娶って俗人となったと云われる。「久米仙」という日本酒もある。

関連項目[編集]