ザウアークラウト
ザウアークラウトは「酸っぱいキャベツ」の意だが、べつに酢漬けではなく、乳酸発酵によって生成された乳酸によって保存性を高めた漬物の一種である。
「ザワークラウト」とも呼ばれ、ドイツでは保存野菜として親しまれ、「アスコルビン酸」(ビタミンC)を含むため「壊血病」の予防のために船舶食糧とされた。
概要[編集]
妹尾 泰然、高木 実、山本 篤『独和レキシコン』(“REA++EXICON DER DEUTSCHEN SPRASE”、一九七四五月問十日、第1版、株式会社 大学書林)の“ Sauerkraut”の項によれば、
『ザウアークラウト.Sauerkohl ということもある.刻んだキャベツと塩を交互の層にし、ネズの実を間にふりまいて、樽や桶にぎっしりと漬けこむ.3週間くらい経つと自然に醗酵して、酸味の強い漬けものができる。塩の割合は 1.5 % ~ 2% くらい、ビタミンCに富み、消化もよいといわれる。
家庭でも漬けるが、瓶/缶詰/計り売りなど市場製品もある.サラダ、スープ、付けあわせその他用途があるが、もっとも一般的なのは煮こみ料理だろう。塩漬けや燻製の肉のかたまりを、玉ねぎ・じゃがいもなどと一緒に、ラードや鵞鳥の脂、ネズの実、胡椒・クミンなどの香料を加えて長時間スープで煮こみ、ハムやゆでたソーセージ、さらにマッシュ・ポテトや生クリームまでのせるので,こうなると消化は保証できない.』
という。
製造法[編集]
滅菌した貯蔵瓶に、キャベツの繊切りに重量比で1.5%から2%ほどの食塩を加えて塩揉みし、軽く水を絞ってから詰めて常温で貯蔵するだけのものである。
とはいえこれは初回だけの話であり、汁が上がってきた場合はそれをスターターとすれば塩分濃度を保つ必然性はなく[1]、1%程度まで減らしても問題はない。アスコルビン酸やクエン酸を足す手もあるかもしれない。ただし、それを考えると、酢(酢酸あるいは食酢)を足すのも OK という話になりそうなので、いまひとつな感じがする。
糠漬や糠床なども乳酸発酵であるため、共通点が多い。ただし、「酸味」があるため加熱調理とは相性が悪いという批判がある。酸っぱくなった高菜や野沢菜の漬物を、細かく刻んでチャーハンとするのは一般的だと思うが。
脚注[編集]
- ↑ 塩蔵ではなく、乳酸によって保存性を高めているためである。