調号
調号(ちょうごう)とは、楽曲の調性を示す記号である。英語ではkey signature。
五線譜で初めの音部記号の次に、変化記号が#か♭のどちらかを用い、#が1つ増えるごとに5度上の調に,♭が1つ増えるごとに5度下の調となる。この関係を「五度圏」という。音階に変化記号が含まれるか含まれないかのもの。一つの調号で互いに平行関係の長短二つの調が表される。長短調各12調に対応する12種類の調号があり、全音階を規定する。調号としての#・♭の個数は6個までである。調号の付け方は、#の調号はファ.ド.ソ.レ.ラ.ミという5度上の順に、♭の調号はシ.ミ.ラ.レ.ソ.ドという5度下の順に付く。ハ長調・イ短調は無調号で、そのままの調号に変わる。調号無しのハ長調・イ短調は、基本となる調性であり、基本調とも呼ばれる。調号が6個の調なら、#6個の調は♭6個の調と異名同音調になる。調号が同じ長調・短調を、「平行調」という。平行調は、五度圏で同じ方向に位置する長調と短調。調号における#や♭の効力は、オクターブに関係なく、五線の同じ音名の全てに及ぶ。調号#♭の数は、鍵盤上では黒鍵に当たる。調号の数が多くなると、初学者にとっては読譜の難易度から一般的に演奏が難しくなるとされるが、実際には移調楽器の特性次第で調号が多い調のほうが演奏が容易になる場合もある。
ハ長調以外は、主音の音高の位置により、音階固有の音には♯や♭が必要である。このような♯や♭は臨時記号の形では書かず、調号として音部記号の右にまとめて書く。調号が付いた場合は、楽譜の中のどの位置にあっても♯・♭のついた音となる。
12種類の調号を持つ長短音階のうち、調号が6個の調のみ、異名同音によって書き換えることができる。五度圏では、調号の数が6個のときになると、異名同音の関係にある調を1つにまとめ、#系とb系の調が1つにつながり、円形にすることができる。実音の響きの上では調号は12種類となる。オクターブ内には、半音12個あるという関係である。
- の調号がついている場合、調号の一番右の#の音が階名のシとなる。
楽譜上で、調号の数が変わる場合=転調の場合は、まず元の調号を左から順に♮で打ち消し、その後に新しい調号を書き、複縦線(ダブルバー)で調を区切る。
それぞれ調号を付けることで、「ドレミファソラシド」と同じ音形の響きを持つことができる。
調号として用いる変化記号では、x(ダブルシャープ)、bb(ダブルフラット)、♮(ナチュラル)の記号は用いられない。
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